【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.14「ヘルシンキのロックバンドAncarA エベレストのベースキャンプ標高5364mで史上最高地ロッキン・ハイライブを計画」

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フィンランドのバンドがなんとエベレストの標高5364mにあるベースキャンプでロッキン・ハイライブをこの秋計画中!しかもこれはアコースティックでなくエレクトリックなライブで、成功すればエベレスト初のエレクトリックライブ、そして世界的に史上最高地でのロックライブになるそうです!

◆AncarA画像

これに挑戦しようとしているのは1996年ヘルシンキで結成されたロックバンドAncarA。メンバーは:
Sammy Salminen(サッミー・サルミネン)ヴォーカル
Gary Keskinen (ギャリー・ケスキネン)ギター&キーボード
Juha Wahlsten (ユハ・ワフルステン)ギター&バッキングボーカル
Toni Hintikka (トニ・ヒンティッカ)ベース
Rale Tiiainen (ラレ・ティーアイネン)ドラム


ギタリストのGaryは2008年5月末に東京で開催されたフィンランド・フェストに出演したフィンランドのロックバンドNegativeのツアーギタリストとして来日もしているので、知っている方もいるかと思います。

この春にはデジタルEP「Wake Up」が発売になっています。日本ではまだ無名だと思いますがオルタナティヴなハードロックでかっこいいサウンド!最初に公開になってたタイトル曲も好きだったんですが、このEPの中で一番気に入ったのが「Ending Mode」という曲。YouTubeにも上がってきたのでぜひ聴いてみてください。


このエベレストのベースキャンプでライブを行うというアイデアを思いついたのはギタリストのGaryとヴォーカルのSammy。これまで頭に描いていたことを実行に移すことにしたそうです。音楽以上に深いもの、情熱、夢、これまでに聞いたことのないクレージーなこと、アイディア、実行すること、粘り強さ、あきらめないこと、空に近づく、一生の思い出に残る体験、協力しあう、歴史をかえる、足跡を残す、世界を改善──そういうものすべてがこのエベレスト山でのロッキン・ハイライブプロジェクトを実行に移すことになった理由だそうです。


メンバーに高所恐怖症の人はいないとのことですが、山登りの経験は誰もないとのこと。ちなみにフィンランドには山がありません。ベースキャンプまで歩いて約2週間半。しかも15kgの機材を担いでいかなきゃならない。これはかなり体力がいりそうです。

というわけでこの史上最高地ロッキン・ハイライブに備えて真冬の2月にフィンランド北部のオウルで氷を割った水にはいりライブを行っています(Rocking Highビデオをご覧ください)。これ見てるだけで寒そう!と思ったのですが、蒸し暑い梅雨時の日本で今見るにはちょうどいいかもしれません(笑)。


幸いにもこのあと誰も風邪を引いた人はいなかったそうです。そのあたりはさすがフィンランド人!フィンランドでは真冬に湖にはった氷に穴を開け寒中水泳ならぬ氷中水泳(でいいのかな?)をする人が実際にいるのであります。もちろんサウナがお供ですが。

少し暖かくなった春には合宿でトレーニングを行っていたとのことでその写真も届きました。

今年4月に起こったネパール大地震ではライブ予定のベースキャンプも被害をうけましたが、それでもライブは決行するそうです。ライブ決行の資金とネパール大地震の救済金を募るチャリティコンサートも後日予定されているそうですよ。





このロッキン・ハイライブはすでに準備の段階から撮影が始まっていて、来年春にドキュメンタリー映画としてTVで放送予定。そしてこのヒマラヤのベースキャンプでのライブはネットを通じて世界中にストリーム予定だそうです。

実現の際はぜひこの史上最高地ロッキン・ハイライブみてみてください。


文:Hiromi Usenius

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