【インタビュー】ZYUN.『混合シナプス』大丈夫って言いたいし自分自身も言ってもらいたい。こういう音楽があってもいいと思う

ツイート

2015年3月に赤坂BLITZで行われたファーストライヴはチケットがソールドアウト。シンガーソングライター、プロデューサー、スタイリスト、デザイナーとクリエイターとしても多才に活動するZYUN.が5月18日にミニアルバム『混合シナプス』でメジャーデビューを果たす。4オクターブの音域を誇るイノセント・ヴォイスを武器に、聴く人と同じ目線で励ましてくれるような7曲を収録した今作を手がかりに、ZYUN.の表現者としての核を探る。

◆ZYUN.~画像&映像~

■ステージの上で表現するものやCDになるものの言葉は
■普段出したくても出せない部分が出てくると思っています


――シンガーソングライター、プロデューサー、スタイリスト、デザイナーと、ZYUN.さんはいろんな表現手段を持っていますが、自分の中での表現欲求の基礎はなんですか?

ZYUN.:入り口は作詞だったのかもしれません。幼稚園ぐらいの時から詩のようなものを書いてたんです。その年頃だと絵日記とかを描くと思うんですけど、全然可愛くなくて(笑)。絵日記の代わりに絵を描かずに詩を書くという。


▲『混合シナプス』初回限定盤


▲『混合シナプス』通常盤

――子供の頃から言葉に反応する子だったんですね。言葉って意味があるから、絵よりもストレートに見た人に問いかけるところがありますよね。そういう「届けたい」「伝えたい」というような気持ちが強かったのかな?

ZYUN.:どうですかね。ただ、僕の母親は、僕が幼い頃から愛情表現を形に表わしてくれる人だったんです。言葉を大事にして育ててくれて。例えば何か悪さをしても、「ごめんなさい」の一言では終わらないんです。「~~~をしたから、ごめんなさい。だから今後はこうします」、そこまでが「ごめんなさい」なんだよって教わってきているんですよ。

――素晴らしい教育ですね。

ZYUN.:子供の頃からそうやって言葉を大事にしてきたから、僕自身も自分の発言で未来が決まると思っているんです。そういう意味で、音楽の歌詞として自分が歌を歌うというものをすべてひっくるめて、ステージの上で表現するものやCDになるものの言葉は、普段話している言葉よりも純粋であって、深いところであって、ある意味見せたくないところじゃないといけない気がしています。魂レベルで、普段出したくても出せない部分が出てくると思っているんです。


――音楽は、ある意味、嘘をつけないものなんですね。

ZYUN.:そうです。すごくナチュラルなものなので、自分がいる場所として、ステージの上が一番生きやすい。息がすごくラクに出来る。音楽を作る時も、楽に息ができている時しか書けないんです。人から見たら僕の音楽は「自分の傷をえぐって血で描いているような」って言われたりすることもあるんです。でも、そうじゃない。苦しんでいる人のところには「助けてあげよう」っていう優しい人は寄ってくるけど、「助けてください」っていうような困っている人はなかなか寄り付かないですからね。そうであれば、きっとみんなが普段だったら言えないことを言ってくれたり、自分が嫌だなと思ったことを僕が全部浄化してあげることが出来るんじゃないかと思って。そのために音楽をやっているんです。

――なるほど。Junxix名義で「XIX」というファッションブランドもプロデュースされていますが、洋服のデザインはいつくらいから?

ZYUN.:リメイクとかはずっと昔からやっているんですけど、探しても見つからないから作っちゃった方が早いっていう感じです。人に合わせて顔色を伺いながら、これは仕事だからっていう部分は生きていく上で必要な時もあるけど、「かげおくり」という曲のサビの最初に英語で書いたんですけど、一番好きなものくらいは何も気にせず、必死で追いかけてもいいんじゃないかと思うんです。そういう意味で、「XIX」は、これがいま必要だろうって思うものを提示するんじゃなくて、俺が着たいものを着てもらったら嬉しいなぁっていう、ある意味自分勝手なブランドなんです。もっと好きな格好をして、もっと好きなものを前に出していいんじゃない?って。


――その表現は、音楽を作る時とはまたちょっと違うんですね。

ZYUN.:そうですね。音楽を作る時は本能で作っていて頭がまったく動いてない状態だから、ある意味自分でも怖い部分がある。でも、ファッションの方はちゃんと頭も動かして、ちゃんと心も動かして、運動をしているような感じかな。そういう部分ではちょっとアプローチの仕方は違う。だけど、根底にあるものはたぶん同じ。

――5月18日にはデビューミニアルバム『混合シナプス』がリリースされるわけですが、このタイトルにはどんな意味がこもっているんですか?

ZYUN.:もともとデビュー作のタイトルを「シナプス」にしようというのは考えていたんです。まず自分自身と繋がって欲しいという意味でシナプスという言葉を入れたかった。でも、7曲すべて選曲して並べた時に、「シナプス」だけだと味気ないというか、しっくりこなかったんですよね。

――シナプスっていうのは神経細胞間の接合部とか、繋げる役割のもののことを言いますよね。

ZYUN.:はい。シナプスにも種類があって、化学シナプスと電気シナプス、そして、その両者を併せ持った混合シナプスというのがあるんです。たぶん、世の中も白と黒の2つだけでなく、いろんな色が混ざり合うように、いろんな人がいると思うんです。自分自身の中にもいろんな自分がいる。その中の一つに絞らなくても別にいいんじゃないかと思うんです。だから、自分自身とまず繋がって、それから自分の大切な人や社会と繋がってもらえたらいいなぁという意味でつけたんです。なおかつ、僕の音楽で、ZYUN.という一つのアイテムとつながることで、みんなが生きやすくなったらいいなぁって。

――楽曲でも生きていくことについて歌われていますよね。魂に訴えるような。一曲目の「Wake Up and“D”」というタイトルから意味深ですし。

ZYUN.:意味深ですか(笑)。僕の好きな言葉に「目覚めてから夢を見なさい」という言葉があるんですよ。だから、まず、この“D”は「DREAM」の“D”。あとは「DIE」の“D”でもあるんです。ちゃんと夢を追って生き切ってから死になさいというダブルミーニングでもあるんですよ。だから「Wake Up and dream」ではなく“D”にしたんです。

――1曲目らしい曲ですよね。

ZYUN.:はい。一曲目はライヴに来てくださる方々が一緒に歌えるアンセムチックなものにしたいなぁと思ってたらこの曲が浮かんできました。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス