【インタビュー】藍井エイル、3rdアルバムに「自分との新たな出会いがいっぱい」

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藍井エイルが6月24日、3rdアルバム『D'AZUR』(ダジュール)をリリースする。歌唱法、歌詞、曲調、初回盤付属フォトブック「The Blue Nightmare」のヴィジュアルなど、これまでの藍井エイルのイメージを軽々と超越する領域へ踏み込んだ意欲作の完成だ。

◆藍井エイル 画像

本人曰く、「新しいジャンルに触れた1枚」だという『D'AZUR』は、歌声ひとつ取っても表現力に溢れた仕上がり。彼女本来の突き抜けるハイトーンはそのままに、全13曲の持つ物語を表情豊かに響かせる美声は称賛に値する。また、現在開催中のワンマンツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2015-BEYOND THE LAPIS->で披露されているアルバム収録曲は、会場をひとつにするパワーに満ちてフロアを躍動させるなど、ライブ向けのナンバーが揃ったということもできる。そのひとつひとつに込めた想いを明かしてもらうべく、藍井エイル自身にアルバム収録全曲を解説してもらったロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■メッセージ自体はシリアスなものなんですけど
■写真はとびきりポップですから(笑)

──まずはアルバムタイトル『D'AZUR』に込めた意味から教えていただけますか?

藍井:1stアルバム『BLAU』(ブラウ)もドイツ語で“青”という意味だったんですが、今回も私自身のテーマカラーである青に戻ってきました。D'AZURはフランス語で、英語でいうと“〜OF BLUE”という意味を持っているんです。私が持っている青の世界観は聴いてくれる人がいないと成立しない世界なので、ここでいうD'AZURは“あなたと私で作る青”をイメージしてます。

──アルバムが完成してみて、今思うことは?

藍井:今までの“藍井エイル”の幹になっている部分から枝分かれして、その枝の先にある新しいジャンルに触れた1枚になったと感じてます。藍井エイルの幹にあったちょっと硬質なサウンドとハイトーンのストレートな歌。そのクールネスというイメージを残しながら、今回は温かい質感のものに踏み込んだり、思いっきりデジタルによったサウンドにも挑戦しています。それに、人間味溢れるバンドサウンドをフィーチャーした「Bright Future」では私以外のメンバーの声を入れたり、とにかくいろんな新しい要素が入ったアルバムになっていて。

──人間味という意味では、初回限定盤特典のフォトブックの仕上がりもこれまでとは違うものになったとか。

藍井:はい。フォトブックのほうでも藍井エイルとして新しい挑戦をさせてもらっていて。ここでは、ずっと私が着たかったとっておきの洋服を着たりしてるんですよ。

──それは、みんなが驚くようなファッションですか?

藍井:ええ、かなり(笑)。今までのフォトブックは決めカットがすごく多かったんですけど、今回はストーリー仕立てになっているんですね。このストーリーのなかでは、ジャケットの青いライオンがポップなキャラクターとして登場するんです。私は“ダジュール君”と呼んでるんですけど(笑)。

──もしかしてコミカル路線なんですか?

藍井:コミカルではないですが、ポップ。そこにもちゃんと私が伝えたいメッセージがあるんです。フォトブックの最後のページを見ていただくとこのストーリーのオチが分かるようになっていて。ここで私が伝えているのは、どこにいっても自分の影は追いかけてくるけど、その影を怖がったり戦ったりしなくていいんだよっていうことで。それも自分自身なんだから大丈夫だよということなんです。だから、「青の世界」では“ほらここへ帰っておいで”と歌っているんですね。この曲があったからこそ、フォトブックではこういうストーリーをやりたいとディレクターさんと話して。でも、メッセージ自体はシリアスなものなんですけど、写真はとびきりポップですから(笑)。今までになかった表情やポーズをするのはすごく楽しかったですよ。

──逆にいうと、3枚目にしてようやくキメキメではない自分を見せられるようになったと?

藍井:そうですね。ジャケット写真に関して言えばキメの写真だから冷たい印象を持たれるかもしれないですけど、フォトブックでは私自身の本質に近い感じ。それは楽曲もそうで。今回はいろんな作家さんに関わっていただいたんです。結果、楽曲、歌詞、歌い方もいろいろ挑戦することができました。そこも今までとは違う藍井エイルが出せたと思います。

──その『D’AZUR』収録曲について、藍井エイルさんに全曲解説してもらおうと思います。まずは1曲目、インストの「awakening(instrumental)」。

藍井:このインストは篤志さんに作っていただきました。私はアルバムを聴くとき、1曲目から2曲目へ向かう瞬間に、すごくわくわくドキドキするんですね。だから、まずアルバムの2曲目にはテンポ速めでライブでもの凄く盛り上がる「IGNITE」を入れるのが絶対条件だったんです。「awakening」はそこへつなげる序章ですね。デジタル感があって、なおかつ壮大な感じもあるところは篤志さんだからこそ作れる世界観だと思います。

──そして2曲目の「IGNITE」はTVアニメ 『ソードアート・オンラインⅡ』 OPテーマ。ここで一気にテンションが上がって、本当にノリもいいですね。

藍井:マイナー調の楽曲なのにスコーンと突き進むような爽快さがありますよね。実は打ち込みがいっぱい入ってるんですけど、そこにパワフルなバンドサウンドを重ねているので、それらに負けないように私自身がサビでどれだけ爆発できるかということを意識しながら歌った曲です。「IGNITE」は“発火”という意味なんですけど、今までレコーディングしたなかで、最も汗だくになって発火状態で歌った曲です(笑)。

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