【ライブレポート】植田真梨恵、ビルボード大阪に響く「届いてほしいメッセージ」

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植田真梨恵が4月3日、自身初となるビルボードライブ大阪公演<Live of Lazward Piano「カレンダーの13月 again」>を開催した。2016年1月には自身最大規模となるピアノワンマンライブツアー<植田真梨恵Live of Lazward Piano "Old-fashioned.">を敢行。“Live of Lazward Piano”と題した公演は、ピアノ西村広文との二人きりで構成されるもので、2013年より毎年開催されている植田にとっても思い入れのあるライブだ。ビルボードライブ大阪公演から、2ndステージの模様をお伝えしたい。

◆植田真梨恵 画像

凛とした空気の中、和やかな表情で開演を待ちわびる客席に楽曲「カレンダーの13月」を織り交ぜたSEが流れ出した。そして、植田真梨恵が静かに登場。1曲目に演奏されたのは、東京・大阪で開催された<カレンダーの13月>以来、約3年ぶりの演奏となった「カレンダーの12ヶ月たち」だ。20分を超える同曲は、2012年に植田が“毎月1曲、新曲を持ってライブに臨む”と目標を掲げ、月毎の楽曲を制作。その12の楽曲を連続するひとつのストーリーのように紡いだ壮大なナンバーでもある。

“虹の橋を探して独りきり旅に出た一人の男”と“世界の反対側で同じように旅を続けていたもう一人の誰か”が、それぞれの運命に巡り合い、交差しながら全てを受けとめて生きていく物語。1曲毎に旅立ちの月、出会いの月、悲しみの月……といった物語を持ち、メロディーやテンポ、拍子さえも目まぐるしく変わっていく組曲のようなナンバーが奏でられる。それを聴いていると悲哀、悦楽、狂気、哀愁と様々な感情が呼び起こされ、柔らかく艶のある声がたちまち客席を魅了した。ビルボードライブ大阪初ライブに相応しい楽曲を歌い切った植田に、会場から大きな拍手が送られる。


「ビルボードライブ大阪、お集りの皆さんこんばんは! 植田真梨恵です!! 一番最初に聴いていただいたのは、「カレンダーの12ヶ月たち」という曲でした。この曲は、一言で言うと“旅”がテーマです。若い男の人が旅に出て、虹の橋を探す途中で女の子と出会うというお話でした。そして今日は1部公演と2部公演で、それぞれテーマを決めてライブを行なっておりまして、2部の選曲のテーマは“あたし”という言葉が出てくる、女の子目線よりの選曲にしてみました。ちなみに1部は“僕”がテーマでした。ではここからは、そういう選曲で進めてみたいと思います!」──植田真梨恵

このMCに続いて披露された楽曲はDoris Dayのカバー「センチメンタル・ジャーニー」だ。植田のライブでは珍しい英語詞のカバーが心地よく、しかし、歌の途中で英語から日本語へ変化するなど原曲にはないセクションが。“子どもの頃のように 胸がときめく 思い出は夢の中 センチメンタル かがやくの” “ねぇ あたしは今もまだ あなたとのことをずっと ほら 忘れられないのさ 涙が出ちゃう”と歌われた同セクションは、植田自身が日本語詞をつけたという。また、「くちびるの奥」では音源のどこかひねた可愛らしさではなく、控えめに響くピアノに合わせて、ささやくように優しい歌声も。最後はフェイクで力強く同曲を締めた。


「今日はビルボードライブ大阪ですが、とても良い音で、本当にみなさんに良い気持ちで帰っていただきたいなと思っています。次の曲は、とっても大好きな人への気持ちを綴っている歌です。いろんなことを信じるのが苦手な人のために書きました。聴いてください」──植田真梨恵

曲は、流れるようなピアノに乗せて一途な想いを託した「プリーズプリーズ」だ。その余韻を持たせながら対照的に、穏やかさを排した非日常を描く「a girl」を連続演奏した植田は、次のMCを挟んで新曲を初御披露目した。

「女の子しばりの選曲でお届けしている2部の公演ですが、“Live of Lazward Piano”というのはですね、私がアコギを弾き、ピアノ西村広文さんと二人編成で行うライブのことです。次に歌う曲は、東京でぽっかり空いた一日があって、私の中で曲を作りたいという気持ちが湧いてきまして。西村さんと一緒にスタジオに入って作った曲です。裏テーマとしては……私の曲で“幸せな曲”ってないんですよ(笑)。結婚式でも歌える曲があったらいいなと思って作った曲でもあります。では、楽しく聴いてもらいたいので、良かったら軽めに手拍子を、大きめでも大丈夫ですので、手拍子をください(笑)」──植田真梨恵

「パエリア」というタイトルが冠された新曲は、くせになるようなピアノのフレーズとリズムにのって、“これは大好物 年代物のチーズ”“これは大発見 宝物の地図”と早口言葉のように言葉たちが詰め込まれ、曲を聴きながら料理をしたくなるようなウキウキするリリックとメロディが並ぶ。日常の幸せを切り取った心温まる1曲に会場も手拍子でこれに応えた。華やかなピアノとアコースティックギターが思わず踊り出したくなる「よるのさんぽ」では大きな手拍子が鳴り響いて会場が一体に。間髪入れずにライブでは欠かせない「ハルシネーション」が演奏された。激しいピアノ、思いを込めるような植田の歌声がどんどん加速して勢いを増し、二人の音に引き込まれたまま本編最終曲へ。


「“あたし”しばりの<カレンダーの13月 again>楽しんでいただけましたでしょうか。本当に今日は、とっても良い経験をさせていただいたなと思います。こうやって今日、初めて私のライブに足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました!! 次が最後の曲なんですけれども、私は歌が好きで、歌詞も大好きです。メッセージのある歌が大好きです。皆さんの毎日に辛い時とか楽しい時があっても、胸に入ってきて、パワーになれるような歌詞が書けたらいいなと思っています。そういう歌を歌う歌手になりたいなとずっと思っています。皆さんの中に届いてほしいメッセージがある曲を最後に歌います。今日は本当にありがとうございました!!」──植田真梨恵

そして披露されたのは最新シングル「スペクタクル」だった。原曲とは異なるピアノならではのアレンジで、前半はしっとりと聴かせたかと思えば、後半は全身から振り絞るように声を、メッセージを届ける植田。“勇気を出して、道を歩んでいこう”という気持ちが伝わる力強い声が会場に広がって、本編が終了した。もちろん客席からはアンコールが。再び姿を現した植田は元気にこう語った。

「早かった!! ビルボードライブ大阪。まじ緊張した! でも、またいつか戻ってきたいと思います! 今日は本当にありがとうございました!!」──植田真梨恵

と感謝を述べた植田は続いて、4月6日に初のライブDVD『UTAUTAU vol.2』をリリースする喜びと今の想いを素直に語り、ラストナンバー「メリーゴーランド」へ。ピアノのみながら間違いなくロックな演奏だ。“辛い時でも、攻めて闘い続けている人に歌いたい”という言葉通り、全身で懸命に歌う姿に鼓舞される。会場中が植田真梨恵の世界観一色になったところで、<Live of Lazward Piano「カレンダーの13月 again」>は幕を閉じた。

誰もいなくなったステージに聴こえてきたのはシングル「スペクタクル」のカップリングナンバー「カレンダーの13月」。この日披露された20分超の楽曲「カレンダーの12ヶ月たち」のエピローグ的に書き下ろされたこの曲で、この日の全ステージが終了した。



■LIVE DVD『UTAUTAU vol.2』

2016年4月6日(水)発売
GZBA-8028,8029(二枚組) / \4,500+税
・アンコールまで全曲完全収録二枚組
・舞台裏に迫るツアードキュメント&インタビュー収録
<DISC 1>植田真梨恵LIVE TOUR UTAUTAU vol.2 - 2015.10.3 TSUTAYA O-EAST
<DISC 2>ENCORE, TOUR DOCUMENT & INTERVIEW
01.彼に守ってほしい10のこと
02.ナビゲーション
03.カーテンの刺繍
04.hanamoge
05.FRIDAY
06.SHEEP SKIN
07.ハイリゲンシュタットの遺書
08.きえるみたい
09.クリア
10.ザクロの実
11.おおかみ少年
12.愛おしい今日
13.飛び込め
14.壊して
15.メリーゴーランド
16.心と体
17.RRRRR
18.サファイア!
19.中華街へ行きましょう
20.カルカテレパシー
21.世界の終わり
EN1.変革の気、蜂蜜の夕陽
EN2.わかんないのはいやだ

■『LIVE PHOTO パネル展』開催店舗

北海道:音楽処 (~4/18)
宮城県:銀座山野楽器仙台店 (~4/11)
東京都:タワーレコード新宿店 (~4/18)/HMV&BOOKS TOKYO (~4/18)
埼玉県:タワーレコードイオンレイクタウン店 (~4/18)
神奈川県:タワーレコード横浜ビブレ店 (~4/18)
愛知県:タワーレコード名古屋パルコ店 (~4/18)
大阪府:タワーレコード梅田大阪マルビル店 (~4/11)/タワーレコードあべのHoop店 (~4/18)
兵庫県:タワーレコード神戸店 (~4/18)
福岡県:タワーレコードアミュプラザ博多店 (~4/18)/タワーレコード久留米店 (~4/18)
※上記店舗でDVDをご購入の方に先着で「直筆サイン入りパネル応募用紙」をお渡し致します。期間内にご応募いただいた方の中から抽選で、ご希望の「LIVE PHOTOパネル」に植田真梨恵の直筆サインを入れてプレゼント
【パネル応募期間】
2016年4月5日(火)~2016年4月18日(月) 店舗閉店まで
※一部パネル展の展示期間が異なる店舗がございます。
※閉店時間は各店舗により異なります。
※パネルプレゼントの応募に関する詳細は、ご購入時に配布されます「直筆サイン入りパネル応募用紙」をご確認ください。

◆植田真梨恵 オフィシャルサイト
◆植田真梨恵 オフィシャルYouTubeチャンネル
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