【機材レポート】B'z、松本孝弘ギターサウンドシステムの全貌

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【松本孝弘──AMPLIFIER】
松本孝弘のアンプシステムは、ギターテックチームFATが開発したもの。ステージ上にセットされていたFAT212の3段積み×計8台のアンプの壁はあまりにも壮観だ。ただし、実際に使用していたアンプヘッドはこのアンプ群の裏側にセットされていたものとなる。メインアンプはFAT10とFAT13で、FAT13はゲイン1、ゲイン2、トレブル、ミッド、ベース、ボリューム1に加え、ボリューム2、マスターボリューム、プレゼンスの2チャンネル仕様、100W出力のチューブアンプだ。FAT13はソロやバッキングなどの歪み系で使用。一方、アルペジオをはじめとするクリーントーンで使用したFAT10はゲイン1、トレブル、ミッド、ベース、ボリューム1、オーバードライブ、レベル、ゲイン2、トレブル、ミッド、ベース、ボリューム2、マスターボリューム、プレゼンスの2チャンネル仕様。こちらも100W出力のチューブアンプとなる。なお、歪み用にはセレッション製ヴィンテージ30を搭載したスピーカーキャビネットから出力。クリーン用はジェンセン製C12K / 8Ωを2発搭載したスピーカーキャビネットから出力している。


▲AMPLIFIER(ステージ上)
B'zのデビュー25周年時にも登場したアンプの壁はFAT212の3段積み×計8台。ヘッドには松本のシンボル的な“玲”のプレートが。


▲AMPLIFIER(メイン)
左列青のFAT13は主に歪み。上段はバッキング用で下段はソロ用。右列赤のFAT10はアルペジオほか、フレーズによってEQを調整しつつ上下で使い分けている。その下のラックはチャンネルコントローラー、QSCのパワーアンプGX3、チャンネルコントローラーのサブもセット。


▲SWITCHER
スイッチングシステムもFATによるもの。2005年以降ほぼ毎回使用しており、前回ツアーとなる2013年の<B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER->でも活躍した。ワーミーは「スイマーよ!!」で使用。


▲AMPLIFIER(サブ)
こちらはバックアップ用にセットされたもので、上からFAT10、FAT13、FAT12。

【松本孝弘──EFFECTOR】
ギターから送られた信号はワイヤレスを経由してラインセレクターに入り、ループセレクターへ。ここでは8つのループが組まれている。ループの1つ目はFAT214.K(コンプ)と松本自身の足下のワウの直列、2つ目はデジテック製ワーミーと同製ドロップの直列、3つ目はFATフィックスド・ワウ、4つ目はFAT214.K(コンプ)、5つ目がFAT514D LIMITED EDITION(クリーンブースト用歪み系)、6つ目がFAT514.D(主にソロ用歪み系)、7つ目がFAT314.C(コーラス)、8つ目がMXRフェイズ99とFAT115F(フランジャー)、イーブンタイドのタイムファクターという構成。なお、ループセレクターのアウトから送られた信号は、アンプセレクターへ入り、4台のプリアンプをここで切り替える。このアウトからレベルセレクター+パワーアンプセレクターへ。パワーアンプセレクターではFAT10上段とFAT13上段のリターンに入ることで、どちらのパワーアンプを使用するかをセレクトする。また、レベルセレクター+パワーアンプセレクターはセンドリターンで松本の足下にあるボリュームペダルにつながっているとのこと。パワーアンプからの信号はスピーカーキャビネットへ。

なおディレイ回線の信号の流れはまた別のもの。各キャビに立てたマイクのシュアーSM57からの信号はマッキーのミキサー(1ch歪み・2chクリーン)へ。この信号はマッキーのAUX OUT1からマッキー下の1Uディレイセレクター(1IN4OUTのラインセレクター)へ送られて、イーブンタイドのディレイH9へ入力される。各H9(L/R OUT)から出力された信号が再びマッキー(3ch~8ch)へ。そして、マッキーのMAIN OUT L/Rからの信号はPAへ。さらに、マッキーのCONTROL ROOM OUTからの信号はQSC GX3(パワーアンプ)に送られ、メインキャビ両脇のキャビから出力される。こちらはステージモニター用となり、外音のディレイはPAでミックスして出力されるというわけだ。


▲EFFECTOR
アンプラック上部にはエフェクター類をセット。右からマッキーの14chミキサー1402-VLZ3、イーブンタイドのディレイH9が3台(歪み用ディレイ、クリーン用ディレイ、リバーブ)、ディレイテンポを制御するテック21 MIDI MOUSE、ラインセレクター、FAT314.C、FAT514.D、FAT514D、FAT214.K、FATフィックスド・ワウ(ツアーサンプル)、左上のループセレクター上部には左から、イーブンタイドのタイムファクター、FAT115F、MXRフェイズ99、デジテックのポリフォニックドロップチューンペダルThe Drop(「スイマーよ!!」と「BURN」のあいだのギターソロで弾いた「GO FURTHER」演奏時に使用)、FAT214.Kをセット。その下のラックは、レベルセレクター+パワーアンプセレクター、コルグ製ラック・チューナーDTR-1 ToneWorks、シュアーのワイヤレス受信機UR4D、ディレイセレクター。


▲FOOT PEDAL(ステージ上足元)
ジムダンロップ製TM95 / TAK CRY BABY。BOSS製ボリュームペダルFV-500LはFATがカスタマイズしたもの。チューナーはコルグDT-10を足下にセット。


▲MIC STAND+TABLE
ギタープレイの邪魔にならないよう湾曲したスタンドには“玲”の印ほか、トライバルの模様が描かれている。ピックはティアドロップ型。「熱き鼓動の果て」で使用したスライドバーもセット。なお、スピーカー脇には“玲”の印が彫り込まれたテーブルをセット。その上部はドリンクホルダーで左2つと右2つでは内部の高さが異なる(ボトル用とコップ用)芸の細かさ。

取材・文◎BARKS 撮影◎アラキシン

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