レキシ、沖縄でツアー千秋楽。「気持ちよく歌っているなかにいきなりキャッツはくるんです」

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2015.12.16 両国国技館にて

レキシのワンマンツアー<IKEAMAX THEATER>の千秋楽公演が、1月11日に沖縄・ミュージックタウン音市場で開催された。同公演をもって、北は札幌から南は沖縄まで、全国11都市11公演にわたったツアーは無事に終了した。

オフィシャルから届いたレポートでファイナルの模様をお伝えしよう。

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今回のツアー<IKEMAX THEATER>は、そのツアータイトル通りに映画をテーマにして組み上げられ、映画館に来ているような感覚でライブを楽しんでもらおうというレキシならではのライブコンセプトとなり、随所に遊び心満載の演出が散りばめられたライブとなった。

レキシ初の沖縄ワンマン公演ともなったこの日の千秋楽は、定刻の18時30分に開演。いつもであれば、ホラ貝の音色で舞台の幕開けを告げるが、今回のツアーでは、ステージ上のスクリーンに突如映し出される映画予告編映像からスタート。この予告編映像は、映画館での本編の上映前に流される予告映像のオマージュで、このツアーのためにレキシはもちろん、今回のツアーメンバー全員が自ら役者として出演して制作されたオリジナル映像。健介さん格さん(G/奥田健介 from NONA REEVES)、伊藤に行くならヒロブミ(Dr/伊藤大地)、御恩と奉公と正人(B/鈴木正人 from LITTLE CREATURES)、レキシ初参加の貝塚太郎(P&Cho/磯貝サイモン)、TAKE島流し(武嶋聡)、ほっぺた犯科帳(類家心平)といった手練れのバンドメンバーがさまざまコスプレをして役に扮する映像に会場はいきなり爆笑に包まれた。

予告編の後には、実際の映画館で流れる“撮影・録音禁止”の注意を促す映像を「STOP “稲穂”泥棒」に変えたパロディー映像も放映されるなど、まさしく映画館での本編スタート前になぞらえたオリジナル映像が10分程度流れ、いよいよスクリーンに本編の開始を告げる”20th FOX”風の映像が。会場からは歓声があがる。一方、ステージには紫の袴姿のレキシとバンドメンバーが登場する。

今回のツアーはライブのコンセプト上、札幌、沖縄以外はすべて座席ありのホール公演となっていたが、この日はツアー初のスタンディング公演となり、満員御礼のスタンディング公演ならではの熱気に包まれていた。開口一番「ついにファイナルだよー! やっぱスタンディングのライブハウスはいいねー」とMCし、1曲目「姫君Shake!」でライブ本編がスタート。軽快なロックナンバーにのせて会場全体がシェイクするなか、途中から映画『プリティー・ウーマン』のネタがブッコまれていくなど、通常通り1曲10分を超えて無事終了。続く2曲目「真田記念日」では、オーディエンスとのクイズからコール&レスポンスに繋がり、最終的には映画『ロッキー』まで到達し、時計はすでに19時を回りかけていた。

「今日は通常の倍くらいしゃべったりしているから、今から悪い予感しかしない。4時間くらいになるぞ、これは。時間長すぎて出禁になるかもだけど、それもみんなと一緒なら楽しい。今日は楽しんで帰ってください」とコメントし、拍手が巻き起こるなか、今回のツアーから初参戦となるPiano&Choの貝塚太郎(磯貝サイモン)がいるステージ右側に移動。ツアー序盤では、レキシにトークでいじられる場面が多かったが、この日は貝塚太郎が「みなさん、昨日スーパーに行ったらこんな曲が流れてました」と、いきなり沖縄の地元スーパーのCMソングを披露したところ会場全体で大合唱が起こり、レキシに一矢報いた一幕も。

3曲目「キャッチミー岡っ引きさん」を披露。そして「まだ踊り足りないでしょー」と、ディスコ&ファンキーな4曲目「ペリーダンシング」に突入。頭上に輝くミラーボールと御恩と奉公と正人のファンキーベースで会場が一気にディスコティックな雰囲気に彩れられて、映画『サタデーナイトフィーバー』、映画『フラッシュダンス』のディスコ映画ネタをブッコミつつ、そのままファンクロック全開な4曲目「salt&stone」へ。この曲では「ジンギスカン」の流れから映画『ゴッドファーザー』のテーマ~伊藤大地の超絶ドラムソロと目まぐるしく展開し、会場は絶好調の盛り上がりに。

続いては、2015年11月25日にリリースした1stシングル「SHIKIBU」を披露。シングルのキービジュアルとなった十二単をステージ上で纏い、オーディエンスと一体感溢れるパフォーマンスを繰り広げ、6曲目「憲法セブンティーン」ではゆったりとしたグルーブとホーンセクションの掛け合いを響かせた。

今回のツアーならではの企画である「弾き語りリクエストコーナー」も。このコーナーは、観客からレキシのリクエスト曲を聞いて、その場でレキシがピアノ弾き語りで歌うといった企画。これまでツアー各会場でさまざまな曲がリクエストされ、披露されたが、この日は「この中で今日が誕生日の人いますかー」とレキシが会場に呼びかけ、幸運にも誕生日だった2名程とその場の声の大きい人のリクエストが通り、「Let's忍者」、ピアノバージョンのエモーショナルな「Takeda'&Takeda' 2」、「妹子なぅ」、「古墳へGO!」、「LOVE 弁慶」、そして会場全体を静寂に包みこんだ「アケチノキモチ」を披露。それぞれ1コーラス程の即興演奏だったが、普段なかなか聞くことのできない弾き語りに会場は酔いしれた。

バンドメンバーが再度ステージ上に戻ってくると米俵も登場し、「今年初の年貢納めますよー」とのコールで「年貢 for you」がスタート。途中からは映画『ゴーストバスターズ』のテーマに変わり、“年貢バスターズ”でのコール&レスポンスが始まり、映画『スタンドバイミー』に繋がったと思いきや、映画『戦場のメリークリスマス』で会場のオーディエンスと即興の歌詞をつけて一緒に歌う。さらに「もう少し茶番に付き合って!」と最終的にはたまたまライブに来ていた、となりのトロ遺跡(朝倉真司)をもステージに呼びこみ、TAKE島流し(武嶋聡)と共にタイタニックの名シーンを披露して会場は爆笑の渦に包まれた。そして、「アンコールあるから最後の曲ではないけど」とのMCのあと、頭上のミラーボールを指さし、「空を見上げるとキラキラした武士がございました」のコールで大歓声があがり「きらきら武士」を披露。会場全員の両手が左右に振れ、最高潮の雰囲気のなかライブ本編が終了した。

一度レキシとメンバーが退場したステージに、またしてもスクリーンの幕が開き映像が登場。『ミッション稲ホッシブル』と題づけられた、村を救う幻の稲穂を探しに行くというストーリーのオリジナル小編ムービーがスタートする。

映像には、レキシ扮するイケディアナ・ジョーンズ、今回のツアーメンバー全員ほか、いとうせいこう、シャカッチ(ハナレグミ)、やついいちろうが数々の名作の主人公に扮し役者ぶりを披露。そして最後は映画『ボディーガード』のケビン・コスナーに扮した旗本ひろし(秦基博)までもが登場して、会場が沸く。するとステージに照明があたり、スパンコールのドレスにヘアバンドをした映画『ボディーガード』のホイットニー・ヒューストンの出で立ちで登場したレキシと、映像の中のコスプレそのままのバンドメンバー、そしてプレッシャーかかる前振りの後に、やついいちろうまでも登場し「ALWAYS LOVE YOU」を真面目に歌い上げる。さらに「縄文土器、弥生土器、どっちが好きー!」の掛け声に会場がこの日一番の大歓声で応える中、本ツアーを締めくくる「狩りから稲作へ」がスタート。会場は待ってましたとばかりに稲穂を上下に揺らし、定番の「キャーッツ!」を今かと待ち構える。途中で映画『風の谷のナウシカ』が挟み込まれ、それはそれで気持ちよく合唱する中、いきなりの「キャーッツ!」で演奏が終わり会場は騒然。レキシが「いつも同じ“キャッツ”ではない、今そこにある“キャッツ”を感じてほしい、気持ちよく歌っているなかにいきなりキャッツはくるんです」と会場を諌めつつ、そして深く感謝をし、最後は会場全体で今年初の“キャッツ納め”で、約3時間に及んだ千秋楽公演を締めくくった。

なお、2015年12月16日に開催され、1万人即日完売となった<IKEMAX THEATER>の東京・両国国技館公演の模様は、1月30日、フジテレビNEXTにて21時から90分のダイジェスト放送でオンエアされる予定だ。


photo by 田中聖太郎(2015.12.16 両国国技館)

レキシツアー「IKEMAX THEATER」 共通セットリスト

OPENING 映像
1. 姫君Shake!
2. 真田記念日
3. キャッチミー岡っ引きさん
4. ペリーダンシング
5. salt & stone
6. SHIKIBU
7. 憲法セブンティーン
8. リクエストコーナー
9. 年貢 for you
10. きらきら武士
ENCORE 「ミッション・稲ホッシブル」
11. 狩りから稲作へ

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◆BARKSライブレポート
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