【ライヴレポート】ROOT FIVE、4人体制での全国ツアー幕開け

ツイート

3月11日、ROOT FIVEは、柏PLOOZAから全国16ヶ所をまわるツアーを開始した。この日を初日とする『ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016』と題されたこのツアーは、2015年の10月末で蛇足が脱退し、江川直樹(ぽこた)、石城結真(みーちゃん)、藤谷慶太朗(けったろ)、駒沢浩人(koma’n)の4人体制となって初のツアーである。

◆ライヴ画像(全8枚)

ツアーに先立ち、同じく【STORYLIVE】と銘打って、1月31日に開催を予定していた、『ROOT FIVE STORYLIVE 2016「序」~舞闘絵巻~』。芝居、アクション、音楽、ダンスを融合した新感覚のライヴエンタメで新体制をスタートさせる予定のROOT FIVEであったが、そのリハーサル中に江川が左目を負傷しドクターストップ。1月31日の公演は延期され、今回の公演をもって4人体制をスタートさせた。このアクシデントを受け「序」の後に控えていた「乱」の内容をすべて白紙に戻して内容を変更し、「乱」から「序」へと繋がっていく構成へと組み替えてのスタートとなったのである。

3月11日・18時30分。予定時刻どおりにその幕は開いた。1曲目に置かれていたのは、今ツアーの会場限定でリリースされる新曲「Qne(ワン)」。それぞれのテーマカラーをあしらった和を基調とした衣装に身を包んだ4人が颯爽とステージに現れると、フロアを埋め尽くしていた黄=江川、赤=石城、緑=藤谷、青=駒沢のサイリウムの光が激しく揺れた。初披露された「Qne」と、4人で構成された、今までとは異なる新たなROOT FIVEのアグレッシブなステージに、フロアからの歓声は絶えることは無い。間髪入れずに届けた2曲目のイントロでは、悲鳴にも近いオーディエンスの声がフロアから上がった。人気曲「MERRY GO ROUND」だ。聴き慣れた、見慣れた景色を期待して歓声を上げたオーディエンスだったが、目の前に広がったのは、振り付けが一新された新たな「MERRY GO ROUND」。ピタリとあったダンス。めまぐるしく変化するフォーメーション。スキルアップしたエンタテイメント性。そのすべてにオーディエンスは少し戸惑いながらも、間奏ではいつもの掛け声を加え、楽曲を盛り上げていたのだった。そう。彼らは、4人になったこの節目に、ROOT FIVEを大きく成長させていたのである。出ばなを挫かれた、とも言える江川の怪我という思わぬアクシデントは、彼らをより強く鍛え上げていたとも言えるだろう。


挨拶を兼ねたMCを挟み、江川と石城によるタイトルコールで「純愛デリュージョン」へと繋げた。ライヴ自体が実に去年の10月ぶりであり、4人になってから初。故に、新曲の「Qne」以外は、歌のパート割りが新たに構成されたものであった。5人から4人になったことでの物足りなさは無い。1人1人の意識が高くなったということもあるのだろう。素晴しいリレーションで魅せてくれたそのステージは、ROOT FIVEの新たな始まりと更なる飛躍を感じさせる勢いある開幕戦であった。

これまではアットホームな空気感が常に漂っていたライヴであったが、この日は、漂っていた空気感が異なっていたと言っても過言では無い。MCでは果てしなく素顔に近い絡みをみせていた彼らであったが、曲が始まるとその空気感を断ち切り、エンタテイナーとして振り切るのである。そんな彼らのマインドの切り替えは自然とオーディエンスに伝わり、メリハリのあるライヴが展開されていったのだ。

そして、中盤、彼らはこの『ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『乱』~國盗草子~』の核となる【心技体ゲーム】を届けた。この心技体ゲームとは、今回のライヴのテーマでもある、16の國(ツアーの本数)の平定(統治)と、それぞれが持つ武器のレベルを上げるための重要なブロックなのである。つまり、この心技体ゲームで勝ち抜き、ポイントを稼ぐことで、各國(各公演)を治めながら、自らの武器をレベルアップさせていくという仕組みなのだ。心技体ゲームは3つのミニゲームに分けられていて、心を競う「心」ゲーム、技を競う「技」ゲーム、体を競う「体」ゲームで4人が戦う。素顔が垣間みれるこのゲームにオーディエンスは大爆笑。まさに、カッコイイエンタテイナの顔と普段の彼らの顔が共存した、とても奥深いステージとなったのだ。

このゲームでは江川が圧倒的な勝利を勝ち取り、11ポイントをゲットしたのだが、これは武器のレベルを上げるゲームであり、ポイントが高い者が國を平定出来るというモノではない。最後に決めるのはオーディエンス。どの武将(メンバー)を支持するかを、オーディエンスはライヴ後に会場で投票することができ、その國の平定者を決めていくという仕組みになっているのだ。まさに、参加型ライヴなのである(※ライヴ後即座にオーディエンスからの集計をまとめた結果が発表されたのだが、この日の平定者は江川となった)。

そんなゲーム後には、今回のコンセプトでそれぞれが扮している、江川=源義経・石城=鬼若丸・藤谷=平清盛・駒沢=那須与一というキャラクターをイメージして作られたソロ曲を届け、アンコールでは心技体ゲームで勝利を勝ち取った源義経こと江川ヴァージョンの『序』予告編(告知演技的なもの)が演じられた。殺陣を魅せるこのティーザー風演技にはそれぞれのヴァージョンが存在し、毎度ライヴごとに異なるメンバーのバージョンの告知が見られるという、どこまでも深くエンタテイメント性を追求した構成になっているのである。そして。最後に、彼らは6月8日にリリースされるニューシングル「参乱-MAIRAN-」をいち早く披露したのだった。

尚、延期となった1月31日の『ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『序』~舞闘絵巻~』の振り替え公演は、5月15日にEX THEATER ROPPONGIにて行なわれることとなっており、当初『ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016「乱」~國盗草子~』の後半として届けられるはずだった6月10日からの全国7ヶ所でのライヴツアーは、公演タイトルを『ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016「序」~舞闘絵巻~』に変更し、『乱』とは異なる、エンタテイメント性が更に深く追求されたライヴになっていく予定であるという。

はたして、16の國を統一するのはどの武将になるのか? 新たに動き始めたROOT FIVEから目が離せなくなりそうだ。


test:武市尚子
photo:宮脇進

この記事をツイート

この記事の関連情報