モーニング娘。'15の全国ツアー<モーニング娘。'15 コンサートツアー秋 ~PRISM~>ファイナル公演が12月8日、日本武道館にて開催された。年内でグループ卒業を発表している鞘師里保にとって、本公演はモーニング娘。'15のメンバーとして迎える最後の単独公演となった。

◆<モーニング娘。'15 コンサートツアー秋 ~PRISM~>ファイナル公演 画像

映像とリンクしたソロのダンスパフォーマンス。鞘師の登場に武道館一面が彼女のメンバーカラーである真っ赤に染まる。そしてオープニングを飾った「Oh my wish!」。モーニング娘。史上初となるメンバーがダンスチームと歌チームに分かれてのパフォーマンスを行なうこの曲。ダンスチームの鞘師は、才能の上に積み上げた努力に裏打ちされたダンスで魅せる。そして、真っ赤なペンライトがほぼ360度心待ちにして揺れるセンターステージへと移動しながら「君の代わりは居やしない」に「What is LOVE?」。さらにツアータイトルに通じるプリズムをモチーフにしたメンバー紹介映像(および衣装チェンジ)を挟んでの「スカッとMy Heart」「The 摩天楼ショー」。鞘師は最後の想いをひたすらにライブにぶつけていく。そんな序盤からの彼女の気迫、そしてこれに引っ張られるようなモーニング娘。'15の鬼気迫る渾身のパフォーマンスは、武道館の隅々まではもちろん、ライブビューイングで視聴していた全国および韓国、香港、台湾といった海外のファンにもきっと届いたはず。ちなみに終演後、鞘師はステージを降りて「今までで最高のパフォーマンスができた」と清々しい顔で話していたが、この日の公演は彼女自身、納得のいく、悔いのないものだったようだ。

「日本武道館、そしてライブビューイングでご覧のみなさん、こんばんは。モーニング娘。'15です!」とメンバーが声を合わせた最初のMC。「さあ、秋ツアーも最終日にきてしまいました。9月から始まったこのツアーですけど、もうここ、ここまで積み重ねき……いたたたたた。」と、気合いが入りすぎたのか、それとも心なしか緊張しているのか、鞘師はいいところで噛んでしまい、思わず頭を抱えてしゃがみ込む。そんな姿に1万人は大歓声。「ここまで、積み重ねたものを爆発させたいと思いますので、一緒に盛り上がってくださいね!」と、あらためて意気込みを述べて、会場を奮い立たせた。

元々つんく♂が鞘師のソロ曲のつもりで作ったという12月29日リリースのシングルから新曲「冷たい風と片思い」では、別れていく恋人のような存在でもあるモーニング娘。'15への想いを抱いて、鞘師は舞い踊る。そのしなやかさと力強さが共存する彼女のダンスに観客は誰もが目を奪われる。

紫の衣装をまとっての「Only you」「What's Up? 愛はどうなのよ~」、そしてフクちゃんの艶めかしい甘い吐息が日本武道館の頬を思わずピンクに染める「もっと愛してほしいの」、さらに「Ambitious! 野心的でいいじゃん」と、メインステージ上のセットや階段などを使って様々に形態を変えながら立て続けに楽曲を披露。気づけばこの13人は、オーディエンスに時間が経つのを忘れさせるほどに、ステージ上でただただ魅了していた。

飯窪春菜、工藤遥、牧野真莉愛によるMCパートでは、工藤“エンジェルフェイス”遥が飯窪の“天使乗り換え問題”に言及。さらに春ツアーの日本武道館公演の楽屋にて、牧野が本番前におにぎりを持って「MCで何を話すか思いつかない」と大号泣し、工藤が本気でブチ切れそうになった話などが披露され、会場は笑いに包まれる。

そしてピンクを基調とした衣装で譜久村が「AS FOR ONE DAY」を、一方の鞘師は真っ赤な衣装で「大阪 恋の歌」をそれぞれソロで歌いあげると、日本武道館仕様で生田衣梨奈と鈴木香音もステージに登場し、モーニング娘。の記念すべき50枚目のシングル「One・Two・Three/The 摩天楼ショー」に収録された、この4人にとって大切な楽曲。モーニング娘。Q期による「アイサレタイノニ…」が歌われる。そのまま、今度はモーニング娘。10期、11期、12期が披露した「友」。仲間のことを歌いあげるこの曲で、“仲間”を思ってのことか、不意に佐藤優樹が涙を落とす。それでも彼女はすぐに笑顔を取り戻し、集まった観客の声援に手を振って応える。やさしいファンがなんと言おうと、自分から提供するのは寂しい感情ではなく楽しい笑顔。佐藤の中に、アイドルとしてのプライドが見えた瞬間でもあった。

さらにメドレーパートでは、生田衣梨奈や石田亜佑美のアクロバットも展開され、会場の盛り上がりは一気に最高潮に達する。生田の盛り上がりも最高潮に達したのか、リハーサルでもやったことがないロンダートからのバク転連続4回転を披露すれば、「Moonlight night ~月夜の晩だよ~」では、工藤の興奮も最高潮に達してか、握手代わりに不意に生田の頬にキス。なかなか珍しい光景に、観客の女の子たちから悲鳴のような歓声が上がる。なお本公演、男性の声援に勝るとも劣らない女性ファンからの歓声が響き渡ったライブとなっていた。

客席への軽い煽りを挟んでの「SONGS」「わがまま 気のまま 愛のジョーク」「Password is 0」で終盤に向けて一気に畳み掛ける。「まじですかスカ!」では、発射された銀テープにステージ上で足を取られそうになる鞘師だったが、体幹の強靭さとバランス感覚のよさで即座に体勢を立て直し、足に絡まった銀テープを解くと手に持ってそのままパフォーマンスを続ける。前日にはマイクを落とした鞘師に対して佐藤のフォローが一部で話題になるなど、ピンチすらも自然とリカバーし、加えてそれが演出であったかのように魅せてしまう彼女たちの機転。その辺のアイドルグループがおいそれとは真似できないアドリブは、さすがモーニング娘。であり、ちょっと前まで新人だったはずの彼女たちの、ステージ上での著しい成長を垣間見ることができた(もっとも、ピンチを演出に変えたアドリブという話で我々の記憶にもっとも鮮明に残っているのは、他でもない“フクムラダッシュ”だろう)。

鞘師が「モーニング娘。に加入して、私を一番成長させてくれた曲」と紹介した「One・Two・Three」でライブ本編は締めくくられる。もちろんすぐさま、「鞘師!」の大きなコールが発生し、日本武道館が赤一面に。鞘師への感謝の気持ちを込めたファン手作りのメッセージボードなどがステージ上に設置された大型ビジョンには映し出される中、アンコールを求める声は、5分以上続いた。