→Pia-no-jaC←が2016年1月11日、<“BLOOD”TOUR 2016>を神奈川県/横浜赤レンガ倉庫1号館ホールからスタートした。このツアーは2015年12月にリリースされたニューアルバム『BLOOD』のリリースツアー。この日を皮切りに、全国25カ所を廻る彼らの旅がスタートした。

新作『BLOOD』は、昨年彼らが滞在したヨーロッパでの音楽体験を詰め込み、→Pia-no-jaC←の新境地を見せた作品。この日のライブでもその進化を1曲目の『METROPOLIS』からまざまざと見せつける。これまでのライブアレンジからさらにリアレンジされ、のっけから10分近い大熱演を見せた2人に圧倒されたオーディエンスからは、怒号のような歓声が起こる。その沸き上がるようなオーディエンスの反応も、これまでとは少し違うように感じた。



「今日無事に“BLOOD”TOURが始まりまして、みんなのおかげで満員のお客さんに迎えられて初日を迎えられました。ありがとう」というHIRO(カホン)の挨拶のあと、新譜『BLOOD』の収録曲を中心に、旧譜からの代表曲も交えて本編はひりひりするような緊張感のなか進んでいく。もちろん→Pia-no-jaC←らしいエンターテインメントや遊び心も存分に魅せてくれるのだが、この日のステージは2人が新たに得た信念のようなものを感じさせた。それは彼らがヨーロッパでの“武者修行”から持ち帰った、音楽そのものを魅せる強さ。軽快なブギーのリズムで盛り上げる「BLUE BLOOD BOOGIE」、HAYATO(ピアノ)の旋律が美しいジャパネスクを雄大に体現する「夜桜」や「残月」、切なく優しい、でも感傷に溺れない力強さを持った「Nostalgia」など、ステージ上の世界はどんどん色を変えていくけれど、その根底には一貫して、これまでの→Pia-no-jaC←が見せなかった、アーティストとしてのある種の覚悟のようなものを感じる。特にツアー初日にも関わらず、本編後半で披露された「TASOGARE」の完成度は鳥肌が立つようだった。制作に一年近くを費やしたという『BLOOD』の中でもキーチューンとなっている一曲だが、楽曲そのものの美しさを際立たせる丁寧なプレイと熱量が融合し、会場中を包み込む様はまさに圧巻だった。



本編最後はザ・→Pia-no-jaC←とも言うべきキラーチューンを連発。アンコールでもHIROは声を枯らして叫び、どんどん加速するHAYATOの超絶ピアノから目も耳も離せない「台風」など3曲が披露され、熱狂のうちにこの日のステージは幕を閉じた。

終演後こちらも少々興奮気味のまま、2人に話を聞きに行った。

──ツアー初日から素晴らしいステージでした。まず、初日を終えた今の気持ちを聞かせてください。

HIRO:これまでのツアーにないシリアスさを持った構成だったので、始まる前までは正直どうなるかと思っていたんですけど……自分たちが思っていたより初日としてはかなり理想に近いものができたんじゃないかなと思います。でもここからさらにベストを更新できるように、磨きをかけていきたいなと思っていますね。

HAYATO:いつもは自分が少しステージで暴走気味で、ソロも物凄く長くなっていたりしていたんですけど、今回は自分が下で支えるというか……その上でHIROが自由に動いていける部分もあったりしたので、自分にとって新鮮でしたね。既存の曲のリアレンジは昨年12月の大忘年会ライブでやったもので、好評だったので今回も取り入れてみたんですけど、今日もとても反応が良くてよかったなと思っています。『BLOOD』の曲については僕たちの“血脈”を辿る曲たちなので、1音1音しっかりと届けたいと思って、かなり神経を使いましたね。




──ステージ構成としてコンセプティブに作り上げられている部分もありながら、これまでのツアーにない位、がっぷり4つで音楽と向き合っているなあと感じました。

HAYATO:少し前までの僕たちだったら出来なかったと思うんですけど(笑)、去年のツアーあたりからかなり音遊びという部分でも意識しだしたのもあって。あとは幅を広げていくだけですね。もっともっと音楽と向き合って、新しい音を届けていきたいんです。

──これから全国を巡る旅が始まります。このツアーをどんなものにしていきたいですか?

HIRO:今回は本当に音に向き合えているツアーなので、ヨーロッパに行ったことのない人に“ヨーロッパってこんなところなんだ”というのを音で伝えられたらいいなと思って。これまでは例えば「花火」という曲を演奏した時、お客さんがその曲を聴いて花火ではない景色を思い浮かべても、それはお客さんの自由だと思っていたんですけど、今は違っていて。もっとはっきりしたイメージの景色……それがお客さんにとって未体験のものであったとしても、僕たちが思い描くものと同じものを見せられたらいいなと思っています。

HAYATO:僕はもうシンプルに、去年のツアー以上に音とストイックに向き合っていきたいなと思っています。今回の『BLOOD』はかなりしっかりした物語があって、時間をかけてしっかり作り込んだ作品でもあるので、ほとんどステージでも崩さないでやってるんです。なので『BLOOD』で作り上げたストーリーに、日本でツアーを廻る中で見た景色を織り交ぜて進化させていければいいなと思っています。

これまで何年間か→Pia-no-jaC←のツアーを追ってきて、この日はある意味一番、新鮮な驚きに満ちたステージだったと言えるかもしれない。さらに逞しくなった2人の音楽の旅は、これからが正念場だ。

撮影:中島たくみ
Text:岡野里衣子



→Pia-no-jaC←「ONE NIGHT STRINGS 2015.9.19 TOYOSU PIT」

2016年1月11日発売
PRD-1021 2枚組/130分 6,000円(税込)
【Disc 1】
- OPENING -
1.交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」 第4楽章
2.美しく青きドナウ
3.台風
4.熊蜂の飛行
5.夜桜 ~yozakura~
6.花音 ~カノン~
7.眞
8.Destruction' a moll Op.1,No.38
9.アイネクライネ
10.うさぎDASH
11.風雅
12.METROPOLIS
13.Jack
【Disc 2】
- ENCORE -
1.TASOGARE
2.ジムノペディ 第1番
3.PEACE
- 特典映像 -
1.HIROの影アナ
2.うさぎDASH(HAYATO推しカメラ)
3.うさぎDASH(HIRO推しカメラ)

<“BLOOD”TOUR 2016>

1/11(月祝)神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館ホール ★SOLD OUT
1/15(金)三重・Live Music M'AXA
1/16(土)静岡・Live House 浜松窓枠
1/17(日)岐阜・岐阜club-G
1/23(土)富山・富山MAIRO
1/24(日)福井・福井響のホール
1/29(金)静岡・富士市文化会館ロゼシアター 中ホール
1/30(土)京都・京都磔磔 ☆完売間近
1/31(日)兵庫・THE LIVE HOUSE CHICKEN GEORGE
2/6(土)千葉・浦安市文化会館 小ホール
2/7(日)埼玉・三郷市文化会館 小ホール
2/11(木祝)石川・金沢EIGHT HALL
2/13(土)愛媛・松山サロンキティ
2/14(日)香川・高松オリーブホール
2/20(土)宮城・仙台Rensa
2/21(日)新潟・新潟LOTS
2/24(水)岡山・岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2/26(金)広島・HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2/27(土)大分・大分DRUM Be-0
2/28(日)福岡・Zepp Fukuoka
3/5(土)北海道・Zepp Sapporo
3/12(土)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
3/13(日)大阪・なんばHatch
3/19(土)群馬・桐生市立中央公民館 市民ホール
3/21(月祝)東京・中野サンプラザ

◆→Pia-no-jaC←オフィシャルサイト