【インタビュー】SuG、新作「teenAge dream/Luv it!!」で体現する飽くなき“前向き”さ

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■この歌詞は本当に自分が10代の頃に思ってたことなんですよ。
■10代の頃、生きてる意味がないなと思ってたときに自分の苦手な音楽を聴いて感動した


武瑠:「ノーカットでやろう」というのは監督から出てきたアイデアなんですよ。

──武瑠さんのなかのキーワードは?

武瑠:初期衝動というテーマと、あとはバンドをやりたいと思ったときの気持ちを込めたいからMVを見た人がバンドをやりたいと思うような映像にしたいというのと、10代の刹那的な衝動を危うい感じで込めたいというのと。10年前の自分がいまの自分に「いろいろ忘れたりしてないか?」と問いかけてる曲なんで、まずカセットテープで「teenAge dream2005」みたいなのを聴いて、最後に「teenAge dream2015」が流れる。そういうアイデアは最初からあったんでそれも伝えた。

―――(映像を見て)あっ……これ、歌詞のテロップが出るんですか?

武瑠:この曲は歌詞から書いたし、自分の根源的なメッセージを歌ってるので出しました。初めてです。歌詞を出したのは。

──武瑠さんが出てきた後、一人ずつメンバーが出てくるんですね。

▲武瑠

▲shinpei

▲masato

▲yuji

▲Chiyu

武瑠:自分がメンバーと出会った順に出てくるんです。

──撮影はどうでしたか?

武瑠:自分のパフォーマンス力を試されてるみたいですげぇ大変でした。失敗できないですから、結構集中しないとできないんですよ。現場では4回撮って、MVで使われたのはそのラストテイク。

──すごくいいですね。青春ドラマとか映画みたいなんだけど、リアリティーもあって。

武瑠:いいですよね。尖ってるけど普遍的な感じがして。

──メッセージもグッとくるし。

武瑠:うん。ある種時代遅れとすら思われそうな熱いメッセージを書いてみたかった。

──熱いメッセージはいまは時代遅れなの?

武瑠:いまは“諦め先行”の考えを持ってる人が多いですから。叶わないなら、達成できないなら、これが貰えないなら、成功しないなら「やりたくない」とやる前から先に完結してる思考の人が多いと思います。叶わなくても叶えてやる、否定があってもやるんだというメッセージですからね。この歌は。

──それこそ武瑠さんの生き方ですよね。SuGをやりだして以降「体調不良がどんどん悪化し“ここまで身体がボロボロになるってことは、自分は音楽に向かないんじゃないか”ってことまで考えた」と武瑠さんは以前ステージでおっしゃってましたけど。それでも結局は音楽をやること、歌う事を諦めない訳じゃないですか。そこで諦めないという強いパワーはどこから出てくるんですか?

武瑠:えぇーっ……分かんないっス(笑)。パワーがあるなんて自分では思ってないし。

──むしろ身体は弱いほうですもんね?

武瑠:うん、強くはないんです。

──じゃあ、こんなにボロボロになってまでやる自分を突き動かしてるものって、一体何だと思います?

武瑠:……えぇ~っ(困惑)、分かんないスね。他にやりたいことがないから? 他にやりたいことがあったらすんなり辞めちゃうかもしれない。この歌詞は本当に自分が10代の頃に思ってたことなんですよ。10代の頃、生きてる意味がないなと思ってたときに自分の苦手な音楽を聴いて感動した。それが一番の原動力になってる気がする。文章を書くことは好きだったけど、それだと生きてく意味にはならなかったんですよ。別に書くことが面白いとは思わなかったんで。

──文章だと直接的に人が感動する姿が見られないからですかね。

武瑠:感動させたいとすら思ってなかった。よく芸能人やアーティストに憧れたりする人は、人を感動させる姿に感銘を受けて自分もそうなりたいと思ったっていう人がいますけど、俺はまったく人を感動させたいとか思ってなかった。いったら、いまも思ってないです。人に感動を与えたいとかは。

──えっ(絶句)そっ……そうなんですか?

武瑠:はい。自分が感動して、それを共有したいという気持ちはありますけど。人を感動させたいって、どこか上から(目線)な気がするから、そういう感覚はないですね。同じ目線しかない。自分には。そもそも自分は人に対して感動したとか、アーティストに憧れたことがないんです。俺の場合は憧れたっていうよりも……すごいつまんなくて何もやりたくない、学校も行かなくなってここではいえない悪いことをいっぱいやってた頃(笑)、HYDEさんの武道館のライブを観に行ったんです。それを見て、手放しで「俺もああいう風になりたい」とは思わなかったんです。だけど「あの景色はまだ見たことがない」と思った。自分は未経験だから。じゃああれをやってみたら面白いかもしれないと思って音楽を始めたんですよ。なので「面白いかもしれないことがいくつかありそうだから、それをやってみよう」。それが原動力ですね。俺の。

──音楽はまだまだ「面白いかもしれない」ということがあるから続けてるんですか?

武瑠:元々苦手だから、できないことが多いんですよ。だから、ですかね。

──もっと歌のテクニックをつけたいとか?

武瑠:すべての感情を歌に反映できるかっていったら、まだできないし。だからだと思う。まだまだ上手くはいかない。自分が苦手で、コンプレックスに感じてるからこそ、まだやりたいのかなと思ってます。全部やってみてから、俺にはできないっていいたいんで。

──これまでSuGを8年やって、その苦手意識もじょじょに克服できている実感は?

武瑠:作る曲のクオリティーは明らかに上がってきてますからね。そういうところは(自分自身)楽しめているのかもしれない。

──苦手を越えて楽しめていると。

武瑠:はい。作る曲というところでいうと、今後はもっと簡単にしたいなと思ってます。『BLACK』は難しくしすぎたんで、演奏が難しかったんですよ。でも、「teenAge dream」は特に歌はストレートだし。カラオケで歌いやすいと思いますよ。SuGの曲のなかでは。メロディも普遍的ですし。

──タイトルの”A“だけ大文字にした理由は?

武瑠:Aはアルファベットの始まりですから、また新しいSTARTという意味です。ちなみに、僕がやってるブランドの“million$orchestrA”もAだけ大文字なんです。

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