漫画『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる荒木飛呂彦が原作、森山未來が主演を務める舞台『死刑執行中脱獄進行中』が、本日11月20日東京・天王洲 銀河劇場公演を皮切りにスタートした。その前日である11月19日に同会場にて記者会見が行なわれ、構成・演出・振付を手掛けた長谷川寧、キャストから森山未來と初音映莉子、音楽監督の蔡 忠浩(bonobos)が登場した。

◆舞台『死刑執行中脱獄進行中』 公演中 画像(1)へ

舞台『死刑執行中脱獄進行中』は、1995年の発表後、1999年に発売された短編集の表題作を原作としたもので、荒木作品初の舞台化となる。今回、死刑宣告を受けた男が監獄からの逃避行を試みるというサスペンスをベースに、同短編集に収録された『ドルチ ~ダイ・ハード・ザ・キャット~』の要素を織り交ぜ、舞台表現の新たな領域へ挑戦した作品となった。会見では、登場した4人にそれぞれ質問が投げかけられた。以下はその質疑応答だ。

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──まずは長谷川さん、この作品を舞台化しようと思った理由から教えていただけますか。

長谷川 寧:僕は企画の方から参加させていただいていて、原作もので何かということになった時に短編だと話が膨らませられるということがあって、それで何かという時にやはり強烈に印象に残っていたのが荒木飛呂彦さんの短編集だったんですね。その中で『死刑執行中脱獄進行中』に今回『ドルチ ~ダイ・ハード・ザ・キャット~』を混ぜています。檻の中に入っている男が脱獄をしようとしていて同時に死刑も執行されているという不条理な状況なんですけど、荒木飛呂彦作品には見ていてビジュアルにすごい身体性が現れているので、それだったらビジュアルと身体性と設定とを使って作品が作れて、しかも短編だからいろいろ膨らませられるんじゃないかと思って、外に出ようとする男とそうさせまいとする監獄の状況と、その二つを作品にしようというのが元々の経緯です。

──森山さんにお伺いします。荒木飛呂彦の初舞台化作品ということなんですが、独特な世界観を舞台上に表現するにあたり、意識されたことはありますでしょうか。

森山未來:まあずっとクリエイションの中で様々なプロセスを経て、本番は明日からですけどこれからもどんどんプロセスは続いていくんだろうなあと思いますけど、まあとにかく世界観をどういう風に舞台上に載せるか、とにかく作品の原作のある土台の部分をしっかり忘れずに今回テキストだったり演劇的な要素だったり身体的な踊りの要素だったりbonobosの音楽だったり、あと衣装とか美術的な要素、さまざまなものをふんだんに使った舞台になっているので、見たことのない世界観になっていればいいと思いますね。

──共演者の中には素晴らしいダンサーさんもいらっしゃいますが、この顔ぶれだからこうなったということもありますか。

森山:そうですね。間違いないと思います。本当にプロフェッショナルの人達、すごくハイセンスな人達が集まっているので、僕はそんな方々に出会えて嬉しいです。(演出上でも)ジョジョ立ちは「普通に人間がなかなかとり難いポーズ」を言うらしくてですね、そこでもダンサーさんたちの身体はすごく強いものなので、その身体一つ所作一つが表現になるというか。そういう人たちと一緒にやれているのがすごく楽しいですね。

──初音さんはミステリアスな世界観の中で謎めいた女性を演じられていますが、演じる上で気を付けられたことはありますか。

初音映莉子:やっぱり少しずつ役作りをするにあたって、台詞を喋ったり身体を動かすことによって、どんどん感情の肉付けとか筋肉が鍛えられていく感じですね。まだまだそれは成長中というか、これからも探っていきたいと思います。

──森山さんと初音さんは今回初共演ですが、お互いの演技をどのようにご覧になっていますか。

(森山&初音、笑)

森山:いや、力強いですよ。存在がもう強いので。こんな華奢な身体してますけど、本当にもう立ってるだけで絵になる。

初音:今回の作品で初めて一緒に同じ作品を作ることが出来て、本当に良かったなと思います。長い時間一緒にいて、森山さんの大人のような少年のような自由な所をすごく幅広く見せてもらって。

──近くにいてこれまでの印象と変わったところはありますか?

初音:すごい怖そうな人なのかなと思っていたんですけど(会場笑)すごく優しくて。他のダンサーの方たちや皆に対して気配りのきく優しい方だなと思いました。

──蔡さんはバンド活動やソロ活動をメインにされていたと思いますが、今回は俳優・ダンサーの動きに合わせた音楽ということで、どのような創作をされたのでしょうか。

蔡 忠浩:やっぱり物語っていうのが真ん中にあるので、物語に反応するダンサーのリズムと、その、反対側にミュージシャン側のリズムがあって、一見合っていないんだけどトータルで見ると新しいノリというかグルーヴを作れるといいな、ということを考えています。

──最後に森山さんにお伺いします。チラシに「言葉と身体と音楽が入り混じる、見たことのない舞台空間」というキャッチコピーがありますが、これはどんな舞台空間になっているんでしょうか。

森山:見たことのない舞台空間になっていると思います(会場笑)とにかく僕らも試行錯誤しながら、身体だけに頼り切ることなく、言葉だけに頼り切ることなく、一つ一つのマテリアルをどれだけフラットに捉えながら一つの作品世界を構築できるかってことをずっと切磋琢磨、模索しているところなので、そこに立ち会ってもらえると嬉しいと思います。

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会見後、関係者向けのゲネプロが実施された。ここでは詳細には触れずにおくが、森山と初音をはじめとするキャスト陣による肉体の限界に挑戦しているとも言える、頭のてっぺんから足の爪先までに込められた鬼気迫るパフォーマンスには度肝を抜かれた。また、蔡を含めた3人の生演奏により主人公が感じる“得体の知れない恐怖”が何十倍にも増幅されており、一つ音が鳴るたびに心臓がキュッと締め付けられる感覚に陥ることとなるだろう。

本舞台の東京公演は、11月20日から11月29日まで。その後は宮城、広島、北海道、富山、大阪の5都市を巡って上演される。

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■公演日程

11月20日(金)~11月29日(日)東京・天王洲 銀河劇場
12月2日(水)宮城・電力ホール 
12月5日(土)広島・JMSアステールプラザ 大ホール
12月6日(日)広島・JMSアステールプラザ 大ホール
12月15日(火)北海道・わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
12月19日(土)富山・富山県民会館ホール
12月20日(日)富山・富山県民会館ホール
12月22日(火)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
12月23日(水祝)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ