【対談】沖ちづる × 藤枝憲 (Coa Graphics)、「ガケから突き落とされても歌い続けたい」

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■「旅立ち」のジャケット写真には
■“どうよ!”という強さがありますね──沖ちづる

▲2ndシングル「旅立ち」

──2015年11月26日に二十歳を迎え、その年末には赤坂BLITZでワンマンライブを開催。この時、初のバンドセットで披露した「旅立ち」を2枚目のシングルとして2016年2月24日にリリースする。「旅立ち」のジャケット写真で沖ちづるは白い布をまとい、肩を出し、大人びた表情をみせた。その撮影は、沖ちづるにとって“濃密な1年”となった2015年が終わりを迎えようとしている12月15日の夕方過ぎ、とあるビルの屋上で行なわれた──

藤枝:「旅立ち」は、ここから“沖ちづるという人物”が変わった感じがする。

沖:2016年、二十歳になって初めてのCDでもあるので、去年やってきたことを踏まえた上での新たなスタートを切れるものになるといいなと思っていて。

藤枝:最初、どういうジャケットにしようかって話をしている時に、夜景っていうイメージがみえてきたんだよね。

沖:そうですね。私も、「旅立ち」を絵にした時に、こんな写真を撮ってみたいっていうのがありました。

藤枝:肩も出したし、“私、脱いでもいいかも”くらいの(笑)。

沖:そんな感じでしたね(笑)。大げさに言えば“着ていた服をすべて脱ぎ捨てる”みたいな。新しいスタートという意味も含めて。撮影の時は最初、タンクトップにショートパンツ、そこにブラウスを羽織って、さらに白い布をまとっていたんですけど、途中で絵的によくないからブラウスを脱ごうと。そんなに寒くなかったんですけど、ビルの屋上で風に吹かれながら撮りましたね。

藤枝:こっちは着込んでたけど(笑)。

沖:撮り終わった時に“まだやれるな”という気持ちはありました。楽しめた撮影でした。

藤枝:「旅立ち」のジャケットは、「光」のジャケットを並べながらデザインをしていたんですよ。“1年でこんなに変わるんだ。女子、怖っ!”って思った(笑)。

沖:ははは(笑)。ジャケットを並べてみると、その違いが面白いですよね。

藤枝:「光」の頃の沖さんは、もういない。

沖:過去の私だ。

藤枝:それは、沖さんの去年1年間が濃密すぎたからだよ。この表情は「光」の時には撮れなかった。

沖:絶対に出せなかったですね。「光」の時はカメラのレンズも見られなかった。

藤枝:違う凄味が出てきた。去年1年間、頑張ったんだなあっていう。

沖:何か“どうよ!”みたいな感じがありますよね(笑)。

藤枝:タフさが出てきた。今では表情も作れるようになったからなあ。

沖:それは、同じチームで作ってもらえたということも理由だと思います。

藤枝:そうかも。この感じは1年間を追ってきたドキュメンタリーだよね。

沖:そうですね。「光」から『わたしのこえ』にかけての私とは違う、新しい自分が始まっていく。それはすごくいいなって思っています。

藤枝:やっぱり、「旅立ち」を書くに至った心境の変化はあったの?

沖:去年は、自分の存在を知って欲しい、自分の歌を聴いて欲しい、という気持ちばかりが強かったと思うんですけど、今は、他者にしっかりと届くもの、聴き手の方が自分の立場に置き換えて聴いてもらえるものをちゃんと書きたいなという気持ちが強くなりました。だから「旅立ち」の歌詞は、自分と他者が重なるところも、そうでないところも、両方含んだ歌詞として書いたものです。

藤枝:で、「旅立ち」でやっとバンドサウンドだからね。新鮮だった。

沖:でも、「旅立ち」に入っている他の2曲は弾き語り。その感じを残しつつ、バンドサウンドにもこれからはトライしていきたいですね。

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