デビュー30周年記念リリース第2弾として男性ソロ・アーティストの楽曲をカヴァーしたアルバム『Glamorous Show II』を5月27日に発売するSHOW-YA。プロデューサーに前作同様、笹路正徳、そしてマーティ・フリードマンをアレンジャーに迎えて制作された今作は、男性ロック・バンドの曲をカヴァーした前作以上に意外性のある作品となっているのと同時に、唯一無二の女性ハードロック・バンドSHOW-YAの実力を再確認できるものとなっている。今作について掘り下げると共に、年2回開催となる<NAONのYAON>についてても熱く語ってもらった。

◆SHOW-YA~画像&映像~

■どこをどう歌うのかは閣下と「どうしようか?」って話し合いましたね
■一緒にドーンと歌っても良いんだけど、収拾がつかないかなみたいな(笑)


──今回のアルバムは、前作の『Glamorous Show』の反響を受けてのカヴァー・アルバム第2弾ですね。

寺田恵子(Vo):もちろん反響もすごくあったんですけど、第1弾を作るときから、カヴァーは3枚くらい出そうかという話があったんです。3枚目があるのかはわからないですけど、とりあえず第1弾、第2弾のカヴァーはやろうと。その間にオリジナル・アルバムもやろうというのは当初から決めていたことです。ただ、どんな曲をカヴァーするかは決めていませんでした。

──前作は男性ロック・バンドのカヴァーということで意外性はありつつも、SHOW-YAとの親和性を感じさせる作品でしたが、今作は男性ソロ・アーティストのカヴァーということで、言ってしまえばすべてが意外な選曲というか。

寺田:はい、そうですね(笑)。どんなカヴァー・アルバムにするかというところでまずみんなでガッツリとミーティングをしました。最終的に男性ソロ・アーティストに決めたんですけど、そこから誰の曲を選ぶかというのもすごい悩んだし、候補に挙がっていた人もたくさんいたんですよ。でもその中でSHOW-YAがやったら面白いかなという人とSHOW-YAっぽいなという人を選びました。

──寺田さん自身、ソロ・アーティストとしても歌っていますが、そうした活動とは別に、あくまでもSHOW-YAでやる上での選曲ということですね。

寺田:自分がただ歌うだけだったら、アレンジとか音の作り方は全然違うものになると思うんです。SHOW-YAだとSHOW-YAサウンドというのがベーシックにあるので、その中で自分がどう歌いたいかというのを今回は考えました。前作のロック・バンドのときは絶対ベーシックを崩さないというのがあったから、アプローチの仕方はそんなに悩まなくて良かったんですよ。でも今回はオリジナル曲とガラっと変えてしまっているので、それをSHOW-YAサウンドに変えて行かなきゃいけない、そこから自分がどういうアプローチで歌うかということを、前回よりも事細かにやりました。だからめっちゃ苦労しました(笑)。

──旧知の笹路正徳さんがプロデューサーを務めていることもアルバムを完成させる上で大きな力になっているのではないですか?

寺田:そうだね、笹路さんはSHOW-YAのことを良くわかっているから、冒険もさせながら守るところは守るというやり方というのは変わらないんだけど。今回は新しいカラーも欲しいなと思ってマーティ(・フリードマン)にも参加してもらって、5曲でアレンジを担当してもらっています。


──では収録曲について順番に教えてください。まず「勝手にしやがれ」は<NAONのYAON2015>でも披露されました。これはすごくダンディさが際立っていますね。

寺田:ダンディ!? 私は沢田さんのすごいファンだったので、この曲をやれて嬉しいです。すごくSHOW-YAらしいサウンドだし、シンセの「タタンタタンターン」ってフレーズが出てくるまで何の曲かわからないという部分もあるので、一曲目にしました。歌は詞の内容通りにキザっぽくクールに歌ってます。

──どんなアレンジになっているのかを想像しながら楽しめるアルバムですよね。「青空、ひとりきり」のアレンジもオリジナルとはだいぶ違います。

寺田:陽水さんはずっと子供の頃聴いていたんですけど、私が好きな曲はすっごく暗い曲が多いんですよ。「二色の独楽」とか。でもこれはさすがにSHOW-YAではできないなと思って(笑)。陽水さんの曲なら「飾りじゃないのよ涙は」とかもあるけど、やっぱり陽水さんっぽい曲をやりたいなというのと、その中でSHOW-YAがやったら似合うんじゃないかなと思う曲として私が選んだんです。ちょっとプログレっぽくて壮大な感じになるんじゃないかなと思って。それとアルバムを通してなんですけど、今回はほとんどリズム録りのときに歌った歌が採用されているんです。歌入れのときに歌っている方が少ないかな(笑)。バンドのグルーヴを感じながら歌ったり、自分のグルーヴでメンバーが演奏したりという風にしたかったのでそうしたんだけど、この曲は自分が引っ張ったりとかメンバーの音に引っ張られて歌っているので、そういう世界観は出ていると思いますね。

──この曲もイントロを聴いても何の曲が始まるかわからないですね。

寺田:これイントロからかなりプログレだよね?すごい練習してたよ、メンバーは(笑)。

──70年代の曲が続きますが、次も矢沢永吉さんが1977年に発表した「黒く塗りつぶせ」。これはテンポアップされていて間奏にはディープ・パープルの「ハイウェイスター」風のキメもあり、70年代の日本のロックとブリティッシュ・ハードロックを共存させているように聴こえます。

寺田:うん、うん(笑)。

──洋子さんが以前から<NAONのYAON>に出ていたりはしますけど、SHOW-YAと矢沢さんって接点はあったんですか?

寺田:実際にはないですね。でも自分が中学・高校生の頃って“その世界”ではカリスマじゃないですか(笑)?ちょっとヤンチャな時代もあったので。千葉のヤンチャな人たちはみんな聴くんです、YAZAWAを(笑)。今でもカラオケでみんな歌うしね。

──じゃあ「黒く塗りつぶせ」もよく歌っていた一曲?

寺田:私は永ちゃんの曲で歌うのはバラードが多いんだよね。「Mr.T」とか。でも「Mr.T」はSHOW-YAじゃないなあって(笑)。アルバムをトータルで考えると、テンポが速い曲とかパワフルな曲が欲しくて「黒く塗りつぶせ」にしました。この曲はマーティにアレンジを頼んだんですけど、人間技じゃないような速いリズムパターンできたので(笑)、少しテンポを落としたりしましたね。笹路さんのときはある程度メンバーがこういうことを弾くだろうというのを想定してアレンジしてくるんですけど、マーティの場合は「フレーズはそれぞれ考えてほしい、ただアレンジはこういう方向で考えています」という感じだったので。

──「い・け・な・い ルージュマジック」のこういうアレンジのカバーは初めて聴きました。

寺田:すいません(笑)。やっぱりね、他の方も特徴のあるシンガーが多いんだけど、清志郎さんというのは誰にも真似できない歌い回しだったりとか、曲だったりするじゃないですか?だからそれをどうやって表現したら良いのかすごく悩んだんだけど、ギターのリフものがアルバムに多いのでキーボードもフィーチャーしたいなというのもあって。そういうアレンジになっているんですけど。どこをどう歌うのかは閣下と「どうしようか?」って話し合いましたね。一緒にドーンと歌っても良いんだけど、収拾がつかないかなみたいな(笑)。本番はツルっと1曲歌って面白いところを出して行こうかって。結果ほぼ1テイクでしたね、お互いに。

──寺田さん自身の清志郎さんへの想いを聞かせてもらえますか?

寺田:シンガーとしても人としてもすごく素敵な人でしたね。SHOW-YAと清志郎さんの接点って、レコード会社が同じだったくらいしかないんだけど、違うところで何回かお会いしたことがあって。良い人っていう言い方も変なんだけど、本当に普通に良い人で。ミュージシャンとしてどうというよりも人としてすごく温かい人だったなと思います。自分はソロの弾き語りでは清志郎さんの曲も歌っているんですけど、今回この曲を選んだときに、閣下と2人で“悪魔と魔女”で不思議な世界を作れたら面白いなんじゃないかなって思ったんです。清志郎さんと坂本龍一さんがやったときも異色で奇妙な感じだったじゃないですか?

──そうですね、キスしたりしていました。

寺田:まあ別に閣下とキスするつもりはないんだけど(笑)、そういう面白い感じにしたくて閣下を選んだというのはありますね。

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