【インタビュー】安田レイ、アルバム『PRISM』完成「“好き”という気持ちが必ず勝つ」

■小さな頃からシンガーになるという夢があったから
■夢について歌うときはつい熱くなってしまう

──「シグナル」がファッション的なワードを散りばめたポップでポジティヴなメッセージを発する歌なら、「May way,My life」は、より内面にスポットを当てたエモーショナルなポジティヴソングですね。

安田：「My way,My life」は、夢を追いかけている人に共感してもらえるんじゃないかと思います。私自身、小さな頃からシンガーになるという夢があったから、夢について歌うときはつい熱くなってしまうんですけど。その頃から、気持ちがブレることなくここまでくることができたので、絶対に夢をあきらめてほしくないんですね。“好き”っていう気持ちは一番強いって信じているんです。だから、なにか好きなことを見つけて、それをとことん自分のものにして歩んでいけたらいいですよね。この曲は、誰かを勇気づけたい気持ちもあるんですけど、自分で歌っていても“まだまだだな”とか“これからもっと努力しないといけないな”と考えさせられる曲にもなりました。

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──安田さんは今、小さい頃からの夢を叶えて、その先を歩んでますね。好きなことができている幸福感はもちろん、好きだからこそ難しさを感じることってありますか？　夢が叶った後も、やっぱり壁っていうものは何枚も出てくるんだなとか。

安田：そうですね。好きという気持ちだけではダメだって感じる場面ももちろんあるんです。でも、どんな壁が自分の前にあったとしても、やっぱり“好き”という気持ちが必ず勝つ。どんなに悩んでも、たとえ前に進めない時間があったとしても、最終的にはそういう気持ちや状況を乗り越えていけちゃうのが、すごく不思議なんですよね。それって歌うことが大好きで、小さい頃からずっとずっとシンガーになりたいっていう夢があったからだと思うんです。悩みももちろんいっぱいありますけど、それを乗り越えてきているのは、そういう気持ちが強いからだと思います。

──ここからさらに大きくなっていくために、今、自分に課していることや努力してることってありますか？

安田：なんだろうなあ……努力をしようとは思わずに、“これができたらみんなをもっと笑顔にできるんだろうな”っていうふうに考えるようにしているんです。

──良い状態を想像しながらのイメージトレーニングですね。

安田：イメトレは常に。ライヴをしてないところでも自分の頭のなかにステージ上の景色を思い浮かべたり（笑）。考えるだけですごく楽しいし、本番になったときにイメトレがすごく力になってるなっていうのはあります。

──思い描いたように実現しているなと？

安田：本番は、イメトレ以上の喜びがありますし、みんなの表情が自分のパワーになりますからね。それは普段のイメトレや毎日のリハーサルや練習が生かされているのかなと思います。

──ちなみにこうしたインタビューのイメトレもするんですか？

安田：そうですね。最近はお風呂に入りながら、ひとりインタビューすることもあります（笑）。楽曲についてのこともそうですし、趣味のことだったり、生き方だったり。いろいろな質問を自分で勝手に作って答える、ということをやってます（笑）。

──自分を客観的に見る勉強にもなりますよね。

安田：そうなんです。デビュー当時は自分のことを客観的に見ることが、すごく難しかったんですね。「ライヴを楽しんでいる自分も大事だけれど、冷静に見ている自分、そのどちらもがいる状態でステージに立ちなさい」って周りの方からよくアドバイスされました。でも、“そんなの無理！”って思っていたんです。最初の頃のステージは、まったく私のことを知らない人たちの前に立つようなことがたくさんありましたし。最初はほんとボロボロで（笑）。“誰も私の歌なんて聴いてないんじゃないか？”ってショックも受けていたんです。でも、たとえ誰一人聴いてなかったとしても、歌い続けていればきっと気持ちは届けられると思って歌えるようになりました。それは、経験を重ねることでハートが強くなっていったということもあるでしょうし、それ以前にイメトレが活かされているのかもって思います。

──安田さんがいつもポジティヴな理由がわかった気がします。悪いことを考えてないんですね。

安田：悩みだしたら尽きないので。一晩ドーンと悩んで、次の朝が来たらまた新しい自分、新しい安田レイとして一日を送ればいいんだって、なるべくポジティヴに考えているから。

──歌の世界のままですね、これが等身大なんだ。

安田：「レイちゃん、悩まないでしょ」ってよく言われるんですけど、もちろん悩みはあります（笑）。

──他の曲についてもお聞きしていきますが、「1AM」は、とても今っぽいワードを用いて恋の終わりを歌った曲ですね。

安田：“SNS”という言葉が歌詞に出る時代になったのかと（笑）。

──“退会する”とかね。

安田：なかなか歌詞には出てこないワードですよね。これは女の子の心の叫びと言いますか。キレイな思い出を並べながらも、その中にわがままな心の声も入ってます。“「ごめんね」とあやまったりしないでよ！”とかすごくストレートで……まだ次の恋に進めてはいない。でも、悪い思い出ばかりじゃなくて、ひとつひとつの思い出を並べて、まだ好きなのかな？って悩んでいるような心境の歌ですね。

──安田さん自身、かなり歌詞に共感するところがある？

安田：そうですね。私もドーンと落ちるほうなので、こういうモードにもなるんです。でも、時間がかかるかもしれないですけど、一回切り替えれば結構すんなりと忘れられるというか。女の子はそういうタイプが多いのかなって思いますね。

──そうですね、割り切れるというか。

安田：女の子のほうが割り切れて、男性のほうは後になってもいろいろ思い出しちゃうと言いますよね（笑）。

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