【ライヴレポート】VAMPS、MY FIRST STORYとの<JOINT 666>で「どっちがよかったんや?」

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VAMPSが11月12日、籠城型にして対バン形式となるツアー<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>の初日をZEPP TOKYOにてスタートさせた。同ツアーはVAMPS恒例の“籠城型ライヴハウスツアー”を東京・大阪・名古屋で各6公演ずつ開催、各地に国内外からのゲストを組み込み、2マンによるジョイント形式で行なわれるというものだ。これに加え、追加公演としてZEPP FUKUOKA 3DAYS、ZEPP SAPPORO 3DAYSの単独公演も発表となっている。それにしても<HALLOWEEN PARTY 2015>から約2週間強、VAMPSが鳴らすサウンドはあの巨大パーティとは異なる凄まじさを帯びて、また新しい一面をのぞかせていたのだから恐れ入る。

◆VAMPS 画像

<JOINT 666>というタイトルは文字通り、東名阪3ヵ所6公演の対バンを意味するものだが、それだけではない。そう感じさせる不穏で邪悪なエナジーが息づく会場には、初日から超満員のオーディエンスが場内の熱気をより高めていた。ツアーの口火を切ったのは、この日の対バン相手となるMY FIRST STORYだ。


定刻の6:66(7時06分)を告げる映像が舞台を覆う幕に投影され、その幕が左右に開くと真っ赤なバックライトに照らされて5人のメンバーが浮かび上がった。「始めようか、ZEPP TOKYO!」というHiroのひと言に導かれたナンバーは最新シングル「ALONE」。のっけからの全開モードが、5人のほとばしるパフォーマンスからダイレクトに伝わってくる。<HALLOWEEN PARTY 2015>の神戸および幕張公演にも参加した彼らのステージは、序盤から遠慮などない。

実は、BARKSは開演直前にMY FIRST STORYにインタビューを行なったのだが、VAMPSに対するリスペクトの念と、ある種異なる土壌での対バンという緊張感が言葉の端々に漂っていたのも事実。しかし、ステージ上の彼らは硬くなるどころか、それらを強靱なテンションの高みへ、みなぎるパワーへと変換させることに成功していたようだ。ガチンコ対決となる対バンライヴのメリットは、まさにここにある。



2ndアルバムタイトル曲「The Story Is My Life」、2ndシングル「Black Rail」と立て続けに代表曲を連発。MY FIRST STORY本来の地を這うヘヴィネスと鋭利な刃物のようなキレ味が会場を揺らして客席にヘッドバンキングの輪が広がった。一方で、「Black Rail」のMasackによる巧みなリズムチェンジやNobのアグレッシヴなスラップ、ShoとTeruによるツインのアルペジオの絡みが楽曲に鮮やかな彩りを加えるなど、プレイヤーとしての技量の高さがそこかしこに散りばめられていてアレンジも絶妙だ。

「<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>ZEPP TOKYO 6DAYSの初日、僕たちにできることは一発目から盛り上げて、二日目、三日目、そして最終日まで繋げること。その火付け役として、僕たちMY FIRST STORYをHYDEさんは選んでくれたんだと、そう信じています。ただの灯火じゃつまらないからさ、今日ここにいる全員で大炎上を作ろうと思ってます。そのために力を貸してくれますか!?」──Hiro



「monologue」~「虚言NEUROSE」の冒頭でこう語ったHiroのパフォーマンスは、起伏に富んだドラマティックな曲調と相まってますますライヴを加速させていく。張りのあるハイトーンはもとより、激しいシャウトやウィスパーヴォイスなど、表現力豊かなヴォーカルスタイルがこの1曲だけでも充分に伝わってくるというものだ。

「楽しんでる?……みたいですね(笑)。今日は僕らのことを初めて観る人もたくさんいると思います。なので、ライヴハウスでしか観られない100%の僕らを観て帰ってもらいたい。僕らのことなんか知らなくてもいいです。ノリ方なんて適当でいいです。ただ、一緒に楽しんでくれませんか、ZEPP!」──Hiro


ライヴ後半は、Masackの16ビートを土台とした突進力の強い「モノクロエフェクター」で客席をダンスフロアと化し、トリッキーなリフが印象的な「Second Limit」ではShoとTeruがギター回しを鮮やかに披露、ラストナンバーの「不可逆リプレイス」ではフロアの至るところにクラウドサーフが湧き起こった。また、同曲のインターでは「僕が初めてVAMPSさんを観たのは、ここZEPPでのライヴでした。そのときは1人のお客さんとしてステージを観てました、いつの日か必ず一緒に演奏したいと心から願って。そして今日、このステージを迎えることができました。やっと叶ったこのステージ。俺たちの気持ちが少しでも届いてたら、一緒に手を挙げてくれませんか、ZEPP!」とオーディエンスの気持ちを鷲づかみにするような言葉を届け、全45分間全8曲による全身全霊のサウンド&パフォーマンスで客席を魅了。そのフレッシュでピュアなステージにしばらく客席の拍手が鳴り止むことがなかった。



そして第一幕終了から約20分、VAMPSの登場はMY FIRST STORYが大炎上させた熱の余韻がまだまだ残るなかでのこと。再び暗転した場内に響き渡る大歓声がSEをかき消すほどだった。<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>のVAMPSの幕開けは大歓声すらも黙らせるヘヴィでシリアスな「JESUS CHRIST」だ。最初の一音が鳴らされただけで、瞬時にして空気がVAMPS色に一変、その後も華と毒の両方を撒き散らすような刺激的なステージが次々と展開されていく。「デカい声を聞かせてくれよ! Let me hear your voices! Come on BLOODSUCKERS! Scream!」と序盤からHYDEの煽りは激しく、それに応えるようにダイバーたちが鮨詰め状態の場内のそこかしこに溢れ出した。

この日のステージは最新アルバム『BLOODSUCKERS』収録曲をはじめ、シングルナンバーの数々など代表曲が据えられたものだが、とりわけ前述した「JESUS CHRIST」ほか、「MADE IN HEAVEN」「SWEET VANILLA」などHYDEソロ名義のナンバーはヘヴィでアグレッシヴなアレンジが施され、中世ヨーロッパ教会の礼拝堂を模したステージセットによく映える。まだツアーが始まったばかりなのでセットリストの全貌に触れることはしないが、<HALLOWEEN PARTY 2015>の快楽とはまた違う、ヒリヒリしたテンションとスピーディーな展開、あまりにも鬼気迫るサウンドの連打は痛快ですらある。「会いたかったな。気持ちよくしてくれよ、BLOODSUCKERS!! Are you fuckin’ ready!?」と、HYDEの言葉も曲を重ねるたびに強度を増していくばかりだ。そして、胸に染み入るような、心が掻きむしられるようなナンバーが続く中盤を経て、MCでHYDEはこのツアーについて語った。


「始まっちまったな、<ジョイントスリーシックス>。こうやって毎日、いろんなバンドを呼んで、3Pみたいな感じですよね。どっちがよかったんや?っていうプレイですよ(笑)。そういう刺激的なライヴに、ようこそいらっしゃいました」──HYDE

また、VAMPSがMY FIRST STORYに好感を抱いていることは、「MY FIRST STORYにイカされたんですか? オマエらイカされてないやろな、これからやで!」と前置きしつつ、「僕たちに無いものが有ったよね、彼らには。……帰りたい(笑)」と彼らのピュアネスを讃えていたことからも明かだった。そして「楽しもうぜ!」という言葉を合図にステージは怒濤の後半戦へ。ここからのライヴはVAMPSならではの肉体的な躍動感に溢れたもの。ソリッドで色鮮やかなステージは、前半のダークでシリアスなものとはカラーが異なるものだが、スリリングという意味でこの上ない膨大な熱量に貫かれている。




K.A.Zのギタープレイは初日から冴え渡っていた。16ビートのカッティングは楽曲に疾走感を与え、ロングトーンによるソロは楽曲を壮大に響かせる。本編エンディングでギターのヘッドを床に叩きつけてノイズを発生させたアグレッシヴなプレイも、華麗なギター回しも、そのすべてのサウンドに身を任せることで得られる享楽が心地よい。

アンコールのMCで、「このツアーは来年まで続くんですよ。また今年も同じメンバーで」と各メンバーについて触れたHYDEは、「意気込み、聞いていいですか?」とK.A.ZにMCをバトンタッチ。「ツアー、久しぶりだよね。また帰ってこれて、すごく楽しいです」と語ったK.A.Zに、「ホームって感じですよね」とHYDEが応えて場内の喝采を呼んだ。

そして、この日のラストナンバーの前には「俺のかわいコちゃん、呼んでいいかな?」というHYDEの言葉に導かれて、ツアータイトル通り、MY FIRST STORYのHiroがVAMPSのステージにジョイント。「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」でシャウトをキメる2人のヴォーカリストに場内は興奮、HYDEに肩を抱かれて歌うHiroの表情にも笑顔がこぼれた。また、同曲のキメでは2人が揃って台上から高々とジャンプするなど呼吸もバッチリ、最後は2人のハイタッチも飛び出した。



「しばらくここにいるから、一緒に楽しもうぜ! 明日も、首洗って待ってろよ!」というHYDEの言葉で<JOINT 666>第一夜が華々しく終了。初日ならではの荒々しさをともなったステージはVAMPSが持つ狂暴性に拍車をかけて、<JOINT 666>2日目に繋げることとなった。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎田中和子

■<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>
11月12日@ZEPP TOKYO MY FIRST STORYセットリスト

01.ALONE
02.The Story Is My Life
03.Black Rail
04.monologue
05.虚言NEUROSE
06.モノクロエフェクター
07.Second Limit
08.不可逆リプレイス


■<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>

【東京 ZEPP TOKYO】
2015年11月12日(木) MY FIRST STORY
2015年11月13日(金) MONORAL
2015年11月15日(日) ASH DA HERO
2015年11月16日(月) HIM
2015年11月18日(水) HIM
2015年11月19日(木) HIM
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
【大阪 なんばHATCH】
2015年12月05日(土) TBD(未定)
2015年12月06日(日) TBD(未定)
2015年12月09日(水) TBD(未定)
2015年12月10日(木) TBD(未定)
2015年12月12日(土) Nothing More
2015年12月13日(日) Nothing More
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
【名古屋 ZEPP NAGOYA】
2016年01月09日(土) TBD(未定)
2016年01月10日(日) TBD(未定)
2016年01月13日(水) Apocalyptica
2016年01月14日(木) Apocalyptica
2016年01月16日(土) Apocalyptica
2016年01月17日(日) Apocalyptica
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

OPEN 18:00 / START(JOINT ACT) 19:06 (平日)
OPEN 16:00 / START(JOINT ACT) 17:06 (土日)
前売り 6,660円(税別)
■一般発売日:2015年10月18日(日) AM 10:00

追加公演【福岡 ZEPP FUKUOKA】
2016年01月21日(木)
2016年01月23日(土)
2016年01月24日(日)
(問)キョードー西日本 092-714-0159
追加公演【札幌 ZEPP SAPPORO】
2016年01月28日(木)
2016年01月30日(土)
2016年01月31日(日)
(問)マウントアライブ 011-623-5555

OPEN 18:00 / START(JOINT ACT) 19:06 (平日)
OPEN 16:00 / START(JOINT ACT) 17:06 (土日)
前売り 6,660円(税別)
■一般発売日:2015年12月05日(日) AM 10:00

◆<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>BARKS内特集ページ
◆<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>特設サイト
◆VAMPS オフィシャルサイト
◆VAMPS レーベルサイト
◆VAMPS オフィシャルFacebook
◆VAMPS オフィシャルTwitter
◆HALLOWEEN PARTY 2015特設サイト

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