【座談会】オムニバス盤『Agitation Clysis』女子会で「褒めて伸ばしてほしい (笑)」

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オムニバスアルバム『Agitation Clysis』第3弾となる2タイトルが、2月24日および3月2日に2作連続リリースされる。『Agitation Clysis』は音源販売方法が配信販売やストリーミングサイトに移行する現在、あえてCDのみで発売されるオムニバスアルバムだ。1990年代にリリースされた数々のインディーズVA盤をリスペクトし、“扇動的注入”をコンセプトに現代のインディーズシーンへ一石を投じる劇薬的役割として放たれてきた。その第3弾は、【HELLO!☆GIRL’S ROCK☆PANIC!!】【Metalize 03】名義の2タイトルとなる。

◆『Agitation Clysis』座談会 画像

【HELLO!☆GIRL’S ROCK☆PANIC!!】は、従来の『Agitation Clysis』シリーズとは一線を画したもので、GIRL'S BANDをフィーチャリングした一枚。収録アーティストは、女性バンド、男女混合バンド、女性シンガーとさまざまだが、新進気鋭の女性ボーカルに特化したサウンドはパンチが効いて瑞々しい。BARKSでは、Milkey Miltonのmana、Straight Free Chilrenの真由、KONSOME+のもえみ、そしてキサキエミといった4名の女性ボーカルに、収録曲についてはもちろん、それぞれの印象や現在のガールズシーンについて、女子会さながらの本音トークを繰り広げてもらった。「女の子ボーカルのバンドはたしかに増えている」と語る彼女たちの座談会は止まるところを知らず、そのルーツや女子ならではの悩みも赤裸々となった。

   ◆   ◆   ◆

■初めて観たのがガールズイベントというお客さんは多いですね
■この4組は音楽のくくりでいったら全然かぶらないかも──mana (Milkey Milton)

──今回のオムニバスアルバムのコンセプトはどういったものだったんですか。まず、【HELLO!☆GIRL’S ROCK☆PANIC!!】のプロデュースを手がけた菅原さんからご説明いただけますでしょうか。

菅原:もともと僕がガールズバンド界隈のイベントをやっていまして。その流れで出会ったバンドやアーティストからピックアップして収録したアルバムになってます。ガールズバンドだけじゃなくて、女性ボーカルバンドを含めたものを1枚にまとめられたら面白いかなというのがきっかけですね。今回は、一枚のアルバムとしては共同体に見えるけれど、それぞれに負けない個性が輝いているというイメージなんですよね。

▲mana (Milkey Milton)

──みなさんは、オムニバスアルバム収録の話をもらった時、どう思いました?

mana:Milkey Miltonは、まだライブ会場でしかCDを販売していないので、こういう作品に自分たちの曲を収録してもらえるのは嬉しいなと思いました。1曲だけですけど、その1曲を聴いてくれた人がMilkey Miltonを知ってくれたらいいなって。

真由:菅原さんのイベントで面識のあるバンドがたくさん参加しているので、そういうバンドたちで一枚のアルバムを出せるのは嬉しいですね。きっと、このアルバムを聴く人は女性ボーカルものが好きな方が多いと思うので、ストフリ(Straight Free Chilren)というバンドがちょっとでも広がればいいなと。

もえみ:私も名前を知っているアーティストさんとか、対バンしたことある方ばかりなんですけど、たぶんお客さんも同じで。気になるアーティストさんがたくさん詰まったアルバムになっていると思うんです。だから、入り口としてすごくいいきっかけになると思うし、私自身も聴くのが楽しみ。絶対聴きやすい一枚になるやろなと思って、KONSOME+も参加したんです。

──バンドやユニットが多い中で、キサキさんは唯一ソロのシンガーとしての参加ですね。

キサキ:そうなんです。誘っていただいて嬉しかったですね。普段はバンドさんとの対バンが多いし、参加バンドの名前を見た時にも好きなバンドさんがたくさんいたんですね。だから、いいアルバムになるんだろうなと楽しみにしながら参加させてもらいました。

──4人は普段から対バンしたりなど、交流は深いんでしょうか。

真由:ストフリは今、YouTube上で『ストチャン』という番組をやっていて。これは、毎月ゲストを呼んで対談をしたりゲームをしたりする番組なんですけど(笑)。manaさんともえみさんは、以前ゲストで来てくれたんですね。せっかく今日お知り合いになれたので、キサキさんもぜひ今度お願いします。

キサキ:ぜひぜひ! お願いします。

真由:そういうつながりもありますし、それ以前に対バンもしてますしね。

もえみ:KONSOME+主催ライブに、ストフリにもMilkey Miltonにも出ていただいたり。

mana:Milkey Miltonのイベントにも、KONSOME+とストフリは出てもらってますね。

もえみ:あとは、菅原さん主催でバーベキューをしたりとか(笑)。

【Milkey Milton】mana(Vo)、ume(G)、chika(Key)からなる女子会系ガールズバンド。POP でキャッチーなメロディーにのせて、女の子ならではの想いを届けるサウンドは聴く者を笑顔に。“甘くて切ない、だけどなぜか元気になっちゃう”というライブは普段のおバカなやりとりを垣間見ることも。

──対バンではやはり、“ガールズバンド”というくくりで一緒になることが多いですか?

真由:そうですね。企画のタイトル名に“ガールズ”ってついてるようなイベントにはよく出ますし、そういうバンドさんが今回のアルバムに参加しているかもしれない。

──とはいえ、ここに集まっていただいた4アーティストだけでも、音楽性が違いますよね。“ガールズ”というくくり抜きの普通のイベントではブッキングされないようなバンド同士かもしれません。

mana:たしかに、音楽のくくりでいったら、全然かぶらないかも。

──ガールズイベントに出演することで、それを観てくれた新しいお客さんが普段の自分たちのライブにも来たりという効果はありますか?

mana:「この間、ライブハウスのガールズイベントで観て、今日来てみた」っていうお客さんはたくさんいますね。初めて観たのがガールズイベントで、という方のほうが多いかもしれない。

真由:ストフリは普段、ロックな感じの男性ボーカルのバンドと対バンすることが多いんですね。だから、全然お客さんの層も違うんですけど、ガールズイベントに出たことで、新しいお客さんが増えていると思います。

もえみ:私たちはいつも同じバンドと対バンしがちだったんですけど、そういうなかでは、なかなかお客さんが増えなかったこともあって。ガールズイベントやこういうオムニバスアルバムをきっかけに、ますますお客さんの層を広げていきたいと思っているところで。

キサキ:私は自分でも3か月に一度くらいのペースで主催ライブをしていて。これはガールズに限定したものではないんですけど、回を重ねるごとにお客さんが増えているなと実感しているので、やっぱりイベントって大事ですよね。

◆インタビュー(2)へ
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