【ライブレポート】<スペシャ列伝 第127巻 ~波創の宴~>、Awesome City Club、The fin.、Suchmos、Homecomingsによるエポックな一夜

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スペースシャワーTVによるライブイベント<スペースシャワー列伝15周年記念公演 第127巻 ~波創(なみはじめ)の宴~>が、7月22日(水)にTSUTAYA O-Nestにて開催された。スペースシャワー列伝15周年記念公演の2発目となるこの夜は、 Awesome City Club、Suchmos、The fin.、Homecomingsという新しいシーンを創りだし、最高のグルーヴでフロアを揺らすアーティスト達が登場した。今回BARKSでは、当日のオフィシャルレポートをお届けする。

Text by 村上智美
Photoby 小見山峻

◆<スペースシャワー列伝15周年記念公演 第127巻 ~波創(なみはじめ)の宴~>ライブ画像

  ◆  ◆  ◆

7月22日、TSUTAYA O-Nestにて<スペースシャワー列伝~第127巻 波創の宴~>が開催された。この日は、今年で15周年を迎える列伝の審美眼にかなった、音楽シーンの「次の波を創り出す」ニューカマー4組が集結。もはや「洋楽」と「邦楽」というジャンルの垣根を超えて、リスナーとアーティストが音楽を楽しんでいることが実証された非常に印象的な一夜となった。

トップバッターは、横浜発5人組バンドSuchmos(サチモス)。ソウル・ミュージックを軸としたアーバンでメロウな楽曲、 そしてその真ん中で圧倒的な存在感を放つ、甘くセクシーな歌声に魅せられ、観客も1曲目「Pacific」からゆらゆらと体を揺らしている。その光景を見て「いい波だね」とYONCE(Vo)も嬉しそうだ。かと思うと「Alright」「Miree」といった楽曲では、このバンドの武器である敏腕リズム隊による黒く渦巻くグルーヴに呑み込まれ、途端に踊らされてしまう。この振れ幅が実に心地いい。ソウル・ミュージックというと少々とっつきにくいイメージがあるかもしれないが、彼らの楽曲には強靭なポップさと人懐っこさがある。個人的には「久保田利伸がバンドだったら、こんな感じかな?」という印象。今後もっと多くの人に、彼らの音が刺さることを予感させるアクトであった。






あどけなさの残るルックスとは裏腹に、バンドの持つ芯の強さを感じさせたHomecomings。まっすぐ前を見据えて言葉を紡ぐ畳野彩加のヴォーカル、楽曲で切り取られた情景に色をつけていく福富のギター、そしてリズム隊の福田と石田、2人の女性による温かなコーラスワーク。これらがひとつのボールとなって向かってくると、言葉には形容しがたいせつなさで胸がいっぱいになる。楽曲はいわゆるローファイ・インディー・ポップと呼ばれるものであり、歌詞もすべて英詞。しかし「I WANT YOU BACK」そしてラストに披露された最新曲「HURTS」に顕著だったが、 歌メロは非常に日本的で耳なじみがよく、そのことがさらにせつなさを身近なものとしている。彼女たちの虜になるリスナーが増えている要因は、そこにあるのだろう。教室の中で空回りする男子と、それを冷めた目線で見ている女子3人。そんな甘酸っぱい構図が浮き彫りになったMCもとっても微笑ましかった。




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