徹底的にこだわり抜いた古き良きサウンドと、目一杯お客さんを楽しませるステージでライヴハウスを沸かせている日本随一のビート・バンド、ザ・ニートビーツがカバー・アルバム『MORE BEAT SIDE HITS』を3月23日にリリースする。60年代のマージービートをカバーしたマニアックな内容でありながら、誰もが聴いて楽しめる作品になっているのは、彼らが本物のビート・ポップスを知り尽くしているから。「GRAND FROG STUDIO」でヴィンテージ機材に囲まれながら、アルバムの話を中心にメンバー全員にインタビューを行った。彼らの音楽への偏愛っぷりを堪能してほしい。

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── フル・アルバムとしては『DANCE ROOM RACKET』(2013年12月発売)以来となるわけですが、オリジナル曲も収録された前作と違い、カバー・アルバムになったのはどうしてですか?

MR.PAN(Vo.Gt):2009年に『ビート・サイド・ヒッツ』というカバー・アルバムを出していて、その後色々シングルを出したり、ちょこちょこレコーディングには入っていたんだけど、それが結構溜まったなと。たぶん、もうそろそろ何もかも忘れてくる時期なので(笑)。その前に形にしておこうかなみたいな。あとはスタジオの機材も2009年からだいぶ変わって音質感もだいぶ落ち着いてきたから丁度良い機会かなと思って。

── 機材はいまだに増えているんですか?

MR.PAN:増えているというか、なるべく良くしていくというか。安いヴィンテージじゃなくて、高級なハイファイに対応できるヴィンテージになるべく入れ替えて行くというのは、常に考えているんです。

MR.GULLY(Vo.Ba):僕らは楽器とアンプとかまでで、そこまではわかりません(笑)。MR.PANはマイクからそういう機材、ミキサー、ハンダから…

── ハンダまで!?

MR.PAN:それこそね、THE MACKSHOWのメンバーと喋り出したらそういう話が尽きないんだけど。夜中の2時くらいにTHE MACKSHOWのトミーマックから「真空管ある?」って電話がかかってくるんだけど、「さすがにそれは夜中にやめてくれへん!?」って(笑)。

── (笑)。実際この「GRAND FROG STUDIO」にはヴィンテージ機材が何でも揃ってそうですもんね。でもあくまでもコレクションじゃなくて使うために入れ替えているんですね。

MR.PAN:そうだね。あと、最近古いものがめちゃくちゃ高くなっていて。だから、もし今から自分でスタジオを作るとしたらもう無理だと思う。10年前にスタジオをやりだしたんだけど、今とは値段もまったく違うから。今はもう、高いし探しても物がない。

MR.LAWDY(Vo.Gt):持っている人が手放さへんみたいな。

MR.PAN:それはあるよね。今、ちょっとしたレコード・ブームというか、全体的にアナログっていうワードが出やすくなっていて。世界レベルで考えて、今のスタジオの人たちもなるべく手放さないようにしているからね。

── それでも、最近はドラムを購入したらしいですね。

MR.PAN:そう、ドイツの「TRIXON(トリクソン)」という、60年代フリークの人はかなり「おっ!」っていうと思うメーカーで。例えば、ジェイムス・ブラウンの60年代のアポロシアターのライヴとかは、トリクソン製のドラム。まあロゴが「VOX」というOEMで、トリクソンのドラムにVOXがロゴに乗せて、イギリスで売ってたという歴史もあるんだけど。

── 買うときにはMR.MONDOさんとMR.PANさんが話をして決めるんですか?

MR.MONDO(Vo.Dr):はい、「こんなん出てるで」って。

MR.PAN:でもまさか、手に入るとは思わなかったんだけど、サラッと手に入って。当時、マージービートのバンドがよくドイツのハンブルグに行ってスタークラブとかでライヴをしていて、基本的にトリクソンのドラムを置いていたと思うから、リンゴ・スターも使っていたはずで。だからリンゴはイギリスに帰ってからトリクソンを買おうと思ったみたいなんだけど楽器屋に行くとなくてラディックを買ったんだよね。もしそこでトリクソンがあったら、リンゴ・スター=トリクソンになっていたと思う。ビートルズのサウンドもだいぶ違っていたと思うし、ラディックは逆にメーカーとしてなかったかもしれないね。