【インタビュー】スヌープ・ドッグ「これは超ヤバい!」

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スヌープ:自分のキャリアにとって一つの頂点だ。俺にとって頂点はジェームス・ブラウンとジョージ・クリントンだ。だからジョージ・クリントンが俺を「突出した才能」と褒めてくれて“フューチャリスティック・バウワウ”と名付けてくれたことは凄いことなんだ。彼はこれまで人を称賛するなんてしたことなかったからな。おそらく今まではブーツィー・コリンズぐらいだから、彼と並んだ気分だぜ。そして彼は俺に「そのまま突き進め」とも言った。ドギー・スタイルを始めたとき彼からもらったアドバイスを胸に、俺はずっとそれを守ってやってきた。このアルバムは、俺とファレルが一緒に“研究所”に戻って一緒に何かやろうってことになって始まった。ファレルが何曲かやって、俺が何曲かやるっていう中途半端なものでなく、最初から最後までファレルがプロデュースするっていうものだ。一年半お互いで構想を考えて、スティーヴ・アーリントンにしようとか、色んな話で盛り上がった。それでようやく2人でマイアミで落ち合って、色々試してみたら「ソー・メニー・プロズ」を始めとする魔法のようなアイディアができあがっていった。それで俺達の仲間に聞かせてみたら、みんなが「これは超ヤバい!」と反応した。俺はそこから「コレはいける」と思った。

ファレル:まさにそうだったね。全てはマイアミで始まった。

スヌープ:そう、このアルバムはマイアミから始まった。カリフォルニアでも行ったけどな。T.Iが隣で自分のレコーディングをやっていた。お前はT.I.とも仕事してたよな。

ファレル:そうだね。

スヌープ:お前は働きすぎだ。

ファレル:そうかもしれないね。『ブッシュ』アルバムについていえば、レーベル側が「ピーチズ・アンド・クリーム」が良いと1stシングルに選んだわけだけど、僕からしてみたらこのアルバムは全曲シングルになり得るよ。

スヌープ:ああ、そうだな。俺は「ソー・メニー・プロズ」と「カリフォルニア・ロール」がけっこう好きで、1stシングルに「ピーチズ・アンド・クリーム」はイメージしていなかった。もちろんいい曲だが「ソー・メニー・プロズ」の方が勢いがあると思っていたからな。でも色んな人達に聞かせてみたり、自分もスヌープ・ドッグとしてではなく少し距離を置いて一人のいち音楽ファンとして客観的に再度聴いてみたら、「ピーチズ・アンド・クリーム」もヤバいと思い直した。ラップあり、歌あり、ブリッジあり、そして曲はファンキーで今の世の中には無い感じの音だ。さらにグルーヴが最高だ。俺がロンドンへ行って大勢の人達に聞かせた時、みんなこの曲でノリノリになっていた。ボディーランゲージは嘘をつかないだろう?ボディーランゲージこそ「いい音楽」の真の定義だ。

ファレル:その通り。最近、自分の音楽作りのアプローチが変わったと思っていて、自分にとってまず気持ちのいい音を作って、その後にそれを聞いた人やファンのフィードバックがあれば、なるべくそれを取り入れようという姿勢になった。今の時代、僕達アーティストはかつてないほどファンとインタラクティブになっている。20年前ならアーティストは好き勝手にやって良かったのかもしれないけど、今の時代、僕達はファンの意見を無視してはいけない。

スヌープ:一番書くのが簡単だった曲は何だった?

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