2015年2月5日、6日に日本武道館公演の開催を控え、現在、全国ツア―を行っているDIR EN GREYの薫(Gt)が、コラボレーションしたブランド「MOSES」の撮影時に行った金子ノブアキ(MOSES最新コレクションのモデルとして抜擢された)との対談記事を独占公開。9月17日に公開された前編に続く後編では、薫にとってのDIR EN GREY、金子ノブアキにとってのRIZEというバックグラウンドにおける音楽人としての姿勢や、人との出会いから見出だす“気付き”に対する個々の思い、そして2人将来の話にまで及ぶ長編対談になっている。2人の間で交わされる言葉からは、ミュージシャンを超えて今を生きる彼らの真摯な思いも伝わってくる内容になっている。心ゆくまで読み耽けていただきたい。

◆DIR EN GREY 薫vs金子ノブアキ~画像~

――DIR EN GREYもRIZEも、実はずっと同じ時代に活動してきたバンドであるわけで、いわばいつも同じ音楽雑誌の違うところに載っていたようなところがありますよね。

金子:うん。場所が違っていただけというかね。

薫:だけど、お互いが文化的にすごく違うとは、あんまり感じないかな。

金子:「わあ、全然違う!」みたいなことは確かにないよね。

薫:うちのShinyaのドラム・セットと、あっくんのドラム・セットが全然違うなっていうのはわかるけど(笑)。

金子:ライヴの照明が暗い、とかね(笑)。

薫:最初、「すげえ数のドラムだな!」って指摘されたんですよ。俺、ずっとその環境でやってきてたから、それが普通だと思っていて。確かに言われてみればそうやなあ、と(笑)。空気の違いということで言うと、うちの場合、ライヴにもちょっとしたナーヴァス感があったりするんですね。楽屋とかでも。スタッフも含めて、みんな和んでないというか(笑)。でもRIZEの場合、楽屋とかを訪ねると、みんなすごく和んでて。その感じが自分たちにはないんで、なんかこう、楽屋の賑やかさが羨ましく感じられるところがあって。


金子:ははは! でも、賑やかなのは俺以外でしょ(爆笑)。RIZEの場合、ストリート・カルチャーというかスケート・カルチャーみたいなところから出てきたところがあって。そういう友達がわーっと楽屋に来る。俺は多分、そのなかでもちょっと変わっているというか。昔からそうなんだけど、まわりで人がワイワイやってても、自分はポツンとしてるというか、すごいマイペースにやっちゃってるから。結構RIZEの場合、JESSEとかが「おいでよおいでよ、さあ!」みたいなタイプで(笑)、そういうのも含めて自分のホームではあるんだけど、わりと俺はそのなかにあっても一人が好きで。そこで騒いでるみんなを観ながら「これは誰?」とか思ってたりもすることもあるんだけど(笑)。

薫:たとえばBOOちゃんとかに誘われてRIZEを観に行くと、だいぶ早いうちから楽屋に行こうって言われるんですよ。でも俺としては、「いや、終演後でいいんじゃないの?」と思うわけです。だからパッと行って、挨拶だけ済ませて出ちゃうんですけど。あんまり本番前にかき乱したくないというか……。

金子:そういう配慮はね、俺的にはすごい嬉しいですよ。

――自分のことに置き換えて考えますもんね、そういう時。

金子:うん。そのへんが合うところなのかな、とは思う。変に気を遣うということではないんだけども、そういうところでの温度感が近いというか。

――開演前の楽屋の雰囲気は、確かに両バンドは真逆かも。

金子:AA=とかになると、ちょっと近いところはあるのかな。これはなんか、カルチャーとかっていうよりは、その各人のキャラというか、それぞれの性質みたいなもんで。RIZEの現場はまあ、ガチャガチャしてる。AA=はすっげえまったりしてるんだけど……。最近、俺はソロでやったりもしてるじゃないですか。そうやって一人になった時に、その空気の違いみたいなもんがパッと出てくるのかもしれないですね。楽屋にはもう、他に誰も居ないわけで。

薫:たとえばうちの場合、海外ツアー中なんかだと、スタッフも現地の人なんで、いつもの日本のスタッフがほとんど居ないし、楽屋のなかがメンバーだけになったりするわけですよ。日本ではまずないことなんで、そうやって5人だけになるってことが。そこが静かだと、なんか気まずい感じになったりもして(笑)。だからなんか、無駄に喋ったりとか。いつも喋らないやつがよう喋ってるなあ、とか思ったり(笑)。

――RIZEの楽屋は、開演寸前まで賑やかですよね? そのままステージの袖で友達が観ていたりもするし。

金子:コイツらホントに観てたのかな、と思うこともありますよ(笑)。俺らより後に客席に出ていって、俺らより前に楽屋に戻って来てたりするから。

薫:はははは!

金子:実は観てなかったりして、とか思いながら(笑)。

――そんな喧噪のなかで、黙々とストレッチしてたりするのが金子さんで。

金子:そうですそうです。なんかもう、そういうのに慣れちゃって。

――喧噪のなかの瞑想、みたいな。

薫:おおっ!

金子:なんかそれがもはや、妙に心地いいというか。まわりは騒がしいんだけど、誰も話しかけてこないんで。

薫:なるほど。

金子:みんなそれなりに気は遣ってくれてるんだろうけど。

――そういった楽屋内の空気の違いは歴然としていますけど、お二人の時間の過ごし方は実は似ていたりするのかも。

金子:うん。なんとなく共鳴するようなものを感じるというのは、そういう精神性の部分での重なりがあるからだろうと思う。だからこうやって服を着させてもらってパッと映る時っていうのも、自然に映るだろうなって思えるんです。

薫:実は俺もね、今日、この対談の機会を迎えるにあたっていろいろ考えてきたんですよ。もっとこういう話をしたほうがいいのかな、とか。撮影についてもね。でも、そこで俺が「ここはこういうポーズで」とか言うのもなんか違うなあと思って。そういうもんじゃないよなあ、と。

金子:そういうことを言わなきゃいけない空気が最初に設定されちゃうと、逆にヤバいというかね。それよりもバーッと撮りまくっちゃったほうが。今日も無言のうちにそういう展開になって、気持ち良かったですけどね。ある種、セッションですから、これも。モノを作っていくみたいな作業の場合は、そういうところがあると思う。

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