ローランドは2月2日、新製品発表会を開催、1月にアメリカ・アナハイムで行われた「2016 NAMM Show」に出展した新製品を披露した。エレクトリック・カホン、JAZZ CHORUSデザインのBluetoothスピーカー、シンセサイザー、コンパクト・エフェクター、ギターアンプなどRoland/BOSSブランドの新製品をデモンストレーションを交え紹介した。

冒頭では、今年のNAMM Showは過去最大規模の10万人を超える来場者を集め大盛況であったこと、Roland/BOSSブースも多くの来場者で賑わい、著名なアーティストも多数訪れたことを紹介。最終日にはスティービー・ワンダーが訪れ、エレクトリック・カホン「EL Cajon(エルカホン) EC-10」、ボコーダー「VO-1」に興味を示したという。

■電子音を重ねられるハイブリッドなカホン「ELCajon EC-10」


▲見た目は普通のカホン。本体上面に座って操作しやすい位置にボタンとLEDを配置(写真右上、本体をまたいで撮影)。裏面下部には電池ボックスや入出力端子が(左下)。

その流れで真っ先に紹介されたのが、すでに発売中のエレクトロニック・レイヤード・カホン「ELCajon EC-10」。アコースティック・カホンの音に電子音を重ねる(レイヤー)ことができる楽器で、NAMMで「絶対仕入れるべき賞品」を意味する「Gotta Stock It」部門でBest in Showを受賞している。タンバリンやシェイカー、スネア、エフェクティブなSFXサウンドなどさまざまな音を、アコースティックのカホンサウンドにレイヤーすることができるのがポイント。演奏時の音色バリエーションを増やすためにさまざまな楽器を持ちだしていたというプレイヤーも、これなら装備が身軽になるというわけだ。

音色は3つのグループに10キットずつ用意。演奏中でも素早くキットを切り替えられる操作パネルも秀逸だ。リアパネルにはオーディオプレイヤーなどを接続できるMIX IN端子、電子音を出力するエレクトロニック・サウンド・アウト端子も用意する。本体には3Wのスピーカーを内蔵、単3乾電池6本で最長12時間の演奏が可能だ。重量は6kgでサイズは一般的なカホンと同等。ストリートでのパフォーマンスにもぴったりな仕様だ。

■MIDI、USB、CV/GATEなどさまざまな機器を接続できるコントローラー「A-01K」


▲多彩な接続をサポートするA-01Kは、SYSTEM-500 Complete Set(写真右)とケーブルで接続された状態で展示。

「Roland Boutique」シリーズの新製品「A-01K」は、音楽制作に求められる多彩な接続を可能にするコントローラー機能と、8bit CPUシンセサイザーをコンパクトなボディにつめこんだモデル。発表会では「CONTROLLER+GENERATOR」と紹介された。MIDI、USB、そしてアナログ・シンセを接続できるCV/GATE端子を用意。本機を仲介することで、DAWで打ち込んだMIDI信号をCV/GATEアウトから出力して、モジュラー・シンセをコントロールするといったことが可能だ。さらにBluetooth LEによるワイヤレス接続にも対応。本機に接続したキーボードからの信号をタブレット端末などに送ることができる。また、16ステップ・シーケンサーも搭載、内蔵音源はもちろん接続した機器を鳴らすことも可能だ。1月より発売中。

■シリーズ5機種にラックケースなどをセット「SYSTEM-500 Complete Set」


▲SYSTEM-500シリーズの5つのモジュールにケース、パッチケーブルをセット。

ユーロラック規格の普及による世界的なモジュラー・シンセのニーズの高まりを受け、昨年発売されたモジュラーシンセサイザー「SYSTEM-500」シリーズと、パワーサプライ機能を備えたユーロラック・ケース「SYR-E84」。それらをセットにしたのが「SYSTEM-500 Complete Set」だ。「SYSTEM-500」シリーズは、モジュラー・シンセの草分け的な存在であり、今も人気の「SYSTEM-700」と「SYSTEM-100M」をモチーフにしたフルアナログのモデルで、512(オシレーター)、521(フィルター)、530(アンプ)、540(エンベロープ/LFO)、572(エフェクト)の5機種をラインナップする。Complete Setではシリーズ5機種とこれらを収納できるケース、電源アダプター、パッチケーブルをバンドルし、エントリーユーザーでも気軽にモジュラー・シンセならでは音作りを楽しめるようになっている。発売日は後日アナウンス予定。

■JAZZ CHORUSがコンパクトなBluetoothスピーカーに! 「JC-01」


▲JC-01はまさに小さなJAZZ CHORUS! BOSSコンパクトと並べるとその小ささがよくわかる。

デビューから40年、最もスタンダードなギター・アンプとして世界中のギタリストから愛されている「JAZZ CHORUS」。40周年となる昨年はシリーズ初のステレオ・インプット搭載の40Wモデル「JC-40」がリリースされたが、今年はギター・アンプの枠を超えたモデルが登場。「ギター・インプットを持たない最も小さなJAZZ CHORUS」を謳った充電式のBluetoothオーディオ・スピーカー「JC-01」がデビューする。

JCシリーズの伝統的なデザインを継承した、JCファンにはたまらないルックスを持った「JC-01」は、Bluetoothオーディオ機能と充電式リチウムイオン電池を搭載、7時間の連続再生が可能。スピーカーは2インチ×2。そのサウンドは高精細でクリアなワイドレンジ再生。内蔵のパッシブ・ラジエーターによるパワフルな重低音サウンドも実現。3バンド・イコライザー装備で手軽に好みのサウンドを演出できるのも見逃せない。また、内蔵マイクとスピーカーを使用したハンズフリー通話もサポートする。フロントパネルに用意されたAUDIO IN端子とBluetooth接続との同時使用も可能、2つのオーディオをミックスして再生することができる。発売は2月12日。


▲ギターインプットは持たないが、AUDIO INにデスクトップ用マルチ・エフェクツGT-001などを接続すればギター演奏も(左)。スマホのハンズフリー通話にも(右)。

■最も小さなBlues Cube「Blues Cube Hot」


▲ビンテージ・バニラ(左)と新色ブラック(右)の2カラーをラインナップするBC-HOT。写真の一番右のBlues Cube Artistよりもひとまわり小さい。

チューブ・アンプのトーンと弾き心地を追求したギター・アンプBlues Cubeシリーズのラインナップに新たに加わったのが、最も小さく気軽に持ち運べるギグ・アンプ「Blues Cube Hot」(BC-HOT)。30Wの12カスタム・スピーカーを1基搭載。カラーバリエーションはヴィンテージ・バニラとブラックの2色を用意する。コントロールはシンプルな1ボリューム、1マスターボリュームに3バンドEQを搭載。BOOSTスイッチをONすれば、パワー段で歪んだ極上のクランクアップ・サウンドを生み出す。また、4段階のパワーコントロールにより、あらゆる音量でチューブ・アンプ特有のクランクアップ・サウンドを実現。リバーブを内蔵するほか、スピーカーから出るのと同じサウンドをUSB端子からパソコンに直接録音することも可能だ。発売は3月を予定。

■ギタリストのサウンドメイクの幅を広げるコンパクトなスイッチャー「ES-5」


▲5ループのコンパクトなプログラマブル・スイッチング・システムES-5(写真手前)は、ペダルボードにセットして展示。

BOSSからも多くのニューモデルが登場した。まずはエフェクト・スイッチング・システム「ES-5」。フラッグシップモデルの「ES-8」のスペックを継承したコンパクトなモデル。自由度の高いルーティング機能がウリで、接続順の変更やパラレル接続、パッチ切替時に接続したエフェクトの残響音を残すことができるキャリーオーバー機能など、音作りの幅を飛躍的に広げてくれる。メモリーは演奏曲が多いステージでも余裕にこなせる200。視認性の高いバックライト付き液晶によりステージ上でも安心して操作ができる。外部機器をコントロールするための機能も充実。5系統のエフェクト・ループに加え、フットスイッチやコントロール・ペダル、MIDI入出力などの端子を備え、システムの中心としてすべての機器を一括してコントロールすることができる。そして、外部機器のコントロール設定もパッチに保存可能だ。発売は3月予定。


▲8ループのES-8よりもひとまわり小さいサイズ(左)。フットスイッチやペダル、MIDI入出力搭載で、多くの機器を一括コントロール(右)。

■ギター/ベースで利用できる革新的なボコーダー「VO-1」


▲ボコーダーVO-01(左)とビブラートVB-2W(右)。展示は技 WAZA CRAFTのオーバードライブOD-1Xとともに接続されていた。

これまでシンセサイザーで使われてきたボコーダー・サウンドが、ギター/ベースでも使えるようになった。「VO-1」は、ギター/ベースとマイクをつなぐだけでボコーダー・サウンドを実現、人の声による表現力をギター/ベース演奏に追加する革新的なエフェクターだ。サウンドキャラクターはTALK BOX、ADVANCED、VINTAGE、CHOIRの4モードを用意。BLENDつまみでギターのサウンドとボコーダー・サウンドをミックスして出力することも可能だ。3月発売予定。

「VO-1」のサウンドを聴かせるべく登場したのは、いまみちともたか。スタンダードなボコーダーサウンドのVINTAGE、歌詞がはっきり聴こえる高解像度なADVANCED、トーキングモジュレーターサウンドを再現するTALK BOXなど各モードで次々とシング&プレイ。「どのモードも最高なんだけど、ADVANCEDの滑舌の良さは感動モノ。キーボードの手からボコーダーをギターで手に入れたぜ!」「ホースくわえなくてもワオワオ言えるのはえらいうれしい」と絶賛。


▲ギターとマイクを接続するだけでボコーダー・サウンドが楽しめるVO-1(左)。そのサウンドを披露したのは、バービーボーイズでデビュー、現在は椎名純平らと結成したヒトサライなどで活躍中のいまみちともたか。最初に歌われたのはバービーボーイズの「チャンス到来」だった。

■ビブラート「VB-2W」

歴代のBOSSコンパクト・シリーズの中でも個性的なモデルであるビブラート「VB-2」(1982年デビュー)を、「技 WAZA CRAFT」シリーズとして生まれ変わらせたのが「VB-2W」。BBDビブラート回路を用いた高品位のフル・アナログ回路設計で、エクスプレッション・ペダルによるリアルタイム・デプス・コントロールが可能。シリーズの他のモデル同様スタンダードとカスタムの2つのモードを搭載。また、ペダル動画については、ペダルを踏むたびにON/OFFするLATCH、ペダルを踏み込んでいる間のみ効果がONになるUNLATCHモード、同じくペダルを踏むたびにON/OFF、効果OFF時時はBBDを通らないバイパスとなるBYPASSの3モードを備える(UNLATCH、LATCHでのビブラート効果OFFは、なめらかな効果開始を実現するため音声信号がBBDを通っている)。発売は3月予定。

オリジナルVB-2を登場時から使用していたといういまみちともたかがデモ演奏を披露。VB-2オリジナルのスタンダードと、周波数特性も変化し揺れを強調したサウンドが得られるカスタムの両モードを、エクスプレッション・ペダルでのデプス・コントロールを交え聴かせた。「アームの付いたギターを持っていなかったんだけど、開放弦でハンドビブラートの表現ができるのがすごいよくて……。あと、UNLATCHモードで踏んでる間だけ、効果をかけるってのがすごい好きだった」と当時の思い出を語り、「久々に同窓会で会ったら、お前あいかわらず若々しいな的な。そういう感じで(笑)、うれしい! ウェルカム!」と独特の言い回しで新「VB-2W」のサウンドを表現した。


▲いまみちともたかは、今回のために書き下ろしたオリジナル曲も演奏。セッティングは、VO-1がADVANCED、VB-2Wはお気に入りのスタンダード/UNLATCHモード。

■マルチバンドのベース・コンプ「BC-1X」

ベーシスト向けには「BC-1X」が登場した。ベーシストの演奏に応じて自然なコンプレッションを生み出せるよう設計された特別なモデルで、原音のキャラクターを壊すことなく、音の芯がある自然なコンプレッションが得られる。従来のコンプレッサーでは倍音が要因となりファンダメンタル(基音)も同様に圧縮され、音の芯やアタックが失われていたが、本機では独自の先進技術MDPによりプレイヤーのニュアンスに応じて音の適切な部分を圧縮。どの音域でもベース本体が持つ個性やさまざまな演奏スタイルを余すことなく表現する。また、アクティブ・ベースを含むあらゆるベース入力に対応可能な18Vに内部昇圧された十分なヘッドルームが確保されているのも見逃せない。そして、パネル上のゲイン・リダクション・インジケーターの搭載で、わずかな音のコンプレッションでも確実に表示する完璧な視認性を確保。コンプレッサー・ペダル特有のノイズからも解放されている。違いのわかるプロのニーズを満たすコンプレッサーだ。発売は3月予定。

デモ演奏はZAZEN BOYSのベーシスト吉田一郎。昨年発表の「BB-1X」との組み合わせで、ナチュラルでありながら芯のあるコンプレッション・サウンド、スレッショルドとリリースを強めにセッティングしたアグレッシブなサウンドを聴かせた。「コンプをかけ忘れたのかな? と思うくらいファンダメンタル、基音、音の芯がまったく損なわれない」「踏み忘れたかな? と下を向くとちゃんとかかってる」とインジケーターの有用性に触れ、ベテラン、玄人と呼ばれる人から「コンプって何?」というエントリーユーザーまで「どなたにもオススメできるペダル」と評した。


▲つまみは4つとシンプルな構成だが、内部パラメーターを複雑に連動させることで、見た目以上の幅広いセッティングを実現。つまみの下にはコンプレッションの効き具合がひと目でわかるインジケーターを配置(左)。昨年、ソロ作品をリリースしたZAZEN BOYSの吉田一郎が、VO-1を使ったボコーダーも交え、テクニカルな演奏を披露した(右)。

■BOSSブランド初のフラッグシップ・アンプ「WAZA AMP」


▲技アンプ・ヘッド、キャビネット412/212をスタック。「WAZA-HEAD」にはフット・コントローラーも付属(左)。是永巧一がWAZA-HEADが持つ2つのアンプ・タイプで幅広いサウンドを聴かせた(右)。

技アンプ・ヘッドとキャビネットは、スタック・アンプの歴史に大きな足跡を残したロック黎明期のオリジナル・スタック・アンプのサウンドを再現するモデル。150Wのヘッド・アンプ「WAZA-HEAD」と2種の専用キャビネット「WAZA-412」「WAZA-212」をラインナップ。「ブラウン・サウンド」と呼ばれる1970~80年代の代表的なハードロック・サウンドを作り上げたマスター・ビルダー達と同様、回路設計やチューニングにこだわりぬき、BOSSが考える理想の音、「技ブラウン・サウンド」を完成させている。トーン・カプセル対応で、インターナルと2つのカプセル、合計3つのアンプタイプを切り替え可能。初期状態では、クラシカルなロック・サウンド(インターナル・カプセル)とボスならではの技ブラウン・サウンド(カプセルA)をスタンバイ(もう1つは増設用)。それぞれのアンプ・タイプはCLEAN、CRUNCH、LEAD1、LEAD2の4つのチャンネルで構成される。発売日は後日アナウンスされる。

サウンドを聴かせたのはレベッカのサポートやONE OK ROCKや黒夢のプロデューサーで知られるギタリスト是永巧一。インターナルは「皆さんが思い浮かべる60年代から続くブリティッシュ・ハイゲイン・アンプが基本になっているサウンド」、カプセルAの技ブラウン・サウンドについては、クリーンは太くCRUNCHは「歪んでてもきれい」、さらに歪ませても「和音がきれい」とコメント。自らをギターフェチというよりアンプフェチと語り、「伝統的な真空管アンプを好きなんですが、それを使ってない新しい技術のアンプも、どの時代も好きで使ってきたんですが、もうかなり進化してきてますよね」と続け、チューブを使っていないにも関わらず「十分あたたかいサウンド、プラスもっと現代的な輪郭のはっきりしたサウンド、これがうまくバランスが取れてる」と評価。また、メンテナンス・フリーであること、パワフルなアンプ・サウンドをマイクを使用せずにPAや録音機器に送ることができることにも注目。自宅ではラインでサウンドを作っておき、ライブではキャビネットの音と位相差のないライン出力の音をミックスすれば、「よりくっきりしたサウンド、よりあたたかいサウンドが得られる」とその使い方も示した。


▲スティーブ・ヴァイ監修のWAZA-HEAD専用Legacy Tone Capsule、カーク・フレッチャー監修のBlues Cube専用Ultimate Blues、2種類のトーン・カプセルも登場する。

このほか、「WAZA-HEAD」専用のトーン・カプセル「Legacy Tone Capsule」も登場予定だ。Steve Vaiが使用しているレガシー・アンプのエッセンスを「WAZA-HEAD」に与えることができる特別なカプセルで、本人による監修で開発が進められている。これを導入することで、「WAZA-HEAD」は最大で3つのアンプ・タイプをスタンバイすることが可能になる。

また、「Blues Cube」専用のトーン・カプセルも新たに1モデル追加、「Ultimate Blues」が登場する。Kirk Fletcherの監修により完成、「Blues Cube Hot」を除くすべての「Blues Cube」シリーズで使用可能だ。これら2つのカプセルの発売日は未定。