【インタビュー】the GazettE、「“UNDYING”で3部作のDOGMAが最終章ってことになる」

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4月27日。the GazettE は、アルバム『DOGMA』から掲げてきた1つの大きなプロジェクトを締めくくる音源「UNDYING」をリリースする。BARKSでは、「UNDYING」が初めて届けられた、2月28日の国立代々木競技場第一体育館LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC FINAL『漆黒』を振り返りながら、今一度『the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN-』、『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC-DUE-』についても掘り下げ、4月から始まるワールドツアー、7月からの国内スタンディングツアーについてと今後のthe GazettEの在り方について訊いていこうと思う。

◆the GazettE~画像&映像~

■アルバム作りは【“DOGMA”とはなんぞや?】ってところから始まった
■その段階で大枠というか自分たちが魅せたいテーマを絞り込めた感があった


──今回は、1つの大きなプロジェクトでもあった『DOGMA』を引っさげてまわったツアーを中心に、振り返って話を聞かせてもらえたらと。まず、遡れば、この【漆黒】と【教義】を掲げた大きなプロジェクトは、2015年3月10日の武道館で配布されたフライヤーに書かれてあった【THE BEGINNING OF OMINOUS YEAR】という言葉どおり、そこから【漆黒】と【教義】をテーマにプロジェクトが始動し、アルバム、ツアー、そしてシングル「UGLY」「UNDYING」と進んで来たわけだけど、そもそもの始まりは自らが【the GazettEが提示する“DOGMA”とは何か?】というところから始まっていったんだよね。

葵:そう。今思えば、長かったというかね。そもそも、根底となる【“DOGMA”とはなんぞや?】ってところをテーマにメンバーで話したのっていつだったっけね?

RUKI:そうとう前のことになるからね。

REITA:一昨年になるんじゃないかな。一昨年の夏くらいじゃない?

戒:そう。正確には夏前になるかな。

REITA:6月くらいだったね、たしか。『DOGMA』のアルバムに関しては、それくらいだったけど、1年の大きな流れが明確に固まったのは、2015年の1月くらいかな、おそらく。

葵:アルバム作りは、まさに【“DOGMA”とはなんぞや?】ってところから始まったからね。メンバー間での意識の擦り合わせというか、そこからね。まぁその段階で大枠というか、あらかた自分たちが魅せたいというか、掲げたテーマを絞り込めた感はあって。


──映像でアルバムの全体像を魅せていくという、これまでにはなかった試みもしてたよね。

RUKI:そうですね。アルバム1曲1曲の世界観を映像で魅せていく、というところにも時間を割きましたからね。

葵:でも、ライヴでは映像を使えなかったから、そこはまたライヴには繋がらなかったところでもあったしね。そこは苦労してたとこでもあったんじゃないかな、RUKIが。

──何故ライヴでは映像を使わなかったの?

RUKI:前回のライヴで結構映像を使ってたのもあったから、今回はもっと生身な感じでいこうっていう感じだったんですよね、ライヴに関しては。

──音だけでも充分世界観は色濃く伝わってくるものがあったからね。でも、それをライヴに落とし込むという意味では、また難しさもあったみたいだよね。

RUKI:うん。なんかずっと、ライヴやっていても、いつもと違うんだよな……っていう感覚はあったっていうかね。照明1つ取っても、もっと生々しくていいんじゃないかな? とか、いろいろと、ライヴをやりながら擦り合せていく部分があったというかね。『the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN-』のときは、結構ガッチリとステージにセット組んでのライヴだったんですよ。でも、実際にライヴをやってみて、ここまでのセットは要らないのかな? っていう思いもあり、『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC-DUE-』では、いっさいセットを無くしたんです。

──たしかに、『the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN-』はガッツリセット組んでいたからね。でも、さっきも言ったように、音だけでも充分な世界観があったから、たしかに、あまりそこには目が行ってなかったかも。

RUKI:そうなんですよね、なんか逆に世界を狭めてしまってるみたいに感じたというか。【DOGMA】っていうモノをライヴで表現しようと思うと、すごく難しくて。“こういう規模じゃないんだけどな……”っていう感覚がずっとあって。物理的な規模じゃないものというか、いかに広い規模で魅せるかっていうのを、いっつも悩んでたっていうか。とにかく難しかった。

戒:セットが動くわけでもないしね。そんなに計算し尽くされて代々木に立ったというわけではなく、この流れの先に代々木があったって感じかな。最初は、武道館で久々にセットを組んでライヴをやって良かったなっていうのもあったから、その流れで『the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN-』をやってみようっていう感じだったんです。でも、さっきRUKIが言ったように、思っていた感覚とちょっと違ったっていうのもあり、そこでの反省点を活かして『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC-DUE-』をやった感じだったからね。その場その場で感じたことを、次のライヴで活かしていったというのかな。その結果が代々木でのライヴだったっていう。

──なるほど。最初から代々木での完成形があって、そこに向かってのライヴだったっていうところではないんだね。

戒:そう。ライヴの形としてはね。やっぱり実際に肌で感じないとリアルではないというかね。想像だけだと、やっぱり想像しきれない部分があるから。ライヴをやってみて、ファンの人たちの反応も見て、そこで初めて見えてくるものってあるからね。

REITA:やっぱり『the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN-』は、世界観を意識し過ぎたというか。ちょっと硬くなり過ぎたのかなって思う。だから、あまり生のライヴ感が出せてなかったんじゃないかな? 世界観にとらわれ過ぎたというか、変にDOGMAというモノを意識し過ぎちゃったのかなって。もっと自然なthe GazettEのライヴをしていった方がいいんじゃないかなって思った。そう思うと、『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC-DUE-』の方が、“the GazettEのライヴ”を純粋に魅せれたんじゃないかなと思う。

麗:たしかに。俺自身もみんなが思っていたことと一緒で、最初の『the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN-』のツアーは、とにかくアンテナを広げてやってみて、どこをブラッシュアップしていくのか? というのを模索していたのかなって思う。入り口さえしっかり作れていれば、あとは、“DOGMA”っていう宗教みたいなのがずっと続くわけだから。ライヴの本質自体を磨いていったのが、『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC-DUE-』だと思うんですけど、やっぱり世界観の入り口みたいなのを、ずっと代々木まで模索してった感じだった。そういう意味では、代々木でのライヴでやっと完成したのかなって思います。

──代々木では理想型が見えたと。

麗:1個の選択肢としての理想型ですけど、こういう形で着地したっていうかね。

葵:今思えば、『the GazettE LIVE TOUR 15 DOGMATIC-UN-』が、わりとスタンダードだったのかもしれない。ドラム台を大きくしてみたりとか、いろんな試行錯誤があった中でね。でも、そこまでこういう部分はなくてもいい、もっとバンドの本質を魅せていった方がいいのかも。世界観と一緒にバンドの良さも、もっとダイレクトに伝えた方がいいんじゃない? ということになって、マイナスしていく方向になっていった。

──代々木のライヴの魅せ方は、まさに、ツアーを経ての理想型だったわけだね。しかし、オープニングでの、スタンド席近くに設けた4つのサブステージからの登場は、かなりのインパクトだったよね。しかも、そのサブステージは、オープニングの1曲にしか使われなかったという贅沢さも、徹底した“魅せ方”を感じたよ。

麗:代々木の構成は1ヶ月を切ったくらいに決まったと思う。それくらいギリギリだった。

RUKI:ツアーと同じことをするのが美学なのか、代々木という単体でのライヴをすることがベストなのか、すごくそこも悩んで。この後にスタンディングツアーも控えてることもあるし、いろいろと考えて。で、せっかくだから、代々木という場所を単体として考えて『漆黒』というテーマを、より深く表現していくライヴにしようということになり、フルで変えていくことにした。そこから映像から構成から全部考えて。それが1ヶ月前っていうのが、またキテル話ではあるんだけどね(笑)。

葵:欲を言えば、ステージから脇に行ける走り込みみたいなのを作れば良かったかなって思ったりもするけどね。結局、代々木みたいな大きな会場になっちゃうと、後ろの方ってどうしても距離が遠くなっちゃうし、遠いって思わせちゃうのも可哀相だから、オープニングみたいな仕掛けを作って、出来るだけ近くに行ってあげたかった。

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