【インタビュー】SUGIZO × J、<LUNATIC FEST.>を語る_第四夜「みんなの狂気が必要」

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■最終的に本物は残る
■シーンは淘汰していくものでもある── J

──楽屋のほうをウォッチしたいなとも思いますけど(笑)。続いてピックアップするのは6月27日に出演しますDIR EN GREY。1999年のメジャーデビュー以来、独自の進化を遂げながら、今や欧米でも確かな支持層を確立しているバンドです。僕も<Ozzfest>で拝見しましたが、本当にジャンルにとらわれず世界で活躍しているバンドだと思うんです。DIR EN GREYとLUNA SEAの出会い、関係性を聞かせてください。

SUGIZO:ある意味、関係性としては俺が一番近いかもしれないね。普段もつるんでるというか、彼らとは一緒によく飲みます。彼らもLUNA SEAのDNAを継承してると公言してくれているんですよね。そこから、やっぱり独自の進化を遂げてきた。たぶん一番先端にいるアーティストじゃないですかね。年齢的にも今が最もいい頃だと思いますね。

J:ベースのToshiyaはよく連絡くれて、飯食ったりしてますね。彼らはいわゆる日本文化のキャンペーンではなく、独自のルートで海外のフェスや海外のシーンに評価されたことを、もっと日本の音楽シーンは伝えていかなきゃいけないと思いますよ。こんなことは今までなかったことですから。自分たちの手で、それを掴み取ったバンドなんですよね。どのバンドもできることではないと思います。それに、いわゆる日本のフェスやイベントになかなか出ないバンドが、俺たちの25周年フェスに出てくれるっていうのは本当に嬉しいですよね。

──確かに。真矢さんとINORANさんの時にも話をしたんですけど、ギタリストのCharさんとお話をした時に、日本のヴィジュアルシーンの根底にひとつに、Charさんは“かぶく”っていうものがあるんじゃないかとおっしゃってたんですね。それは西洋にない。何かに憑りつかれて憑依するみたいなところがあるっておっしゃっていて。DIR EN GREYとかLUNA SEAというバンドは日本独自の“かぶく”という特性を持っているから、世界に行ってもブレることがないのかなって個人的には思っているんですが?

SUGIZO:まさにその通りだと思う。かぶくところから影響を受けたものが実はグラムロックだったりするんですよね。グラムロックは歌舞伎からきてるんですよ。そのグラムロックや、当時のヨーロッパのダークなシーン、グラマラスなシーンから我々は影響を受けている。実は日本の歌舞伎はそういうロックのルーツだったりもするので。世界のグラマラスな文化がミックスして、こういうふうに成長してきてるっていうのはすごく興味深いと思う。

──そうですよね。DIR EN GREYとLUNA SEAの根底には同じものを感じるし、それがものすごく奥深いんですよね。

SUGIZO:DIR EN GREYがすごいのは、ここまでハードでダークなバンドが武道館を何日も満杯にしてしまうっていうこと。日本のロックシーンはすごく進化してきたんだなと思っちゃいますよね。素晴らしい現実だと思ってます。

──今でも飲みに行っているということなんですか。そこで音楽の話とか、世界について語ったりとかもあるんですか?

SUGIZO:いや、けっこうくだらない話。一昨日も飲んでたからさ(笑)。仲間ぐるみで飲みます。

──改めてDIR EN GREYの魅力をおふたりからひと言ずついただければと思います。

J:海外での評価を自分たちで力ずくで手にしたバンドです。いろんなフェスに出ていて、いろんなバンドと戦ってきているので、とんでもないエネルギーを持っていると思うんですよね。そういうバンドがLUNA SEAから影響を受けたと言ってくれるのがすごく嬉しい。彼らが俺たちの25周年に華を添えてくれるっていうのは本当にありがたいことだし、どんなライヴになるか、俺自身も楽しみにしてます。

SUGIZO:LUNA SEAと彼らは言うなれば同郷なんですよね。V系っていうものがあるとしたら、そこからLUNA SEAも彼らも、独自のシーンを作って羽ばたいていったと思うんです。同じ種族の後輩、一番近い後輩、そして一番身近な戦友として、こうやって同じステージに立てるのは本当に光栄なこと。これからも同郷のよしみで、このシーンをお互いに引っ張っていければなと思う。とても感慨深いことですよ、僕にとっては。

──続いて、6月27日に出演するFear, and Loathing in Las Vegas。若手といっても素晴らしいパフォーマンスをするバンドですね。

SUGIZO:今回の出演者の中でいちばん若いですね。

──2008年に神戸で結成。当時、平均年齢が19歳で、今SUGIZOさんがおっしゃってましたけど、今回出るバンドとしては最年少ということですね。そんな彼らとLUNA SEAとの関係性は?

J:自分がやっているイベントで一度一緒にやってもらった経緯があります。その時にね、圧巻なライヴを観たんですよね。ついにこういうバンドが出てきたかと。本当に隙がなかったですね。アウェイの中で会場にいる人たちのすべてを持っていってしまうような、ロックバンドとして持っていなければいけない要素がぎゅうぎゅうに詰まってるバンド。すごくカッコいいバンドですよ。

SUGIZO:僕は面識ないですね。ただ本当に新進気鋭の若手のトップバンドっていう認識はすごくあって、一緒にできることはすごく嬉しいですね。

──Fear, and Loathing in Las Vegasみたいなサウンドは今、世界的にも盛り上がっているんじゃないかなと思うんです。Crossfaithとか、そういった日本のバンドが世界に出ていっていますし。いわゆるラウドというか、デスボイス系といいますか、こういうシーンをどういう風に見ていますか?

J:ともすればジャンルとして確立してしまうぐらい乱立してるじゃないですか。そのへんに関していろいろと思うところはあるんですけど、ただ、最終的に本物は残る。シーンはそういうものを淘汰していくものでもありますから。彼らは本物だと思いますよ。

──新しいバンドとか新しいシーンからおふたかたは影響を受けるパターンもあるんですか?

SUGIZO:俺は、20歳上からも影響を受けるし、20歳下からも影響を受けます。いいものはいいですからね。年齢やキャリアじゃないし。大事なのは突き抜けて独自性のあるものを作っていけるかどうかだと思うので。例えばこのシーンもJが言ったように形骸化してる気がする。でもひとつのシーンとして確固たる強さと魅力があって、そこからいかに突き抜けて自分たちのやり方を編み出していくかが、これから5年、10年、20年とやっていく秘訣だと思いますね。

J:本当にカッコいいバンドがひとつ出てくると、その後、そのバンドに影響を受けたバンドたちがいっぱい出てくるんですよね。そういう意味で彼らはフロンティアだと思うし、絶対ライヴはすごいと思いますよ。

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