【対談】高橋幸宏×TRICERATOPS「<WORLD HAPPINESS>ほど気軽に行けるフェスは他にない」

ツイート

第8回目を迎える<WORLD HAPPINESS>が2015年8月23日(日)、東京・夢の島公園陸上競技場にて開催される。高橋幸宏がキュレーターを務める<WORLD HAPPINESS>は他の夏フェスとはひと味異なるコンセプトや出演ラインナップが好評を博し、ファミリーでも楽しめる都市型大人のフェスとして定着してきた。

◆高橋幸宏×TRICERATOPS 画像

高橋幸宏自身が出演者として、また制作者として深く関わる同フェスは、ベテランからニューフェイスまで、ジャンルを超える参加アーティスト陣からの評価も高い。BARKSは「フライング気味に直接出演オファされた」というTRICERATOPSを招き、高橋幸宏との対談を試みた。そこに浮かび上がったのは、<WORLD HAPPINESS>はミュージシャン同士のつながりが強く、バックステージがあまりにも楽しいという事実。フェス談義やYMOの話にも発展した両者の濃密なトークセッションをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■「えっ、そうなんですか?」っていう反応で
■「あっ、まだ伝わってなかったのか」と(笑)──高橋幸宏

──対談に先だって、キュレーターである高橋幸宏さんに今年の<WORLD HAPPINESS 2015>について、いくつか質問させてください。まず今回は日程が少し変更されて、例年よりも2週間遅い時期での開催となりましたね。

高橋:はい。この日程、どう思います?

──ここ数年、酷暑の中での開催でしたので、観客も出演者もかなり楽になるのではと思っています。

高橋:そうですよね。しかも去年は7回目にして初めての台風に見舞われて。僕はずっと自分で「晴れ男だ」って言ってたんですけど、教授(坂本龍一)も影ではそう言ってたらしくて。去年は教授がいなかったから台風だったのかな(笑)。一発目のPUFFYが出た時から、もうずっと土砂降りで。電気グルーヴが本番のMCで「本日のスペシャルゲスト、台風!」って言ったくらいの相当な雨でしたね。でもなぜか、僕が出た2つのバンドのステージでは雨が降らないという(笑)。だけど実は天候のことだけじゃなくて、今年はいろんなフェスの日程が重なり過ぎたこともあって。それで思い切って、日程を動かしたんです。

──そして、今年のメインビジュアルは幸宏さんと旧知の中であるファッションデザイナー山本耀司さんがご担当されるということで、喜んだファンも多かったと思います。山本耀司さんに依頼された経緯は?

高橋:4年前のビジュアルが手塚治虫さん、次が細野晴臣さん、一昨年が赤塚不二夫さん、そして去年が横尾忠則さんときまして、海外のデザインチームだとか若い人たちだとかもいろいろと考えたんですけど、まあ、そんな人たちの後では誰になろうともなかなか荷が重いですよね。それに対抗できるのは耀司さんくらいかなと思って相談してみたら、「そろそろ来るんじゃないかと思ってたよ」って言われまして(笑)。「是非、お願いします」となったんです。

──なるほど。一方で出演者に関しては、第一弾として発表されたバンドが幸宏さんご自身のプロジェクトであるMETAFIVE、<WORLD HAPPINESS>を皆勤されている鈴木慶一さんが率いるControversial Spark、そして、今日対談していただくTRICERATOPSでした。

高橋:たまたまラジオ局で会って、挨拶された時に、「<WORLD HAPPINESS>、お願いするかもしれないから」って言ったら、「えっ、そうなんですか?」っていう反応で。それで「あっ、まだ伝わってなかったのか」と思って(笑)。

和田:あの時は、まだ全然知らなかったんです(笑)。

高橋:後ですぐに話がいったでしょ? 僕の中ではもうお願いしようというつもりだったんだけど。

和田:あの時点からですか?

高橋:うん。ただ、まだスタッフとの間で最終決定になる前だったのかな。

和田:うわぁ、本当ですか。それは光栄です。<WORLD HAPPINESS>のことはもちろん知ってましたし、テレビでのオンエアも見ていました。特に印象に残っていたのが、赤塚さんのビジュアルがステージの後ろにある時で。

高橋:「The おそ松くんズ(2013年の大トリを飾った特別編成バンド)」?

和田:そうです! それを見て、いいなぁって思っていました。羨ましいというか、TRICERATOPSはこういうフェスには呼ばるのかな?どうなのかな?って思っていて(笑)。

高橋:いや、前からお願いしたいなって考えてたんですけどね。なかなかタイミングが合わなかったりして。

和田:本当ですか!

吉田:最初にお話を聞いた時は、「えっ?」って驚いて。「本当なの?」っていう感じでした。

高橋:僕のファンの方々からすると、TRICERATOPSは意表をついた人選と思われるところもあるようですけどね、僕の中では全然そんなことはないんです。まあ確かに筋肉少女帯とかはそう思われても仕方ないかもしれないけど(笑)。最近、大槻(ケンヂ)くんのファンの人が僕にTweetしてきて、彼がライブで「何で(出演を)引き受けちゃったんだろう? 絶対アウェイだよな」ってずっと言ってたらしくて(笑)。大槻くんとは何度か話もしたこともあって、どんなステージを見せてくれるか楽しみにしてるんですよ。爆音らしいですしね。

──今年はSCANDALも初登場ですよね。

高橋:以前やっていた<WORLD HAPPINESS>の前夜祭イベントがあって、その2009年の前夜祭に出てもらっているので、実は初登場ではないんですけどね。

和田:そうなんですか。じゃあまだ、彼女たちが……。

高橋:20歳になったかなってないかくらいだったのかな? うちのスタッフが彼女たちに僕を「この人が<WORLD HAPPINESS>のオーガナイザーです」って紹介してくれたんだけど、たぶんその時はよく分かってなかったんじゃないかな(笑)。

和田:でも彼女たちもあれから大人になりましたからね。

高橋:あの時はライブを観て、「ヤバいな!この娘たち」って感じでしたね。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報