その音楽で世界に衝撃と興奮を与え、歴史を塗り替えた伝説のモンスターバンド、The Beatlesのプロデューサーとして活躍し、5人目のThe Beatlesであるとポールによって明言されたジョージ・マーティン。

長年の友であり、彼を父と慕ったポール・マッカートニーがその訃報に際して出した追悼文を公表しました。その文章はありがちなコメントとは違い、ジョージの偉大さを多くの人に伝え、讃えたいという強いポールの想いと遺族を思いやる心が長い手紙のように美しい言葉で綴られています。


ポールとジョージの関係性を垣間見ることができる英文を読み、プロデューサーとは父であり、友であり、そして讃えられるべき存在なんだなと改めて感じ入っています。四半世紀以上の付き合いができたプロデューサーとミュージシャンという関係性にも驚きですが、それほど人柄も素晴らしかったのだろうと容易に推測させるポールの言霊がまた素晴らしいです。

日本にもたくさんのプロデューサーがいます。その中の数人の方としか仕事をしたことがありませんが、印象強く残っているのは亀田誠治さんです。

亀田さんのすごいところは、ミュージシャンを絶対的に尊重し、守ること。そしてスタッフのことも同等に尊重し、自分の意見や方針を全員に理解させる努力を惜しまないことでした。くだらない話も、重要な話も、どんな状況で、どんな内容であっても「プロデューサー亀田誠治が対応してくれる」という安心感があったので、現場に行くのが楽しくて仕方なかったのを覚えています。現在も変わらず多くのミュージシャンやギョーカイ人から信頼され、各方面でご活躍されているのはけして才能だけではないことは確かです。

最後に。ジョージはその偉大なる功績からイギリス女王よりナイトの称号も授与されていました。音楽文化、音楽産業を国が認め、深く愛し、その重要さを認識しているからこそ、裏方にもきちんと光を当てて労うことを忘れない、イギリスの持つ素晴らしい一面ですよね。我が国日本も、まずは表舞台にいるミュージシャン、例えば清志郎さんが人間国宝または無形文化財として認められるような国になるにはどうしたらいいのか。ロックの浸透度を上げる? 世界に影響を与えるミュージシャンの発掘? ちょっと考えてみたいテーマです。


◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】