いい音爆音アワー vol.60 「魔女 vs 女神」

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爆音アワー
いい音爆音アワー vol.60 「魔女 vs 女神」
すべからく女性には魔女と女神の要素が備わっている、とはボクの個人的な「説」である。通常は「人間性」に隠れて見えないが、非常時にはそのどちらかが首をもたげる。歌うことを仕事にしている人が、眼前の聴衆に浴びせるべく、あるいは音盤のトラックに刻み込むべく、マイクに声を振りしぼるときなど、非常時の最たるものであるから、ある人は魔女と化し、ある人は女神に転ずる。
女性ボーカルの名演を、魔女的であるか女神的であるかの観点から「いい音爆音」で聴いてみようというのが今回のテーマである。
福岡智彦 (いい音研究所)

セットリスト

  • Amy Winehouse「You Know I'm No Good」
    声もルックスも素行もすべてが魔女的だね。

  • Adele「Melt My Heart To Stone」
    19でこの声はすごいし、魔女であるエイミーを尊敬しているということからも魔女に違いないな。
  • Rihanna「Fire Bomb」
    いちばんコワいジャケットのアルバムを選んでみた。歌自体はそんなに魔女っぽくないんだけどね。
  • Natalie Duncan「Find Me A Home」
    アルバム・タイトルは『私の中の悪魔』なんだけど、この人の歌声からは女神性が溢れ出ている。
  • Garbage「Hammering In My Head」
    ちょっとニナ・ハーゲンを思い起こさせるシャーリーのルックスで魔女とさせてもらうが、ケルト系独特の優しさもあるんだよね。
  • Laura Nyro「Captain Saint Lucifer」
    「Captain Saint Lucifer」は「聖なる魔王隊長」というヘンテコな名前になってしまうけど、都会的かつしなやかな曲調はとっても女神的。
  • Barbra Streisand「Stoney End」
    伸びやかな明るい女神の歌声に癒やされるね〜。
  • Bette Middler「When a Man Loves a Woman」
    バーブラと同じ大女優でもあるのにこんなに歌えるベットだが、こちらは魔女かな。
  • 美空ひばり「お祭りマンボ」
    国民栄誉賞歌手ですが、15歳でこの歌いっぷりはやはり魔女だね。それにしても「お祭りマンボ」、実は悲しい歌だったぁ。
  • 西田佐知子「くれないホテル」
    歌謡名曲は日本人の心の故郷。それを彼女の独特で優しい女神的歌声で歌われるともう、シアワセ。
  • ちあきなおみ
    「喝采」
    表舞台から姿を消したため、神格化されつつある存在。半端ない歌の巧さは魔女か女神か?

  • 荒井由実「きっと言える」
    「きっと言える」は2小節ごとに転調する掟破りの展開だが、でも気持ちいい名曲。19歳でこんな曲を書いてしまうところは完全に魔女。
  • 矢野顕子「昨日はもう」
    22歳の乙女がイルカを担ぎ上げたジャケットは、まさに魔女のように大胆だ。
  • Sarah McLachlan「Building A Mystery」
    声自体に「ホリーな色気」とでもいうようなものが練りこまれている。女神の色気だ。
  • Jane Siberry「The Walking」
    彼女も素晴らしい女神声。カナダには女神が多い?

  • 遊佐未森「ふたりの記憶 {Man & Iron]」
    ジェイン・シベリーが目標だった遊佐はもちろん女神系。

  • Katy Perry「Hummingbird Heartbeat」
    ジャケットで惜しげも無くヌードを披露してしまう魔女である。牧師の娘だからと言って、女神に育つとは限らないのである。
  • Lady GAGA「Poker Face」
    現在最もイキのいい魔女ではないだろうか。箱入り娘であっても女神に育つとは限らないのである。
  • 相対性理論「さわやか会社員」
    ”やくしまるえつこ”は生年月日・出身地不詳の魔女である。父親は科学者ということだけが判明している。
  • Nina Hagen「New York New York」
    ドイツからの魔女。自由奔放奇想天外な歌唱も、上手いので聴きやすい。
  • Enya「Caribbean Blue」
    女神代表。天から舞い降りる風のような歌声。誰にも真似できない。

  • Kate Bush「Wuthering Heights(嵐が丘)」
    デビュー・アルバムの邦題が『天使と小悪魔』。つまり魔女性と女神性、両方を併せ持ったお方。尊敬してます。
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