【フェスレポート】<New Acoustic Camp>、オーガナイザーがオープニングを飾った異彩フェス

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9月12日と13日に群馬県水上高原リゾート200にて、<New Acoustic Camp>が行われた。今回BARKSでは、幅広い層から愛される同フェスのオフィシャルから届いたレポートを掲載する。

◆<New Acoustic Camp> 画像

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今年で6回目を迎える<New Acoustic Camp>が、9月12日と13日に群馬県水上高原リゾート200にて開催された。全アクトがアコースティックセットでライヴに臨み、来場者の宿泊はほぼキャンプのみというコンセプトがウケ、くちコミで評判が広がった通称“ニューアコ”は今年も大盛況であった模様だ。多くのルールでがんじがらめにするのではなく、主催者側を含めた参加者ひとりひとりが主体性をもって行動することによって、のべ約18,000人もの人が素晴らしい2日間を過ごしたという。




猛威を振るった台風の影響が懸念されたが、ニューアコ初日の水上は見事な快晴に恵まれ、絶好のフェス日和となった。そんな中、メインステージとなるstage yonderのトップを務めたのはOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(以下、OAU)。オーガナイザーがフェスのオープニングから登場するという珍しいスタイルだ。プレッシャーは小さくなかっただろうが、TOSHI-LOW(Vo/G)やMARTIN(Vo/Vio/Gt)といった6人のメンバーは気負いを感じさせない様子でフラッとステージに登場。ケルト音楽をベースにしたオーガニックなサウンドで、まだ体が起ききっていないフィールドを優しく包み込む。そこから演奏は徐々にダイナミックになり、MARTINの奏でるヴァイオリンが縦横無尽に鳴り響く。ただ優しいだけでなく、生命の力強さを感じさせるプレイが印象的。そんなステージの様子にフィールドも煽られ、小さい子どもがお父さんの肩の上で勢いよく体を揺らす光景も見られた。



後半は一気にテンションを上げ、タイトでカラッとした演奏で盛り上げる。最後は「Thank you」を披露し、拍手喝采の中6人はステージを後にした。これでオーガナイザーとしての務めを果たしたかと思いきや、全くそんなことはない。これ以降、OAUの面々は2日間にわたって会場の至るところに姿を現すことになる。



ニューアコ初参加となるsugar meが登場したのは、なだらかな丘陵に位置するstage via。ステージの前で体育座りをしながら耳を傾ける観客へ、sugar meは柔らかなアコースティックギターのサウンドと軽やかなヴォーカルを優しく届けた。フィールド後方には、彼女の歌声をBGMにフリスビーや凧揚げに興じる子どもたちの姿も。なんとものどかな光景だ。この秋に発表する新作からの曲も披露するなど、初出演ながら非常にリラックスしたパフォーマンスを見せた。



stage yonderの脇にある道をひたすら下っていくと見えてくるのがstage here。そこで我々の鼓膜を優しく刺激するのは、GONTITIの2人による素晴らしいギターアンサンブルだ。ステージの周囲を木々と丘に囲まれている環境のおかげで天然の音響効果が生まれ、よりふくよかなサウンドとなって我々の耳まで届く。関西弁の軽快なMCで笑わせた後に爪弾いた名曲「放課後の音楽室」は、早くも2015年ニューアコのハイライト。





stage hereで人々が繊細な演奏に耳を傾けているちょうどその時、stage yonderでは強烈なビートが空気を震わせていた。GOMA & The Jungle Sectionの登場である。民族楽器ディジュリドゥの世界的奏者GOMAによる情熱的な演奏と、強靭なリズムセクションが生み出すグルーヴに、立ってる人も座ってる人も、大人も子どもも激ノリ。特に、「何が起こってるのかよく分からないけど、とにかく楽しい!」と言わんばかりに笑顔ではしゃぎ回っている子どもたちが印象的だった。


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