名盤アルバム100枚をランキング形式で評した『日本のロック名盤ベスト100』

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日本のロック・アルバムの名盤を1位から100位まで選び、ランキング形式で紹介した一冊が8月20日(木)に発売される。雑誌『米国音楽』の創刊者であり、現在は小説家としても活躍中の作家・川崎大助の最新作『日本のロック名盤ベスト100』だ。

◆『日本のロック名盤ベスト100』画像

同書は名盤の数々を著者独自の「五つの指標」と「レコードじゃんけん」でランキングされている。セレクトされたアルバムはたったの100枚なので、苦渋の選択だったことは想像に難くないが、「あのアルバムやあのヒット作はランキングしているのか?」「いったい何位なのか?」と気になるところだ。

こうしたチャートとレビューを第一部として、第二部では「米英のロックと比較し検証した日本のロック全歴史」が掲載されている。リスナーズガイドとしても、文化史的読み物としても楽しめる作りとなっている。

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こんにちは。川崎大助です。ここのところ小説ばかり書いていたのですが、ひさしぶりに音楽の本を仕上げました。

後世に残るだろう日本のロック音楽のオールタイム名盤アルバムを100枚選び、順位を付けて紹介した一冊、『日本のロック名盤ベスト100』です。国際的なロック博物館の学芸員になったつもりで、僕ひとりでこれをやりました。

本書は評論であり、エッセイであり、そして僕にとっての文学という運動の一部です。2007年に僕が〈ローリングストーン〉日本版でやった同種企画は、海外のウェブサイトに数多く転載され、英語版のウィキペディア記事でも盛んに引用されているようです。ちなみに日本のロック・アルバムの「オールタイム・ベスト100」が選ばれたのは、僕のこれが本邦初でした。そのアップデート版にして完全版が本書です。

なぜ日本のロックは、歌謡曲を仇敵としたのか。ニューミュージックやJポップという呼称によって、どんなふうに「貶められた」のか。「外来の文化」だったロック音楽が、どんな過程を経て「日本語の世界」のなかに移植され、花開いていったのか……ロック論を超える日本論、日本論を超えるロック論がここにある、との評もすでに頂戴しています。リスナーズ・ガイドとして、文化史的読み物として、あるいは「お前が選んだ100枚がどんなものか、見てやろうじゃないか!」なんて真っ向勝負、どんな角度からのご興味でも大歓迎です。ぜひ手に取ってみてください。ロックンロールの神殿の門はすべての人に開かれているのですから。

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佐野元春『SOMEDAY』、矢野顕子『JAPANESE GIRL』、山下達郎『SPACY』、荒井由実『ひこうき雲』、X『BLUE BLOOD』、暗黒大陸じゃがたら『南蛮渡来』、大滝詠一『ロング・バケイション』、電気グルーヴ『A(エース)』、サザンオールスターズ『人気者で行こう』、PUFFY『JET CD』、宇多田ヒカル『ファースト・ラヴ』、ミスター・チルドレン『Atomic Heart』、フィッシュマンズ『空中キャンプ』、コーネリアス『FANTASMA 』、アナーキー『アナーキー』…そして5位には矢沢永吉『ゴールドラッシュ』、4位にはイエロー・マジック・オーケストラ『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』、3位にはザ・ブルーハーツ『ザ・ブルーハーツ』、2位にはRCサクセション『ラプソディー』がランクインされている。栄光の1位に輝いた名盤は是非とも手にとってご確認を。

『日本のロック名盤ベスト100』

2015年8月20日発売
シリーズ:講談社現代新書
判型/ページ数:新書/296ページ
本体840円(税別)
ISBN:978-4-06-288329-0
著者:かわさき・だいすけ
1965年生まれ。作家。1988年、音楽雑誌『ロッキング・オン』にてライター・デビュー。1993年、インディー雑誌『米国音楽』を創刊し、執筆・編集やデザインを手がける。レコード・プロデュース作品も多数あり、2010年からは文芸誌『インザシティ』(ビームス)に短編小説を継続して発表。著書に『フィッシュマンズ 彼と魚のブルーズ』『東京フールズゴールド』(ともに河出書房新社)がある。

◆講談社現代新書オフィシャルサイト
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