【インタビュー】MICHI、「リアリ・スティック」歌唱のコツはED映像の事前妄想「今、由希奈ちゃんは宇宙空間にいるんだろうな…」

ツイート

『true tears』や『SHIROBAKO』といったテーマ性とクオリティを高いレベルで両立させた作品の数々で、高い評価を得ているアニメーション制作会社“P.A.WORKS”。同社の15周年記念作品であり、初のロボット作品が2016年4月からスタートしたTVアニメ『クロムクロ』だ。戦国時代から現代にタイムスリップしてきた侍の剣之介を主人公に、ジオフレームと呼ばれるロボット同士の戦いが描かれる……そんな本作のエンディングテーマに2015年7月にデビューしたばかりのMICHIが抜擢された。

◆MICHI画像


“沖縄初のアニソンアーティスト”として売り出されている20歳の彼女は、沖縄の学生時代から生粋のゲッター(オタク)だったという。そんな彼女が5月18日にリリースする3rdシングル「リアリ・スティック」。『クロムクロ』エンディングテーマとなる表題曲、そしてとにかくポジティブな彼女の力の源になっているであろうオタクとしての遍歴を伺った。

■エンディングでは由希奈ちゃんがメインだろうなと思っていたんです。
■そうしたら今回のCDジャケット(通常盤)のイラストで驚きました!

──まず「リアリ・スティック」のコンセプトを教えてください。

MICHI:ダブルミーニングになっているのですが、ひとつは「realistic」で「現実的」という意味があります。そしてもう一つは「real stick」という単語に分けて「真実を貫く」という意味があります。歌詞は『クロムクロ』のヒロイン・由希奈ちゃんに寄り添ったもので、すごく大きな愛について表現されていますが、三次元での愛の歌詞としても共感してもらえるようなものになっていると思います。

──楽曲のお気に入りのポイントを教えてください。

MICHI:Dメロが特に由希奈ちゃんの心情についてリアルに書かれていて好きです。『クロムクロ』を観ていくと、この部分の理解度が高まってくると思います。

──サウンド面でのポイントは?

MICHI:今回はエフェクトがこれまでの曲にないくらい使われていますよね。ロボットアニメらしく、ワクワクさせられる近未来感があります。

──サビ前にも加工された声がありますよね。

MICHI:あそこは私の色々な言葉を収録したものを加工して使って頂きました。「世界が平和になりますように」とか。1番と2番で言っていることも違います。と言っても、私もなんとなく「あの言葉を使ったんだろうな」くらいにしか知らないんですけど(笑)

──何を言っているの予想するのが楽しそうですね。「リアリ・スティック」を歌うにあたって『クロムクロ』の内容は把握されましたか?

MICHI:シナリオを途中まで読ませて頂きました。P.A.WORKSさんらしいヒューマンドラマが今回もすごいことになっているなというのと、P.A.WORKSさん初のロボットアニメながら「嘘でしょ!?」と思うくらいすごく面白くって。シナリオを頂いて、3時間もしないうちに読み終えてしまいました。

──脚本を読まれたということですが、そのうえで歌唱で気をつけた点は?

MICHI:今回だけでなく毎回ですが、頭のなかでまだ見ぬエンディング映像を思い浮かべながら歌うようにしています。「今、由希奈ちゃんは宇宙空間にいるんだろうな」とか「裸でありのままの自分を晒しているんだろうな」とか。エンディングでは剣之介やクロムクロ(作中に剣之介らが搭乗するロボット)も出てくるけど、由希奈ちゃんがメインだろうなと思っていたんです。そうしたら今回のCDジャケット(通常盤)のイラストで、まさに由希奈ちゃんが裸だったので驚きました!

──前作「Checkmate!?」は明るい楽曲でしたが、今回のようなシリアスな楽曲とどちらが好きですか?

MICHI:好き嫌いではなく、素で表現できるという意味では明るい曲ですね。私自身が明るいというか常にポジティブなので(笑)。でも歌いがいがあるのはシリアスなほうです。いかに歌を表現できるか、どうすればお客さんに伝わるかというのを考えさせられるし……でもやっぱり、明るい歌も自分をさらけ出せるし、楽しいですね(笑)

──レコーディング時にとくに覚えているエピソードはありますか?

MICHI:今までで一番不安な曲ではありましたが、思ったより早く終わりました。サビのキーが高くって、Dメロも声が出るのかなって……デビュー時だと絶対に出なかった声だったので。そこを無事に歌えたことは、自分の成長を感じられて印象に残っています。ただカップリング曲は「リアリ・スティック」以上にずっとハイトーンが続く曲になっていて、また「歌えるのか…」となりました(笑)

──そのカップリング曲「真夏のオーケストラ」について伺います。こちらは賑やかな曲ですね。

MICHI:そろそろ夏ですから! 沖縄の海で、タオルを振りたくなるような曲になっています。私は夏女ですし、今年の夏は色んなところで歌う予定なので楽しみですね。大きいところで歌えば歌うほど気持ちいいだろうなって。これまで以上にコールアンドレスポンスが多いですし、みんなで作る曲になっています。

──なるほど、みんなで作るという意味でもオーケストラなんですね。タオルも販売されるのでしょうか。

MICHI:はい、青色のタオルです。実は二十歳の誕生日に、島田秀平さんに手相を見ていただいた時に青色がラッキーカラーだと教えていただいたのと、あとイベントなどで歌ったときにみんなでタオルを振ったら一面海みたいに見えるんじゃないかなと思って青色にしました。


──なるほど、それではタオルは必須ですね。「リアリ・スティック」のMVの話に移ります。収録場所はどこなのでしょうか?

MICHI:あれは春日部(埼玉)の地下にある(首都圏外郭)放水路です。階段で言うと3階分124段降りたところにあります。3月中旬くらいの収録で地上は暖かかったけど地下はおそろしく寒くて、水溜まりにうっすら氷が張ってましたからね。

──衣装も薄着ですしね。

MICHI:鳥肌が見えないか不安でした(笑)

──衣装は和のテイストが採り入れられていますね。

MICHI:『クロムクロ』の剣之介が戦国時代からタイムスリップしてきたということで和風です。ほかにも『クロムクロ』のイメージから赤と黒を採り入れ、あと私の「MICHI」のロゴがインフィニティ(∞)に羽根ということでインフィニティのブレスレットや羽根のアクセサリーを着けてと、すごく凝った衣装になっています。指輪も『クロムクロ』の目をイメージしたもので、私と『クロムクロ』の世界観が融合した衣装です。

──なかなか見ないほどの深いこだわりですね。

MICHI:イヤーカフもかわいらしいものにしてもらいましたし。スタイリストさんがいつもこだわってくれて、前回の『Checkmate!?』も短い制作期間ですごくいいものを作ってくださって、本当にすごいんです。衣装を作るにあたっては色んなスタッフが集まって何日もかけて決めていきますが、とても愛情が詰まっていて私も愛着が湧きますね。

──動いている時に見栄えがいいですよね。

MICHI:本当に、動くと真っ赤な袖が翻ってすごいきれいなんですよ。ステージ映えしている実感があります。

──間奏ではダンスもされていますね。

MICHI:MVでは寒くて体が動くまでが大変でした(笑)。それでも今回はあまり踊らず、由希奈ちゃんの心情を自分にオーバーラップさせて、いかに彼女の心を演じているかというところを観てもらうかを重視しました。たとえば今までは絶対に目をつぶって歌うことはありませんでしたけど、今回は必要な箇所では目をつぶっています。

──ライトが映る瞳がアップになるシーンも印象的です。

MICHI:あれはカラーコンタクトを入れて、円形状の特殊なライトで光をあててもらっているんです。私も出来上がりを観たときに、「こんなに綺麗な感じに映るんだ」と驚きました。
この記事をツイート

この記事の関連情報