▲中央左が阿南雅浩イーライセンス社長 / AMP社長、中央右が荒川祐二JRC社長

イーライセンスとジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)の事業統合発表会が12月17日に都内で開催され、2016年2月1日付けで誕生する新会社名を「NexTone」とすること、および新会社の取締役(候補)などを発表した。

新会社の代表取締役CEOには、イーライセンス代表取締役社長およびエイベックス・ミュージック・パブリッシング代表取締役社長の阿南雅浩 氏が、代表取締役COOには、JRC代表取締役社長の荒川祐二 氏が就任する。イーライセンスの三野明洋代表取締役会長は、NexToneの取締役会長に就く。

イーライセンスの阿南社長は、新社名をJRCの荒川社長と話し合う中で、ふたりが持っていた新会社に盛り込みたい想いや次の世代に向けてのキーワードを集約。「Next Tone」=「次世代の音色を奏でたい」というメッセージと、「Next One」=「信頼感や正確性、柔軟性、スピード感といった、次世代の著作権管理事業で求められる局面での一番」を目指すという想いから名付けたと説明。「時代を奏でる著作権エージェントとして、我々が目指すべき将来像を一言で言い表すなら“権利者から選ばれ、利用者から支持されること”」と語った。

一方、JRCの荒川社長からは、両社の契約約款と使用料規定に関連して、2017年3月までは、イーライセンスの約款と規定、JRCの約款と規定に基づく2事業部制を採用すること。またこれと並行して権利者など関係各所と協議し、2017年4月を予定としてNexToneとして完全事業統合を行なう旨が明らかにされる。さらにNexToneは、著作権管理事業を核としつつも、これまで両社が手がけてきたデジタルコンテンツの流通販売やライブビューイングキャスティング、各種印税の管理計算システム構築、最新情報や動向分析の提供といった周辺事業やサービスを結合、一本化させ、多くの権利者や利用者から信頼を得ることができる団体を目指すとのこと。またJASRACの関係については、「JASRACとは公平なルールのもとで競争していきたい。我々の考える競争とは、現在の著作権マーケットでパイを奪い合うのではなく、お互いを尊重しあい、切磋琢磨して、結果、音楽の利用が促進され、マーケット全体が広がる。そんな競争をしていきたい。」と語った。

さらに発表会では、今回の合併について坂本龍一から寄せられた「現在、私たちの取り巻く音楽の環境は日々ドラスティックに変化している。それに対して著作権管理が旧態依然たる体制のままでよいはずはない。楽曲についてデータがほぼすべてデジタル化した今日、新たな管理体制が求められている。そしてそれは未来の音楽を見据え、音楽制作者を養育しサポートしていくものでなければならない。」といった内容のメッセージが紹介された。

イーライセンスがJRCを吸収する形で実施される今回の合併は、ITの進化による著作権者の広がりや、ユーザーの音楽への楽しみ方の多様化に対応し、著作権管理方法を進化させ、楽曲の権利者および利用者の双方に、よりよいサービスを提供することで、音楽業界・文化の健全な発展に貢献することを目的としたもの。荒川 氏はこの統合によって、これまで両社がそれぞれ培ってきたシステムやノウハウを集約することで、これまで以上に権利者や利用者に必要かつ適切なサービスが提供できる、「1+1が2ではなく、掛け算になる。」としている。