昨年の結成15周年を経て、新たなタームに入ったNIGHTMAREのニューシングル「Awakening.」が、3月23日にリリースされる。壮大かつ翳りを帯びた独自の世界観を構築しているタイトル曲を始め、新機軸の3曲が収録された同作は、彼らが今なお攻めの姿勢であることを感じさせる。「Awakening.」と同時発売となる彼らのベストアルバム3部作の第三弾『best tracks 2000-2005[clowns]』にも触れつつ、現在のNIGHTMAREについてYOMIと咲人にじっくりと話を聞いた。

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■目的地は見えていた
■伝えるということを意識して歌いました

――ニューシングル「Awakening.」を作る前は、どんなことを考えていましたか?

咲人:NIGHTMAREはバンド名が“NIGHTMARE=悪夢”ということで、わりとネガティブなものをテーマにすることが多いんですね。でも、ここに来て視界が開けるような印象のものや、“スパン!”と光が射すようなもの、突き抜けるようなものを作りたいなと思うようになって。そういう想いのもとに俺の中で温めたイメージを形にしたのが、今回のシングルの表題曲になっている「Awakening.」です。

YOMI:今回のシングルは、去年NIGHTMAREが15周年を迎えて、16年目に入ってから一発目のシングルなんですね。そういうところで、バンド的にも、個人的にも、集大成的なものを見せられると良いなという想いがあって。「Awakening.」は楽曲的にも、歌詞的にも、そういうものを出しやすくて、最初にデモを聴いた時からシングルの表題に最適なんじゃないかなと思いました。

▲「Awakening.」TYPE-A

――メロディアスで壮大さがありつつ、同時にせつなさも感じさせるという独自の仕上がりが印象的です。形にするのはスムーズでしたか?

咲人:スムーズでした。明確なイメージがあったし、デモを作り始めた時から“Awakening.”という仮タイトルを付けていたんですよ。自分の中にしっかりしたヴィジョンがあったので、目的地は見えていたというか。そこに到達するまでに、こっちに行こうか、あっちに行こうかというのはあったけど、苦労した印象はないですね。

――新境地の楽曲を巧みに仕上げる辺りは、さすがです。歌詞は、一生音楽家でありたい、夢の中にいたいという想いを綴っています。

咲人:今の自分がやりたい音楽を形にしたのと同じように、歌詞も今の自分の心境を、そのまま反映させました。ただ、書いている時にYOMIのことを考えた部分があって。自分が彼だったら、どう思って歌うだろうとか、使う言葉とかもYOMIが気持ちを入れやすいであろうものを選んだりとか。そういうことを、すごく考えながら書いていきました。“グサッ!”と来るところと、“そうそう!”という共感を得るところの瀬戸際を感じてもらえると良いなと思います。

YOMI:歌詞を読んで、今回はいつも以上に、みんなに届くことだったり、みんなのために歌おうという気持ちが強くなって。レコーディングする時は、伝えるということを意識して歌いました。

――そういう気持ちが反映されて、包み込むような歌になっています。

YOMI:ありがとうございます。なんて言うんだろう……ずっとヴィジュアル系のバンドとしてやって来て、15年を経て、やっと音楽でみんなを感動させられるようになったんじゃないかなと思うんですよ。「Awakening.」には、バンドのそういうところが表れていて、それにフィットした歌になっていると感じてもらえたなら嬉しいです。

▲YOMI(Vo)

――一時期YOMIさんの歌は大きなビブラートが個性であり、魅力でしたが、最近はナチュラルな方向に変わっていませんか?

YOMI:そう。要らない部分をそぎ落としているというか。ビブラートとかは、ある意味歌の装飾じゃないですか。そういうものに頼るんじゃなくて、もっと芯の部分で聴かせたいなと思って、最近は歌い方がまた変わってきています。

――「Awakening.」を聴いて、いわゆる小手先ではないところで歌っていることを感じました。この曲のギターに関しては、いかがでしたか?

咲人:纏まりを出すために、いつもよりは素直に弾いたつもりです。といっても、符点8分のディレイを使ったフレーズを入れたり、Bメロは左右のギターが掛け合いみたいになっていたり、1パートだけアコースティック・ギターを鳴らしたりという感じで、平坦なアプローチではないですね。アコギのところは、ライブのことを考えて、普通にエレキギターのクリーン・トーンで弾いたり、ピアノにしてみたりという逃げ道もあったけど、やっぱりアコースティックな楽器というのは琴線に触れるものがあるから。それで、とりあえずライブのことは置いといて、アコギを入れることにしました。

――アコースティック楽器は、1音鳴っただけで世界を作れる力を持っていますね。

咲人:そう。サビ・パートとかで厚みを出すためにアコギのストロークを鳴らすのはよくある手法だけど、そうじゃなくて、あえて一カ所だけ使うと、リスナーを“ドキッ!”とさせられるんじゃないかなと思ったんです。あのパートはアコギと歌だけになって、アコギが2本鳴っているじゃないですか。最初はコード弾きかハーモニクスにしようと思って、2パターン考えたんです。その後、両方を合わせてみたらどうなるかなと思って重ねてみたら、すごく良かった。だから、あのアンサンブルは、偶然の産物です(笑)。

――音楽の神様のプレゼントですね。どこかシンフォニックな雰囲気のギター・ソロも聴きどころになっています。

咲人:ソロに関しては、ストレッチ・フォーム独特の響きというのがあって。指を大きく開くことで、弦が変わっても同じ音を出したりできるんですよ。最近はそういうのが好きで、この曲のソロはそれを活かしました。もしかしたら、普通にロングトーンでいったほうがフィットするかなとも思ったけど、自分なりに爪痕を残したいという気持ちがあって。それに、時間が経ってから聴いた時に、その頃の自分のモードが分かるというのは楽しいじゃないですか。それで、今の自分が良いなと思うスタイルを入れ込みました。

――楽曲に合わせつつ個性的なプレイをしていると、リスナーも楽しめます。それに、昔の咲人さんはトリッキーであることがアイデンティティーという印象がありますが、最近は王道的なプレイで個性を出す方向にシフトしている気がします。

咲人:それは、ありますね。僕はDEAD ENDとかも好きなんですけど、YOUさんのギターを聴くと、アーミング一つも個性になっているようなところがあって、すごく良いなと思って。フレージングとか、エフェクティブなトーンとかも個性を出すのに有効だけど、指先一つで個性を出すことが大事だなと、この歳になって思うようになったんです。それは、歌詞も一緒なんですよね。シンプルな言葉を使ったほうが伝わりやすいけど、年齢を重ねたり、長いキャリアを持った人が歌わないと説得力は生まれない。最近はようやく自分達がそういうところに来れたことを感じていて、歌詞にしても、ギター・プレイにしてもストレートな方向に振ることができるようになった。歳は若いほうが良いだろうとずっと思っていたけど、最近は年齢を重ねるのも悪くないなと思うようになりましたね。

▲咲人(G)

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