【インタビュー】INORAN × 真矢、<LUNATIC FEST.>を語る_第三夜「1回目は伝説に」

ポスト

■もう5人だけのものじゃないんで
■みんなの生き様を積んでる──INORAN

──そのへんの対決も楽しみにしていただければなと思います。では今回最後に取り上げるバンドはD'ERLANGER。これはまた、すごいバンドがフェスに出てくるなと。1983年の結成で、1990年の3月にメジャーデビューしまして、同年の12月24日に“理由はない”として突然の解散を発表しました。2006年12月24日に突然活動再開を発表。2015年でメジャーデビュー25周年。再結成8周年を迎えるベテランバンドということなんですけども。さて、このD'ERLANGERとLUNA SEAの関係性は?

INORAN:そうですね、CIPHERさん、(滝川)一郎さんはホントに憧れの人なので。やっぱりこのフェスに絶対出てほしいと思いました。本当にこの人になりたいと思ってましたもん、10代の頃。それはもう、今でも電話は正座です。

──もうこの日の出演はたまらないわけですね。

INORAN:たまらないですね。あと、ヴォーカルのkyoさん。kyoさんが初めてD'ERLANGERに入ったライヴ観てますもん、鹿鳴館で。

真矢:ああ、すごいね。

INORAN:本当に何回もライヴ観たし。

──それは普通にチケット買って観に行っていた?

INORAN:そうですそうです。だって中学3年生でしたもん。

──本当に憧れのバンドっていうことですね。真矢さんは?

真矢:LUNA SEAが地元から東京にライヴハウスに演奏しに行く時、D'ERLANGERが一番多く流れてなかった?

INORAN:ああ、そうかな。

真矢:それでテンション上げて、ライヴに挑んでた感じがしますね。でもやっぱりドラムのTetsuさんはね、僕も通ってきてるんですけど、重いビートでね。もう重いビートなのにめっちゃ正確なんですよ。カッコいい。あと、僕がロンドンに行って街を歩いてた時に、突然後ろから「アー・ユー・ルナシー?」って言われて。誰だよ!?って振り返ったらkyoさんだったんですよ。「うわ、kyoさん!」みたいな(笑)。そういうのすっごい嬉しかった。

INORAN:へぇ~! kyoさんね、めっちゃ個性的というか。すごいキャラだし。

真矢:ヴィジュアル系って“刹那”とかがけっこうキーワードじゃないですか。kyoさんってめっちゃ刹那感があるヴォーカリストだよね。憂いというかね。もちろんCIPHERさんもそうなんだけど、憂いっていうのはすごいキーワードなバンドな気がする。

──確かにありますね。あとセクシーさですよね。このへんもまたたまらないなというか。

INORAN:そうですね、グラマラスだしっていう。

──あえて聞きたいんですけど。1980年代の半ばにデビュー……LUNA SEAは1990年代のデビューだと思うんですけど。ヴィジュアル系のバンドたちって皆さんやっぱり一度止まるじゃないですか。これは何だったんですか? それぞれバンドによって違うのかなと思うんですけど。たまたまさっきも話したロックの60年史を考えてて、1980年代の半ばから1990年代にかけて日本ってある意味バブルみたいなもので一挙に成長して。バブルがハジけて、若い人たちが世の中に対して常に苛立ってたと思うんですよ。自分たちのことをわかってくれない。いる場所がない。それなのに大人たちはなんかお金に踊らされていて。ああいうものに対して一撃を食らわせてやろうとか。そうじゃない価値観、美学みたいなものがあるんだよっていうような中で、ヴィジュアル系といわれるバンドの人たちが一発かましにいった感じがすごくしてるんですね。

INORAN・真矢:ああ。

──このあいだ将棋の羽生さんが言ってた言葉で、「閃きと直感は違う」と。閃きは後から全部説明ができるんですって、なんでそうなったか。直感は後から説明ができないことだって言ってたんですよ。で、僕はこの1980年代の半ばから後半デビューのバンドって、ポジティヴな意味で直感でやってたのかなっていう気がしていて。あんまり理論武装とかをしないで本能で、大人たちに“そうじゃない!”みたいなところをやっていて。数年経つと、どうしても直感でやってたぶん、肉体的にも精神的にも疲れてきてしまった部分があって、1回お休みして。ある意味、直感だけではなく、少し閃き的な部分をプラスしてバンド活動に戻ってきてるのかなっていうのを個人的に感じてたりはするんですけど。

真矢:じゃあ、そういうふうにします(一同笑)。

──僕の長いトークだけが生きてしまいます(笑)。

真矢:ずっと突っ走ってきて。例えばLUNA SEAだったら、俺たち5人じゃなくて“LUNA SEAさん”っているんだよね。

INORAN:そうそうそう。

真矢:LUNA SEAさんっていうのがあって……人によって呼び方が違うと思うけど、あるんですよ。それが老いていく姿を見たくない。衰えていく姿を見たくない。それで1回終幕とかいう道を選んだのかもしれない。

INORAN:うんうんうんうん。その通りです! やっぱりLUNA SEAっていうものは、LUNA SEAさんに近いんですけど、もう5人だけのものじゃないんで。みんなの生き様を積んでる。なんなんでしょうね、見えないものなのか見えるものなのかわかんないですけど、そういうものなんで。あとさっきの直感と閃き。僕、ヴィジュアル系っていうか、今回出てくれる人たちって真ん中ぐらいだと思うんですよね。D'ERLANGERとかDEAD ENDとか、ヴィジュアル系じゃなくて。その当時、例えた言葉を作ってたんですよ。そういうバンドが多いんですよね。だから直感だけじゃないんですよ。

──D'ERLANGERだとサディスティックパンクとか、そういう言葉がありましたよね。

INORAN・真矢:そうそうそう!

INORAN:AIONだとデスラッシュバウンドとか。X JAPANもPSYCHEDERIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCKとかあるじゃないですか。

──妙に腑に落ちたような気がします。さあ、D'ERLANGERのお話の途中なんですけども、<LUNATIC FEST.>出演が決まった経緯というのは?

INORAN:やっぱり絶対外せないというか。いないわけがないっていう話です。

──改めてD'ERLANGERというバンドの魅力を語っていただくとすると、真矢さん、いかがでしょうか。

真矢:本当にセクシーで、なおかつ力強くて刹那感があってっていうさ。今、ヴィジュアル系って言われてるバンドの顔、要素をすべて持ってるようなバンドだよね。

──納得ですね。今回はDEAD END、SIAM SHADE、coldrain、そしてD'ERLANGERを紹介してきました。最後におふたかたにこのフェスへの意気込み、見どころを聞かせていただければなと思うんですけど。まずはINORANから意気込みを。

INORAN:もうカウントダウンは始まってると思うんですけど。思い起こせば2~3年前かな。SUGIZO先生が「こういうのやりたいんだよ」って、ずっと自分で走り回っていろんなことをやってたのを思い出すし。そこにものすごく情熱があったし、もちろんメンバーもそうだし、スタッフもそうだし。そして出てくれるみんなの熱も、どんな温度になっちゃうのかなって、楽しみですね。

──<LUNATIC FEST.>は今回1回目ですけど、1回目がまだアップしてないのでなんとも言えないと思うんですけど、もうファンの皆さんは当然2回目以降も期待していたりするのかなと思うんです。INORAN自身は未来に対して、今思ってることってありますか?

INORAN:まあ、未来は未来であると思うんですけど。やっぱりフェスの1回目っていうのは伝説に残ってるものが多いんで。特にいいフェスはね。だからそういうふうでありたいなと思いますね。

──真矢さん、このフェスへの意気込みを。

真矢:今回紹介させていただいた4バンドだけでもめっちゃテンション上がりますね。もうヤバいよね。だから……僕、たぶんプレイヤーというよりリスナーになってるほうが多いんじゃないかなと。

INORAN:うんうんうんうん。

真矢:でも逆に、リスナーになっても変な影響を受けないように気をつけなきゃと思って。自分は自分でいなきゃ、みたいな。LUNA SEAはLUNA SEAでいなきゃ、みたいなさ。そこは真っ向勝負したいですよね。来てくれる2日間、お客さんに喜んでいただくのがいちばんなんで、もう気合い入れて行きたいと思います。

──LUNA SEAのステージを観たことがある方はわかると思うんですけど、常にライヴというのはオーディエンスと一緒に作ってるじゃないですか。当然今回のフェスもやっぱりバンドだけではなくて、オーディエンスの皆さんが最終的には最後のピースを埋めてくださるのかなっていう。

真矢:このフェスの大部分はオーディエンスの皆さんの盛り上がりが作ってくれるもんだと思ってますんで。

──なるほど。何か飲食とか美味しいものは出るんですか?

真矢:何か出したいですよね(笑)。そこもみんな笑顔になっていたいですね。

INORAN:期待してますよ、真矢さん!

真矢:そうですか? ここはルナティックフェスじゃないですから!ルナティックフェストですから! そんな感じでいきたいと思いますよ。

INORAN:あははは!

──どんな感じなんですか!?(笑)。なんかいまひとつ言語が意味不明だったり、煙に巻かれたような(一同笑)。

INORAN:バレました?(笑)。

──最後にINORANさんと真矢さんからお客さんにメッセージをここでぶちかましていただいて。

真矢:いろんなメディアでこのフェスの詳細ってちょっとずつ発表してるでしょ。そのたびにみんなの反応がほんとに嬉しくて。なんだろう、俺たち以上にテンション上がってくれて。まあ、この首謀者であるLUNA SEAってさっき紹介されましたけど、本当に首謀者はみんなです。

INORAN:その通りだと思います。本当に楽しみです、当日が!

取材協力◎InterFM


<LUNATIC FEST.>

2015年6月27日(土) 幕張メッセ 1~4 ホール
2015年6月28日(日) 幕張メッセ 1~4 ホール
OPEN 9:30/START 11:00 / END 20:00 予定
■出演アーティスト
LUNA SEA(6月27日、28日両日)
【6月27日(土) 全12組】
LUNA SEA、X JAPAN、DEAD END、DIR EN GREY、Fear, and Loathing in Las Vegas、SIAM SHADE、LADIES ROOM、coldrain、TOKYO YANKEES、the telephones、9mm Parabellum Bullet、LUNACY(Opening Act)
【6月28日(日) 全12組】
LUNA SEA、BUCK-TICK、D’ERLANGER、GLAY、[Alexandros]、MUCC、KA.F.KA、AION、minus(-)、ROTTENGRAFFTY、凛として時雨、LUNACY(Opening Act)
■各プレイガイド一般発売日:2015年5 月30日(土)
■チケット料金: 各日¥15,500(入場チケット¥15,000+DRINK代¥500 / 税込)
[問]:LUNATIC FEST.実行委員会
0180-993-122(24 時間テープ対応)


◆インタビュー(3)へ戻る
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報