【ライブレポート】SKY-HI、初のホールツアーが終了。「せっかくだから、最後まで最高に生きてやろうぜ、なあ!」

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ここまでまた空気を一転させるダンサーズ(とSKY-HIのラップ)によるコミカルなパフォーマンスに笑いが起こる。後半戦の「Ms.Liberty」からの「VERY BERRY」では、いつの間にかマーク・ロンソン「アップタウン・ファンク」へとつながり、グラミー賞受賞のお祝いを口にしたり、BANDメンバーを使って一通り遊んでみたりして、再び「VERY BERRY」へ(セットリスト上での曲名は「VERY BERRY town Funk」)。とにもかくにも、歌って踊ってラップしてのSKY-HIが、その音楽を自ら全力で楽しみ、楽しませるステージが繰り広げられる。前半がクールにアッパーに、そしてハードボイルドなSKY-HIだとすると、後半はポップにメロウに、そしてスウィートなSKY-HIに。

「このライブは、そろそろ最後のフェーズ、その名も、“ラストスパート”へと突入しようとしている…!」

「ラストスパートっつーのは、その日にたくさんあるスパートパートの中でも最後のスパート。つまりは、その日一番盛り上がるパートのことをラストスパートって言うと思うんだ。」という、それほとんどSKY-HIが口に出して言いたいだけのようなMCからのラストスパートは、(“Get ready for the last spurt!”のやり取りもありつつ)「逆転ファンファーレ」で加速度をつけて大気圏でも突破するかのように一気に突入。ジリジリと早くなっていく鼓動とボルテージ。総ハンズアップで幾重にも重なったクラップの波打ち際、熱気で蜃気楼のように揺らめいたSKY-HIは、「Seaside Bound」の景色を全身全霊で描き出す。

「愛と、感謝と、リスペクトを込めて、錆びつかないメッセージを贈ろう。錆びつかないメロディーに乗せて。さあ、クライマックスに向かおう!」と、SKY-HIに誘われての「フリージア ~Epilogue~」で、ライブはいよいよラストの瞬間を迎えようとする。


「その目に映る男の姿をよく見てくれ。俺はどこまでも君に向き合うぜ。君たちじゃない、君。すべての君、ひとりひとりに、大げさじゃなく命をかけて向き合うぜ。君がどんな奴だって、どんなことを考えたって、今までどんなことをしてきたって構わない。君が、この2016年、3月の13日を俺に費やしてくれたという事実は変わらない。そしてその事実が何よりも尊い。その事実が、今日も俺を歌唄いとして証明してくれたからだ。俺は、唯一無二のラッパーだ。トップスターだ。ロックスターだ。君の人生を本気でひっくり返しにきたトリックスターだ! でも、その証明はすべて君だ。君の目が、君の耳がしてくれる。俺の存在はすべて君が証明してくれる。なあ、お返しと言ってはおこがましいかもしれないが、俺は俺であり続けることを約束しよう。永遠に、何度でも言うぜ。大げさじゃなく、命をかけて、すべての君に向き合うことを約束しよう。向き合い続けることを約束しよう。そのためにステージに立ち続けることを約束しよう。なあ、東京。もう一度言うぜ。その目に映る男の姿形をよく見てくれ! 俺がSKY-HI。君が生きているその意味も価値も、この音楽で証明しよう。」

言葉の雨に体を激しく打ち付けられたまま、心を鷲掴みされ、次第に呼吸が浅くなっていく感覚。それでも微動だにしない、動くことができないオーディエンス。なぜSKY-HIはそこまで、命をかけてステージに立ち続けるのか。その答えこそが「アイリスライト」。だからSKY-HIは、こうやっていつも“君たち”でなく“君”に向き合い続けてきた。

そしてこれからも、変わることなく向き合い続けるはずである。
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