【インタビュー】ZAQ「脇役にも主役にもなれるのがアニソンの魅力。私の曲って、何を作ってもアニソンっぽくなっちゃうんです(笑)」

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2012年にテレビアニメ『未来日記』のキャラクターソングで作詞作曲編曲を行い、クリエイターデビューを果たしたZAQ。その後、2013年にテレビアニメ『中二病でも恋がしたい』のオープニング主題歌であった「Sparkling Daydream」でシンガーとしてもデビューしたZAQは、毎回シングルごとにまったく異なるアーティスト性を放ち聴き手を魅了する。そんなZAQから、新たなるシングルが届いた。テレビアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG』のオープニングテーマでもあるニューシングル「割レル慟哭」について、ZAQにじっくりと語ってもらった。

◆ZAQ~画像&映像~

■全体的にとことん無理というか無茶していますよね(笑)
■ZAQは、どこまで一人でできるかっていう挑戦の形なんです


──「割レル慟哭」は11枚目のシングルになりますね。それにしても、素晴しい表現力と歌唱力。プロに対して失礼かもしれないけど、まずそこは、ここでZAQを知ってくれる人に対しても声を大にして言っておかないと。

ZAQ:あははは。そこ大事なんで、ありがとうございます! まぁでも、全体的に無理というか無茶していますよね(笑)。とことんやっていますから。ZAQは、どこまで一人でできるかっていう挑戦の形でもありますからね。毎回毎回。そこと戦っていますから。なので、自然と無理していますし、無茶しています(笑)。作り始めると、とにかく没頭しちゃうんで、日々勢いだけで生きてる感じです。

──あははは。ZAQちゃんは、2012年にテレビアニメ『未来日記』のキャラクターソングで作詞作曲編曲を行なったのをきっかけにクリエイターデビューを果たしているということもあって、歌唱だけではなく、楽曲制作ももちろん、細かいサウンド面もクリエイトしてるんだもんね。

ZAQ:そうなんですよ。制作段階から、歌も含め1つの括りというか。すべてをやってこそ、伝えたいことがしっかりと伝わるんじゃないかと思っているので、すべてを自分でやるというのが、ZAQのアーティスト性でもあると思っているんです。でも、自分ですべてを手掛けていると、作品に対して素直に向き合えるし遠慮がないから、すごく楽なんですよ。人に作ってもらった曲だと、“あんまり良くない”って思っていても言えないとこがあるけど、自分が作った可愛い曲だからこそ“この子、あんまり可愛くないんだよね”ってハッキリとディスれちゃうっていうのが、私の強みでもあると思います(笑)。ブサイクほど可愛い、みたいな。“この子、ブスなんだけど可愛いんですよ”って胸張って言えるっていうかね。私は、説得力のあるアーティストを目指しているので、そこは絶対なところなんですよね。


▲11th SINGLE「割レル慟哭」【アーティスト盤(CD+DVD)】


▲11th SINGLE「割レル慟哭」【アニメ盤(CD)】
(C)BONES・會川 昇/ コンクリートレボルティオ製作委員会

──なるほどね。今作の「割レル慟哭」も、テレビアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG』のオープニングテーマであるし、アニメのタイアップ曲が多いと思うけど、制作方法としては、まず、アニメの作品ありきで作られていくの? それとも、まずは純粋にアーティストZAQとして制作を始めるの?

ZAQ:私としては、純粋にZAQとして音を作っていく中で、タイアップとなったアニメに華を添えるというイメージが理想だなと思っていたんですよ。ZAQであるだけで華を添えられて、どんな曲を作ってもOKっていう状況は、今もすごく憧れたりはするんですけどね。例えば、そのアーティストさんが歌っただけで、タイアップされたアニメが一気に注目されちゃうみたいな。つまり、私ありきでアニメが注目されちゃうってくらい、アーティストパワーがあるっていう。それでいて、アニメの中の住人になって、思いっきり歌えるっていうのが理想だなって思っているんですけど、ZAQはまだまだ有名ではなく、残念ながらそうではないので(笑)。なので、あくまでもZAQという個性を出しつつ、アニメを意識しながら作った楽曲の中で、アニメに寄り添いながら、ZAQの個性をそこで存分に放ってるって感じですね。なので、今は見た目も、固定せず、その都度まったく違ったイメージで打ち出しているんです。

──そうだよね。歴代のヴィジュアルを見ても解るように、その度ごとにイメージが違うもんね。

ZAQ:そうなんですよ。そこは狙ってやってるところでもあります。あまりイメージを固定させたくないというか。いろんなアニメの歌を歌うことが多いので、いろんな私でありたいというか、ZAQの幅広さを見せていきたいと思っているんです。だから、毎回ヴィジュアルも違うし、ミュージックビデオのイメージも変えてるんです。その度にお客さんを驚かせたいと思っているので。ZAQを知ってくれているお客さんは、それを楽しんでくれているんですけど、知らない人からしたら、“毎回印象が変わるから、覚えらんないよ!”って言うと思うし、固定ファンが付きにくいんですけど、そこはいいんです(笑)。一番伝えたいことや、届けたいのは音楽なので、そこさえしっかりと届いてくれたら、私の存在自体はそこまで目立ったものではなくていいと思っているくらいで。むしろ、色を付けないことがZAQであるっていうことも、音楽を聴いて深くZAQを知ってもらえたら、きっと解ってもらえるんじゃないかなって思うんです。

──アニメと共に聴くときと、ライヴで聴くときは、また印象を変えて、純粋にZAQを魅せられるっていうのも、またZAQの魅力なのかもね。

ZAQ:そうですね。脇役にも主役にもなれるのが、アニソンの魅力なのかなって思います。私はアニソンが大好きで、探求してきたんです。だから、私の曲って、何を作ってもアニソンっぽくなっちゃうんですよね(笑)。

──いやいや、でも、今作のカップリング曲「Page」は、純粋なR&Bだったよ。「割レル慟哭」とかとはまったく違った世界観で驚いた。

ZAQ:たしかに(笑)。「Page」は普通に聴いたらR&Bシンガーの曲か!? って思いますよね。そこは、私の純粋な音楽ルーツが出たところでもありました。毎回シングルには3曲ずつ入れていて、まったく違った曲調を入れているんですけど、タイアップ曲ではないカップリング曲では、結構自分のルーツをそのままダイレクトに感じてもらえるような楽曲を入れることが多いですね。今回の「割レル慟哭」は、1曲目からまさに、割れるような慟哭を歌った、ジンギスカンともつ鍋を一緒に食べてるみたいな、コテコテな肉祭状態な曲を持ってきたので、どんどん味を薄めていこうってことで、2曲目の「星空を歩く音」は爽やかなJ-POPテイストな楽曲にして、3曲目の「Page」は、90年代の大人のR&Bを目指してみたんです。ちゃんとね、調味料を調整して、いろんな味付けをご用意させていただきましたって感じになっています。

──一番ZAQ色が色濃いのは、やっぱり「割レル慟哭」?

ZAQ:そうですね、きっとアニソンを歌うZAQを知ってくれている人からしたら、そうだと思います。でも、私がアニソンに目覚めたのは20歳過ぎてからだったので、それ以前はずっとR&Bを聴いてたというところで言うならば、一番自分っぽいなって思うのは「Page」だったりします。

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