【インタビュー】レイチェル・プラッテン、たくさんの人々に元気と勇気を

ツイート

「Fight Song」が全英1位、全米6位に輝いた遅咲きの新人、レイチェル・プラッテン。同曲は、たくさんの人々に元気と勇気を与えているが、それは自分を信じ頑張りつづけてきた彼女だから作れたものだった。

◆レイチェル・プラッテン画像

34歳でようやくブレイク。くじけそうになったことは何度もあるだろうが、拒絶されるばかりだったという長い下積み生活も「学びと発見の時期だった」と考えることができるポジティブな女性。初来日した彼女に「Fight Song」の誕生秘話や成功までの道のり、この先の目標について話を聞いた。


――シングル「Fight Song」とアルバム『Wildfire』の成功、おめでとうございます。あなたの声と曲、メロディーはすごくストロングで、聴いていると元気が出て、やるぞって気にさせてくれます。

レイチェル:ありがとう! それって最高だわ。

――とくに「Fight Song」の成功は大きかったですね、UKで1位になったと知ったとき、どんな気持ちでしたか?

レイチェル:最初、1つのラジオ局で1位になったんだと思ったの。ラジオ局が電話くれて教えてくれたから。わあ、よかったって思ったわ。そしたら、マネージャーが“違うよ、レイチェル。全英だよ”って言うから、“えーっ!”って…。これが現実のことなんだって、まだ信じられないの。ずっと夢見てきたことだから、まだ実感がない。すごくビックリしたわ。

――「Fight Song」は夢を追いつづける人のアンセムになっていますが、この曲が誕生したときのことを教えてください。

レイチェル:「Fight Song」は、ダメだ、できないって思うようなときでも自分を信じてって曲なの。わたし自身にそのことを言い聞かせるために作ったのよ。長いことずっと、音楽で成功したいって夢を追いつづけてきたけど、もう遅いんじゃないかって考えるようになっていたの。すごく頑張ってきたから、心が折れそうだった。そんなとき、もう1曲作って、あきらめようか、もっと頑張ってみようか決めようって、この曲を作り始めたのよ。

――完成したとき、ヒットするとの手応えはありましたか?

レイチェル:期待はしていなかったけど、小さな望みはあった。何度も拒絶され、敗れてきたから、成功するなんて自信はなかった。でも、自分の中で“これはすごくパワフルで、誰かの助けになるはず”って声があったのも確かよ。


――「Lone Ranger」もとてもいい曲ですね。アルバムの中でお気に入りの曲、思い入れのある曲は?

レイチェル:わたしも「Lone Ranger」は大好きよ。それに「Angels In Chelsea」はすごく気に入っている。ニューヨークのことを歌っているの。長いこと住んでいて、いろんな意味でインスパイアされた。強引で騒々しいところもあるけど、活気に溢れていて美しい。傷ついているときでも、気を取り直して周りを見渡せば、みんながエンジェルに見えるって曲なの。

――アルバムを作っているとき、テーマはありましたか?

レイチェル:なかったわ。すでに200曲くらい作っていて、一番自分らしい、正直で、自分にとってリアルだって思う曲を選んだの。

――全ての曲は自分の経験をもとに作られている?

レイチェル:そうよ。すごく個人的な題材なの。

――タイトルを『Wildfire』にしたのは?

レイチェル:他の人の心に火をつけるには、まず自分自身が炎にならなきゃいけないってことあるでしょ? 自分をたきつけることができたら、そうしたら人は集まってくる。だから、アルバムを作っているとき、わたし達、“炎がある? まだない?”って問いかけてた。「Fight Song」ができたとき、ようやく火が燃え上がったって思ったの。

――ヒットに恵まれなかったそれまでの10年間も、自分の中に炎は持ち続けていた?

レイチェル:大きなものではなかったわね。1つ学んだのは……、私の中にはいい曲を作る力があったかもしれないけど、自分のことを十分信じていなかったってこと。他人の目を気にするのはやめよう、自分を信じようって考えを変えたときが大きな転換期だった。

――それはいつだったのでしょう?

レイチェル:わからない(笑)。いまもまだその途中かも。でも、2年前の冬かな…。自分にはやりたいことがある、それが大好きで、上手くいかないかもしれないけど続けたいって実感したの。ちょうどそのころ「Fight Song」を作り始めたのよ。

――初のアルバムを出すにいたるまで、苦労したこともあったのではないかと思いますが?


レイチェル:NYのクラブでよく誰もいないところで歌っていたわ。明け方近くまで。自分でキーボードを運んだりして、大変だったけど、楽しかった。音楽を作ることに専念していたから。自分が何をしたいのか、何を言いたいのか、自分は何者なのか学んでいる時期だった。リビング・ルームでのギグから、ちょっとずつオーディエンスを増やしていって、学びと発見の時期だったと思っている。

――悩んでいるけど、あきらめたくないと頑張っている女性たちにアドバイスをいただけますか?

レイチェル:自分の中に2つの声があると思うの。1つは恐れだったり、そんなの無理だって言う声ね。もう1つは愛と励ましの声。意地悪な声は聞かないようにしたほうがいい。自分の本当の声、聞いていて気持ちがよくなる、勇気づけられる声だけを聞いて。そうすれば強くなれる。自分の心の声を聞くようにする。これって、私が人生でずっと心がけていることなの。

――長年の夢を実現し、次の目標は?

レイチェル:愛を広め続けていきたい。音楽を通じ、夢をあきらめないでって、みんなをインスパイアし続けたい。

――「Fight Song」のヒットで生活が一変したと思いますが、これまでで最大のハイライトは?

レイチェル:今年はいっぱいあったけど、初めてのヘッドライン・ツアーかな。エネルギーに満ち溢れていて、すごくハイになるけど、スロウでビューティフルな瞬間もあるの。とくに下積みが長かったNYでの公演は、ずっと夢見てきた会場だったから、ソールドアウトで、みんなが大歓声を上げてくれたのは最高だったわ。

――まだ闘っていることはある?

レイチェル:いっぱいあるわ(笑)。ネットやメディア、とくにSNSでの中傷合戦や、女性同士の足の引っ張り合いとか、他とくらべて自信を失うとか……そういうのを無くして、みんなに、ありのままの自分でいいんだ、それであなたは完璧なんだってこと、わかってもらいたいの。

全米でトップ5入りしたメジャー・デビュー・アルバム『Wildfire』は日本でも4月中旬にリリースされた。聴いているだけで元気がもらえる、「Fight Song」以外にも頑張っている人達を応援するアンセムが満載されている。

Ako Suzuki


アルバム『Wildfire(ワイルドファイア)』

SICP-4752 ¥1,800+税
1.スタンド・バイ・ユー
2.ヘイ・ヘイ・ハレルヤ feat.アンディー・グラマー
3.スピーチレス
4.ビーティング・ミー・アップ
5.ファイト・ソング
6.ベター・プレイス
7.ローン・レンジャー
8.ユー・ドント・ノウ・マイ・ハート
9.エンジェルズ・イン・チェルシー
10.アストロノーツ
11.コングラチュレーションズ
12.スーパーマン
13.ロンリー・プラネット
14.スタンド・バイ・ユー(アコースティック)
15.スピーチレス(アコースティック)
16.ファイト・ソング(デイヴ・オード・リミックス)
17.スタンド・バイ・ユー(DJマイク・D・リミックス)
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス