【インタビュー】高橋まこと率いるJET SET BOYS、「バンドでドラム、それが俺のすべてかな」

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元BO?WYの高橋まこと (Dr)、L?-PPISCHのtatsu (B)、元REBECCAやAUTO-MODの友森昭一 (G)、元SURFACEの椎名慶治 (Vo)からなる新バンドがJET SET BOYSだ。「死んだら最後、悔いのない人生をもう一度バンドで終わりたい」という高橋まことの想いのもと、東日本大震災をひとつのターニングポイントに、約2年の歳月をかけて現在のメンバーに辿り着いた。

◆JET SET BOYS 画像

強者4ピースによる1stフルアルバム『JET SET BOYS』が6月1日にリリースされる。収録された全13曲は一点の曇りもないロックチューン。サウンドはタイトでソリッドだ。伝家の宝刀8ビートをはじめとしながら、切れ味鋭い16ビートやジャジーな6/8拍子など、そのリズムパターンも楽曲テイストも彩り豊かな仕上がりは、未知を切り拓いてきたメンバー各々の技量と、この4ピースバンドに掛ける心意気の高さによるものだ。結成の経緯から、楽曲制作、アルバムレコーディング、間もなく開催されるツアーなど、メンバー全員が全てを語ったロングインタビューは、始まりの高揚感に溢れた輝かしいものとなった。

   ◆   ◆   ◆

■直電ですよ? まことさんから
■「やります!」と即答しました

──まず、4人揃ってのインタビューはこれが初ということで、ありがとうございます。

友森:そんな記念すべき取材なんですけど、今朝リハーサル機材を運んでいるときにギックリ腰やっちゃって。すいません、座ったままの挨拶です(笑)。

▲高橋まこと (Dr / ex.BO?WY)

──ははは。安静のままで取材を進めさせてください。ではまず、JET SET BOYS始動に向けてみなさんの意気込みからお願いします。

高橋:ドラムの高橋まことです。すごく楽しみにしてます! 言い出しっぺが俺なので、みんな集まってくれて本当にありがとう。音出せて非常に嬉しい。がんばります!

椎名:まさに今日、ツアーリハーサルが始まったわけですが。音を出す1分前まで“不安”しかなかったんです(笑)。レコーディングとライヴはまた別ものだからね。でも、音を出してみて今、その不安が“すごく楽しい”という“期待”に変わったところです。

友森:僕は楽しみなんですが、不安でいっぱいです。

椎名:俺と逆ですね(笑)。友森さんはレコーディングで構築したギターアンサンブルをライヴ用に落とし込む作業があるからね。

友森:初めてライヴリハで音を出したら余計に不安になっちゃって(笑)。でも明日ぐらいには楽しみになってるはず。

tatsu:まずバンドの成り立ちとして、先にレコーディングをやって、そのレコーディングも「ライヴを想定してなるべくシンプルに」と言っていたんだけど、結局友森君は音をたくさん重ねていってしまい、不安要因を増やしてしまったわけです。

友森:自ら進んでね(笑)。

tatsu:この4人でいいアルバムが作れたので、これがライヴでどう化けるのかがすごい楽しみですね。あとは体力と記憶力の勝負。多分、曲順も覚えられないから(笑)。セットリストを見てても間違ったり、この曲の間奏をあの曲で弾いちゃったりとか(笑)。

友森:それは俺にありがち(笑)。ま、そこは2度美味しいということで。

tatsu:アルバムをちゃんと聴いてライヴに来ると「あ、違うことやってる!」という楽しみ方ができるかもしれません(笑)。

──それでは、言い出しっぺのまことさんに、なぜこのメンバーだったかというところをうかがいたいんですが。

高橋:椎名とは3年ぐらい前、福島の復興支援イベントをやってるときによく一緒になって。友森もそう。不思議な縁があったんだよね。で、まずバンドはヴォーカルいないと始まんないからさ。「一緒にバンドやんねぇ?」ってまず椎名を誘ったのが始まり。歌が上手くてしゃべりもいい。あ、しゃべりがよくて歌も上手い、か。

椎名:なんでわざわざ順番入れ替えるの(笑)。

高橋:他のヤツはさ、バンドに所属してるヴォーカルばっかりだから勝手に声かけられないわけよ。引っこ抜くことになっちゃうでしょ。

椎名:俺は都合がいい男ってこと(笑)?

高橋:そうそう(笑)。それで椎名に「一緒にバンドやんねぇ?」って電話したの。

椎名:それも直電ですよ? まことさんから。自分が中学生のときにBO?WYは解散してましたけど、その時点ですでに伝説のバンドだったわけですよ。その伝説のバンドのドラマーから直電がくるんですから、怖かったですよ。まず、断れるわけがないですからね。マネージャーを通してくれたら、「いま忙しくて」とか言うこともできるかもしれないけど、ご本人に向かって、そんなこと言えるわけがないですから。

──ははは。確かに(笑)。

椎名:そのとき、即答で「やります」と受けました。それが2年前のことで。さっきまことさんがおっしゃったように、その前に復興支援ライヴで、まことさんと一緒になることが何回もあったので、やっぱり縁があったんだと思います。

友森:僕もまことさんとは縁があってね。自分がAUTO-MODにギタリストとして加入する直前まで、まことさんはAUTO-MODでドラムやってたんですよ。CHU-YA&De-Luxは僕が辞めた後にまことさんが入ったし。

高橋:それに友森はヒムロック(氷室京介)のアルバムやツアーでも弾いてたしな。すれ違ってたな(笑)。

友森:それが20年ぐらい前だと思うんですけど、まことさんがソロアルバム出したときにギター弾かせてもらったんですよ。そこでやっと一緒にできて。それに椎名くんと僕も一緒にやっていたことがあって。

椎名:僕のソロ初ツアーから、サポートギターをやってもらっていたんです。

──本当に縁が深いメンバーなんですね。

椎名:3人はバーッと決まったんですけど、ベーシストが決まらなくてね。tatsuさんに行き着くまでに、まことさんと友森さんと3人でどんな音楽をやりたいかを話したんですけど、バンドは組みたい、でもどんな音楽なのか誰も分かってない(笑)。友森さんが“変態”なので……って言葉が足りませんね(笑)。変態的な友森さんのギターや作曲センスから紡ぎ出されるものに変態で返せるベーシストじゃないと無理なんじゃないかっていうのは最初からあったんですよ。ならば、なんでも対応できるベーシストがいいんじゃないかと。そこで、友森さんの口から出てきたのがtatsuさんだったんです。

友森:こういうベースを弾くってスタイルがある人よりも、分かりにくいベーシストがいいなと僕は思ってて。tatsuくんはつかみどころのないイメージがあったんですね。で、このバンドで一緒にやってみたら、ますますわからなくなった(笑)。

tatsu:それ、上げてるの?下げてるの? どっち(笑)?

友森:上げてるんだよ。tatsu君を選んでよかったなって話だから。ただ、変態ベースだと歌いづらいだろうね。

椎名:はい(笑)。

tatsu:ご迷惑をおかけしてます(笑)。

友森:tatsu君とは一緒に音を出したことは一度もなかったんだけど、25年ぐらい前から知り合いではあるんだよね。

──では、友森さんからtatsuさんにご連絡を?

tatsu:いや、まことさんからいきなり直電がきまして、「高橋まことです」って(笑)。

高橋:「tatsuがいい」って友森が言うから、じゃあ俺がちゃんと誘わなきゃと思って電話したんだよ。

──まことさん発信のバンドとして、筋を通すという。

椎名:曖昧な始まり方じゃなくてね。まことさんが誘ったということが重要なんです。

──そうして集結したのがこの4人。

友森:当初は30代、40代、50代、60代の4世代だったんだけど。

椎名:始動するまでの期間に僕が40代になってしまいました(笑)。

友森:で、今、4人でちょうど202歳(笑)。

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