【インタビュー】Derailers、「異なるベースサウンドの歴史が、VAMPSにはある」

ツイート

■クラブイベントは友だち的な感覚が強いかもしれないけど
■バンドとなると俺はまだ勝負的なものを感じる──Rueed

──そのいきたいところとは、バンドのサウンド的な部分だったり、コンセプチュアルな部分だったり、展開規模的な部分だったり、いろいろあると思うのですが?

Ju-ken:それらすべてを含めて。今の音楽シーンって偏ってると思うんですよ。邦楽だけ聴く人/洋楽だけ聴く人、ロックだけ聴く人/レゲエだけ聴く人とかね。Derailersは、そういうところを行き来できるミクスチャーなバンドになりたい。それは、いわゆる1990年代のミクスチャーというジャンルを指すものではないんです。なんていうか、人間と人間の橋渡しができるようなバンドになれればいいなと。そこに辿り着くには自分たちの努力と、あとはタイミングが必要で。そういう意味では今回、VAMPSとジョイントできる大きなチャンスをいただくことができたので、次につなげるようなライヴをしたいですね。

──では本日、VAMPSとの対バンはどのような心持ちで臨みますか?

Ju-ken:若い頃、僕なんかはイベント=戦いだと思っていたので、どこのバンドのベーシストよりも一番いいプレイをして“一番目立ってやる!”みたいに、すっげえガメツイ感じだったんですけど(笑)。今は、経験値のせいか人間関係のせいかわからないですけど、自分たちのスタイルをそのまま出せたら成功なんじゃないかなと思っていて。たとえば100人いたら100人が好きになってくれるようなバンドってないでしょ。顔色をうかがいながらやるんじゃなくて、“俺たちはこうだよ”って胸張って言えるように、楽しくやれたらいいと思ってます。これまでもいろいろなジャンルのイベントに出ましたけど、“うちらはこのサウンドです”って感じでやってきたし、今日もそのままやるつもり。

Ishigaki:今日は“Ju-ken祭”だもんな。

Rueed:“Ju-fes”(笑)?

Ishigaki:まぁ、Ju-kenが言ったとおり、俺ら世代は“対バン”っていったら日本刀持ってくるくらいの“ガンのくれ合い飛ばし合い”だったからね。

Ju-ken:古いなー、横浜銀蠅(笑)。

Ishigaki:まず対バンと仲良くなることなんてなかったしね。しゃべることもないし、絶対に喰ってやるっていう時代だったじゃないですか、特に90年代は。そういうところで育ってきているから、対バンとなると、そういうスイッチが入る瞬間も実際あるんですけど、でも今は基本的に“一緒にやってみない?”ぐらいのスタンスというか。そういう意味では音楽に対して、若い頃よりも深いところにいるんだと思う。音楽のとらえ方も違うしね。以前は足し算しかなかったのが、今は引き算のほうが多い。まぁ、とはいえ馴れ合いはイヤなんですけどね(笑)。Rueedはこれまで、対バン経験自体がなかったんでしょ?

Rueed:はい。ただ、僕は年齢のせいかもしれないですけど、“やってやる!”みたいな気持ちがあって(笑)。クラブイベントは友だち的な感覚が強いかもしれないけど、バンドとなると俺はまだ勝負的なものを感じるな。

──そのためにセットリストも万全のものが?

Ishigaki:そうですね。ツアー<A.R.T -Art Revolution Tour 2015->でやってきて、いい流れがわかっているので、それが頭に入っているなかで組み立てたものだよね。

Ju-ken:ツアーでは日々曲のアレンジを変えたりしたから、最新アルバムが中心といえどもライヴはまた音源とはちょっと違うものになりますよね。それがこのバンド名たる由縁でもあるし。そもそも、VAMPSのJu-kenだったらこういうサウンドとか、THE MAD CAPSULE MARKETSのIshigakiだったらこういうサウンドとか、そういう記憶で作られるイメージが大きいと思うんですよ、このロックシーンは。でも、そうじゃない音やスタイルでやるためのDerailersだから。

──なるほど。IshigakiさんはJu-kenさんを最も近いところから見ているし、いろいろなミュージシャンとセッションをしているから分析できる“ベーシストJu-ken”というものもありますか?

Ishigaki:まずVAMPSはピックで弾くことが多いよね。

Ju-ken:プレイ的なところできたね(笑)。そうです。VAMPSは9割5分がピックです。

Ishigaki:VAMPSの印象としては、楽曲の中でそれぞれのサウンドの役割が決まっていて、それがひとつの音として成り立っているというか。逆に言えば、そこに全員がしっかりと落とし込まないと成り立たないし、ひとつになったときのパワーには凄まじいものがありますよね。だから、Ju-kenもそこに徹しているだろうし、そういう音の作り方をしているっていう印象があるんです。一方のDerailersで俺はJu-kenのベースについて細かい指摘はしないんです。言い方は難しいですけど、しっかりとした枠のある画を完成させるのがVAMPSだとしたら、Derailersは真っ白な状態から描いていくくらいの違いがあるんじゃないですかね。Derailersは、とてつもなくヘンな画が完成するときもあるだろうし、なにができるのかわからない(笑)。

──そのどちらも観られる今日は、Ju-kenさんファンにとって贅沢な一日です。では、最後にライヴの見どころを。

Ju-ken:僕に関して言えば、真逆のプレイスタイル/真逆のサウンドになると思うから、ベースという楽器に興味があろうとなかろうと、同じベーシストがこんなにも違うことができるんだとか、楽しみ方や見せ方がこんなに違うんだというところを感じてもらえればいいかな。

Ishigaki:ロックギタリストのイメージを持っている人にしてみたら、僕がレゲエっぽいものを弾いたときに初めて受ける印象ってあると思うんです。ビックリしたとか、わけわからないとかね(笑)。でも、それが新しい扉を開くきっかけになるかもしれないし、そのためには自分自身が楽しんで、自分たちの音をしっかり提示したいですね。

Rueed:カテゴライズできないようなバンドなので、そこから飛び出してくる楽曲を体感してほしいなと。同期もない本当に生のサウンドの面白さがありますから。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎田中和子



■<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>

【東京 ZEPP TOKYO】
2015年11月12日(木) MY FIRST STORY
2015年11月13日(金) MONORAL
2015年11月15日(日) ASH DA HERO
2015年11月16日(月) HIM
2015年11月18日(水) HIM
2015年11月19日(木) HIM
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
【大阪 なんばHATCH】
2015年12月05日(土) ASH DA HERO
2015年12月06日(日) Derailers
2015年12月09日(水) KNOCK OUT MONKEY
2015年12月10日(木) KNOCK OUT MONKEY
2015年12月12日(土) Nothing More
2015年12月13日(日) Nothing More
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
【名古屋 ZEPP NAGOYA】
2016年01月09日(土) Nothing’s Carved In Stone
2016年01月10日(日) ROTTENGRAFFTY
2016年01月13日(水) Apocalyptica
2016年01月14日(木) Apocalyptica
2016年01月16日(土) Apocalyptica
2016年01月17日(日) Apocalyptica
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
OPEN 18:00 / START(JOINT ACT) 19:06 (平日)
OPEN 16:00 / START(JOINT ACT) 17:06 (土日)
前売り 6,660円(税別)

追加公演【福岡 ZEPP FUKUOKA】
2016年01月21日(木)
2016年01月23日(土)
2016年01月24日(日)
(問)キョードー西日本 092-714-0159
追加公演【札幌 ZEPP SAPPORO】
2016年01月28日(木)
2016年01月30日(土)
2016年01月31日(日)
(問)マウントアライブ 011-623-5555
OPEN 18:00 / START 19:06 (平日)
OPEN 16:00 / START 17:06 (土日)
前売り 6,660円(税別)



◆<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>BARKS内特集ページ
◆<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>特設サイト
◆VAMPS オフィシャルサイト
◆Derailers オフィシャルサイト
◆VAMPS レーベルサイト
◆VAMPS オフィシャルFacebook
◆VAMPS オフィシャルTwitter

◆インタビュー(2)へ戻る
◆インタビュー(1)へ戻る

◆<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>VAMPS×Derailersライヴレポートへ
この記事をツイート

この記事の関連情報