第3作にして過去最高作との声も高い『オリジナル・ハイ(THE ORIGINAL HIGH)』のリリースから約半年、まさにファン待望のアダム・ランバート来日公演が、1月7日、仙台サンプラザホール公演をもってスタート。その翌日、1月8日に行なわれた東京公演の第一夜も大盛況のうちに幕を閉じた。

◆アダム・ランバート画像

会場となったTOKYO DOME CITY HALLはさまざまな世代のファンで埋め尽くされ、文字通りの満員。ギタリスト、ベーシスト、ドラマーとキーボード奏者に加え、コーラスを兼ねる男女のパフォーマーを従えて、色鮮やかな照明と映像効果に彩られながら繰り広げられたライヴは、豊かな緩急とスピード感を併せ持ちながら、場内が暗転してイントロダクションが聴こえてきた瞬間から最後の最後にデビュー・アルバムからの「イフ・アイ・ハド・ユー」を歌い終えるまで、一瞬たりとも退屈とは無縁のまま進行していった。

これから広島、名古屋、大阪といった各地での公演に加え、追加公演を含む東京での二公演も控えているだけに、過度なネタバレは避けておこうと思うが、アダム自身が序盤に発した「Welcome to “THE ORIGINAL HIGH”TOUR!」という言葉が示していた通り、当然ながら今回のショウは最新アルバムからの楽曲たちを軸とするもの。しかもこのツアー自体、ジャパン・ツアー開幕の直前に行なわれた中国での二公演(北京、上海)で幕を開けたばかり。とはいえショウとしての完成度には文句の付けどころもないし、もちろん前二作からのマスト・チューンの数々も随所に組み込まれている。また、クイーン経由で彼に興味を持った人たちには「地獄へ道づれ(Another One Bits The Dust)」がこの夜のセットに組み込まれていたこともご報告しておこう。


アダムの歌唱の完璧さ、ステージ・パフォーマンスのキレの良さについては改めて述べるまでもないが、とにかく不要な時間の隙間を一切設けることなく、メドレーに近い形で次々と色とりどりの楽曲たちが繰り出されてくる展開には、まさに時間が経つのを忘れさせられるかのような感覚をおぼえた。今やもう彼のことを「あの“アメリカン・アイドル”から生まれたスター」といったイメージで捉えている人は少ないのではないかと思うが、この稀有なエンターテイナーによる極上のショウをこの規模で味わえる機会を逸して欲しくないというのが、今現在の筆者の本音だ。アダムはこの夜、東京の観衆に向かって「アメイジング・オーディエンス!」という賛辞を幾度も投げ掛けていたが、オーディエンスが素晴らしい反応を見せたのはもちろん彼自身のライヴ・パフォーマンスがアメイジングだったからこそ。この先、各地のファンがこの言葉を聞くことになるのは間違いないだろう。

ちなみに日本公演の全日程を終了後、このツアーはオーストラリア、ニュージーランドでの公演を経てヨーロッパ各地をめぐることになっており、5月下旬から6月にかけては、クイーン+アダム・ランバートとしての欧州各地の大型フェスへの出演も予定されている。そうした今後の動向についても気になるところだが、まずはこのジャパン・ツアーで、きわめて充実した状態にあるアダムの現在に触れておきたいところだ。

文:増田勇一
撮影:Masanori Doi

http://udo.jp/Artists/AdamLambert/index.html