【インタビュー】the GazettE、映像から音を組み立てていったニューシングル「UGLY」

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ニューシングル「UGLY」は、8月にリリースされたアルバム『DOGMA』のラストに置かれていた、「OMINOUS」の先の景色を描いたモノであるという。「OMINOUS」は、すべての事柄に対するあとがき的なイメージ。その先に描かれた「UGLY」「DEPRAVITY」「GODDESS」の中に、彼らはいったいどんな想いを詰め込んだのだろう? アルバムから時間を置かずにリリースされたシングルの意味を、RUKI、麗、葵、REITA、戒に話を訊いた。

◆the GazettE~画像&映像~

──「UGLY」を、アルバム『DOGMA』のリリースから間を置かずにリリースしたのはどうして?

RUKI:もともと、『DOGMA』を作っている段階から、その先にシングルを作ろうということは決めていたんです。かと言って、その時点で具体的な曲が上がっていたわけではなかったんですけどね。

戒:でも、その時点で既にRUKIの中にはミュージックビデオのイメージがハッキリとありましたね。お客さんを入れてミュージックビデオを録りたいって。

RUKI:そう。その段階では、シングルとしてのイメージというより、『DOGMA』の中でそういうのが作っていきたいって思ってたんですよ。それもあって、その先の流れとして形にしたんです。なので、そういう意味では『DOGMA』と今回の「UGLY」というのは、まったく切り離されたものではないんですよ。差別化はしてないというか。なので、すごくフラットな状態で制作に挑めた感じはありましたね。実際にシングルとして「UGLY」を作ることになったときは、いつも曲を作るときとは違って、映像から組み立てていったというか。こういう映像だから、こういう音が欲しい、っていう流れで組み立てて作っていった感じだったんです。


──ジャケットもかなり深い意味を含んでいそうなアートディレクションだけど、ここに込めた意味は?

RUKI:これは生け贄さんですね。UGLYの生け贄の話なんで、ヴィジュアルもそこに沿わせたモノにしてあるんです。

──なるほど。「UGLY」はループするギターフレーズがフックとなる1曲でもあるよね。ちょっとマニアックなんだけど、サビ前のBメロのパンニングするところとか、すごく好きで。何回も出てくる部分じゃないからこそ、すごく印象に残るというか。

麗:わりと印象的なリフを使って、解りやすくしてる狙いはあるのかなとは思いますね。

戒:個人的に、この曲の音を聴いたときは、正直、“こうきたか!”って意外ではあったんですけど、ミュージックビデオのイメージを聞かされて、なるほど、そういうところで繋がっているのか! って、面白いなと思ったんですよね。カッコ良くなる確信を持てたというかね。

──ギターソロのバスドラのアプローチとかはすごく説得力があるというか。

戒:音に関しては、『DOGMA』で感じたことを、またすぐに活かせた感覚でもあったんで、すごくいいテンション感で望めたんですよね。『DOGMA』よりも、さらに攻撃的な部分を出せたんじゃないかなと思いますね。

REITA:俺的には、「UGLY」と「DEPRAVITY」に関しては、ノリのいい低音で支えていけたらなってとこでしたね。それが第一優先なのかなと。ノるための下(低音)というか。だから、今回はあんまり目立つことをしてないんですよ。上モノが作り出すノリの邪魔をしたくなかったというか。

──そうね。今回はすごく曲の一部となって支えている感じのベースだなって思った。音色的にもあまり尖った音を使っていないイメージだったし。サウンドとして一体化するベースという感じだった。

REITA:そうですね。今回は完全に曲の中に溶けてる感じというか。そんなイメージでしたね。

──今回、熱量としては「DEPRAVITY」は、「UGLY」に近い気がしたというか。印象の近いループ感というか。

麗:たしかに、この2曲は、わりと攻め方的には通じるモノがありますね。「DEPRAVITY」の方は、もっとルーピングなイメージが強いんですけど、どっちもシンプルではありますね。

葵:「DEPRAVITY」は、わりと無機質なイメージで録った記憶がありますね。「UGLY」の方が情熱的というか。気持ちの上での問題ですけどね。姿勢というか。そういうところって音に出ると思いますからね。ギタープレイは、麗が言ったように、そこまで難しいこともしてないですからね。

──2曲とも、ライヴで瞬発力を発揮しそうな曲というかね。

葵:うん。そういう意味では近いと思うんだけど、度合いで言ったらちょっと違うというか。性質が違うというか。どっちも【怒り】の曲ですけど、なんとなく「UGLY」の方が情熱的なんじゃないかなって思うというかね。そういうところの違いがギターの音に出てるんじゃないかなと。歌詞を後々読んだんですけど、この想いを音にするなら、というところを意識した2曲でしたね。

──歌詞は今回、少しいつもよりもネガティブな印象だったというか。

RUKI:かなりリアルなんですよ。この曲を作っていた頃に起こった出来事に対して感じた感情でもあるので。

葵:俺ね、負とか怒りとかを表現出来てるときって、まだ情熱的であると思うんですよ。でも人間というものは、その先に行くと「DEPRAVITY」みたいな感情になるんだと思ってて。言いたい事もあるけど、その先を見れるようになるというか。そんなことをいろいろと考えながらギター弾きましたね、今回は。

──なるほどなるほど。前回『DOGMA』のインタビューのときに、RUKIが、『DOGMA』に収録される楽曲のタイトルをワンワードにしている意味を、『七つの大罪』っぽい感じにしようと思ってたって言っていたよね。虚無・猛威・奇怪・夢魔っていう意味が連なってる感じにしたかったって。醜い・墜落・女神というそれぞれの意味を持つ「UGLY」「DEPRAVITY」「GODDESS」も同じ流れを感じさせるものではあるからね。

RUKI:そうですね。「OMINOUS」以降に起こった現実ですからね。本当にリアルでしかない。基本非現実なことは書かないんですけど、すごく具体的にリアルな話でもあるんですよね。

◆インタビュー(2)へ
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