【相思相愛対談】歌い手ろん×イラストレーター秋赤音、「ろんさんが歌う中島みゆきさんも聴いてみたいです」

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ニコニコ動画で絶大な人気を誇る歌い手ろんが、SEKAI NO OWARIの「RPG」やJUDY AND MARYの「そばかす」など、新旧の名曲を歌う初のJ-POPカバーアルバム『ろんかば-J-POP ZOO-』。そのジャケットイラストを担当したのは、“歌う絵師”とも呼ばれるイラストレーターの秋赤音だ。今回、同アルバムのLoppi・HMV限定特典CDに収録の「ドラゴンライジング」でデュエットもしている二人が、嬉し恥ずかし初対談! 相思相愛な実力派が語るお互いのこと、ニコ動とJ-POPそれぞれの魅力とは? その真意を探るべく、アルバムのリリース直後にスカイプでレアなインタビューを行うことができた。

◆ろん×秋赤音 関連画像

取材・文=杉江優花

  ◆  ◆  ◆

■動画は無料で聴けるけどCDは有料なので、
■リリースするまではすごく不安でした。──ろん



── 8月26日にリリースされた『ろんかば-J-POP ZOO-』は、オリコンアルバムチャートTOP10にも入りたくさんの反響を受けていると思うのですが、ろんさん自身は今、どんなことを感じていますか?

ろん:正直、出すまではすごく不安だったんですね。これまではニコニコ動画に歌を投稿してきたわけで、自分の歌がCDになったときにリスナーさんがどう思うのかな、とか。動画だったら無料で聴けるけど、CDになると有料になるわけじゃないですか。でも、たくさんの方からツイッターでリプライをいただいたりして。実際、『ろんかば』の曲を流していただいている渋谷センター街にも行ってみたら──。

── あ、行ってみたんですね。

ろん:はい。私が歌った「そばかす」が流れたら口ずさんでくれる団体がいたんです(笑)。隣でドキドキしましたけど、面白い経験でしたね。出して良かったなと思うし、今とても嬉しいです。

── 原曲のファンの方からも反応があったりとかして?

ろん:あります。特に動画投稿もした「そばかす」に関しては……自分なりに最高傑作だと思えるので、批判的な言葉もちゃんと受け止められるというか。


── なるほど、堂々と胸を張っていられるわけですね。時に愛らしかったり、時に凛としていたり、時に光に満ちていたり、時に愁いを帯びていたり……『ろんかば』は、ろんさんが、エレクトロやポップ、ロック、ソウルまで幅広く表現するシンガーであることにあらためて驚かされる作品でもありますが、ジャケットイラストを担当された秋赤音さんは、ご自身も歌われるじゃないですか。それだけに、『ろんかば』を聴いていろいろ感じたのではないかなと思うわけです。



秋赤音:もともといろんな声を出せる方だなと思っていたんですが、1枚のアルバムでそれがよりわかりやすく表現されているというか。本当に、ろんさんの魅力が余すことなく発揮されているなと思いました。私、ろんさんの低い声も好きだったりするんですけど──。

── スピッツの「スピカ」とか。

秋赤音:そうですね。音域の幅に改めてびっくりさせられたりもしました。

ろん:うわぁ……ありがとうございます。とってもとっても尊敬している大好きな秋赤音さんにそう言っていただけると、すごく嬉しいです。

── お二人は、普段からよくお話はするんですか?

秋赤音:生声で話したことはあまりないんですけど、スカイプのチャットではたまに。

ろん:私がすごく恥ずかしいので。本当に好きなんですよ、秋赤音さんのことが。声を聴いているだけで、言葉に詰まっちゃうんです。

秋赤音:……同じくです。今回のような会話になると、お互いにナチュラルにいかないっていう(笑)。嫌われたくないから、普段言うような変なことを言っちゃいけない!って緊張しちゃうというか。

ろん:すごくわかります!

── どうしてそんなに相思相愛なんでしょう。

ろん:だって……秋赤音さんはとにかく、個性的で魅力的な方ですから。イラストももちろんなんですけど、秋赤音さんの歌も大好きで。

── 先ほど秋赤音さんがろんさんの歌の魅力を語っていらっしゃいましたけど、ろんさんはろんさんで秋赤音さんの歌声に惹かれていると。

ろん:そうなんです。2009年ごろに投稿された「Final Reason」という曲がすごく好きで。秋赤音さん以外は歌えないんじゃないかって思うくらい、カッコイイです。

── “秋赤音さん以外歌えない”だなんて、最大の賛辞!

秋赤音:ただウマいって言われるより、自分にしかできない表現がしたいというのが歌を歌う理由なので……その言葉は本当に嬉しいですね。

── そういう意味では、今回ろんさんが挑んだJ-POPカバーというのは、ボカロ曲を歌うのとはまた違った難しさがあるはずですよね。


ろん:難しかったです。ただコピーするだけだとダメかなと思うし、でも……。

── あまりに原曲とかけ離れすぎてもいけないんでしょうし。

ろん:そうなんですよね。

── ただ、『ろんかば』は原曲の魅力を失わず、ろんさん自身の魅力も感じられる作品でもあって。どうやってその絶妙なラインを突けたのかなという興味もあります。

秋赤音:わかります。私も、去年(2014年)リリースしたアルバム『SQUARE』で中島みゆきさんの「糸」をカバーさせていただいたんですけど……本当にカバーって難しくて。でも、ろんさんは自分の色で歌い上げているからすごいなと。

ろん:それはたぶん、曲それぞれのプロデューサーさんの素晴らしいアレンジに合わせて歌ったらうまく歌えた、っていうことなんだと思います。

── 曲やプロデューサーの求めるものを読み取る力、汲み取る力がろんさんにあるからこそ、なんでしょうけど。

秋赤音:ろんさんの特性を引き出すアレンジがあって、それを読み取るろんさんがいて……結果、どの曲でも原曲とろんさんの個性、それぞれがちゃんと出ていると思います。


◆インタビュー(2)へ
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