【インタビュー】VANIRU、洗練感と尖り、透明感とデカダンスといった相反する要素を併せ持つデビュー・ミニアルバム『ISOLΛTION』

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“麗しき新世代のカリスマ”と称されるボーカリストのLEONEILと、独自のスタイルが光るギタリストYUTOからなるVANIRU。特異な存在としてインディーズ・シーンで大きな注目を集めてきた彼らのデビュー・ミニアルバム『ISOLΛTION』が、5月18日にリリースされる。洗練感と尖り、透明感とデカダンスといった相反する要素を併せ持った独自の世界観は魅力的だし、エモーショナル&セクシィなボーカルや楽曲を絶妙に彩るギターも実に良い。彼らのコンポーザー/クリエイターとしての手腕が遺憾なく発揮された『ISOLΛTION』は、要注目の一作に仕上がっている。

◆VANIRU~画像~

■人というのは真理を知ったところからいろいろな戦いが始まる
■それに対して戦い続ける、挑戦し続けるという前向きな想いが根底に流れている


――『ISOLΛTION』を作るにあたって、テーマやコンセプトなどはありましたか?

LEONEIL:制作に入る前からコンセプト自体はあって。言葉にできれば曲作りがスムースに進むことは分かっていたけれど、まだ身体の中で巡っているような状態だった。

YUTO:一番最初にLEOさんにラフなデモを投げた時は、あまり反応がなくて。フーン…という感じだったんですよ。でも、ある時LEOさんの中で何かがリンクしたのか、その曲をやろうと言ってきまして。だったらLEOさんの感覚で好きなように仕上げてくださいというようなやり取りがあって、どんどん形が変わっていったんです。そういうことを通して、徐々に作品の全体像が見えてきた感じでした。

LEONEIL:最初は、正直心にヒットしなかった。ただ、デモというのは生き物。この世とは何か、、、を考えていった時に、急にリンクした瞬間があって。そこから、いろんなことが浮かび始めた。

――それは、言葉でしょうか? それとも音楽面?

LEONEIL:最初は、サウンド。サウンドのイメージが溢れ出て来て、それを形にしていった。


▲『ISOLΛTION』

――『ISOLΛTION』の楽曲はエレクトロ・テイストを活かしていますが、“エレクトロありき”ではなくて、自分達の中にあるものを形にしたら、こういう音楽になったという印象を受けました。

LEONEIL:まさに、そう。生まれたイメージを、そのまま実際の音に置き換えていったら、こういう音楽になった。だから、エレクトロをやっているという感覚はないかな。

YUTO:曲作りの最初の段階では、本当にラフな素材……それこそ、メロディーとコードだけくらいの感じなんです。そこから、ああでもない、こうでもないと言いながら形にしていくやり方で、最初からゴールが見えていたわけではないんです。

――ドラムやベースは打ち込みで、シンセなども多用しているのに人間味や躍動感があることが個性になっています。

LEONEIL:もっと(エレクトロに)寄せることもできるだろうけど、それはやりたいことではないから。曲を作るにあたって、何かのジャンルを研究したりすることはない。というか、そういう音楽の作り方はできない。

――その結果、独自の音楽が生まれましたね。今回、歌詞の面で全体を覆うテーマなどはありましたか?

LEONEIL:“ISOLΛTION”。この世を見た時に、真理というものが絶対的にあるでしょ? それを辿っていったところが、ISOLΛTIONという言葉だと。先に言葉が浮かんだわけではなくて、ここで表現したいものを象徴するものは何だろうと考えた結果、この言葉に。

――個人的には、“人の世というのは、夢うつつのようなものである”ということを歌っているように感じました。

LEONEIL:そう感じていただけたのなら、それが答えだと。歌詞の意味を押しつけたくないので。聴いてくれた人がそれぞれの解釈で何か見えればそれで。今回の歌詞について一つだけ言うとしたら、すごく残酷な世界でも、どこか救いがあるというか。人というのは真理を知ったところから、戦いが始まるという前向きな想いが根底に流れていて。ただ、その戦いというのは時への挑戦だったりもするので、永遠に戦い続けるものなのかなと。

――その“永遠”というのは、“輪廻転生=生まれ変わり”という思想も含んでいるのでしょうか?

LEONEIL:そう。人というのは何度も生と死を繰り返して。。。

――深い哲学が根底にありつつロックらしい退廃感や耽美感を漂わせているのも最高です。では、『ISOLΛTION』の収録曲で、特に印象の強いものをあげるとしたら?

LEONEIL:……。やっぱり「ISOLΛTION」と「Dreaming Crystal」は大きいかな。もちろん残りの3曲に対する想いも強いからこそ、それぞれが持っているポテンシャルをもっと引き出したいというか、まだ何かがあることを感じたのであって。それを、この瞬間にどれだけ引き出せるのかと。仕上がり? すごく満足している。

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