【インタビュー】HYDE、『MTV Unplugged:VAMPS』を語る「不思議な世界にトリップする感覚」

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■悪魔を召喚するときに
■静かな曲だけってことはないだろうと

──本当に悪魔がいたかもしれないですね(笑)。いや、本当にすごいステージでした。細部にまでHYDEさんの美学が行き届いていて。

HYDE:でも当日は開演直前までかなりドタバタで。VAMPSはもう何年も定刻スタートでライヴを毎回やってきてて、それが自慢だったんですよ。よく何時間押したとか言ってるアーティストがいるけど、そういうのは準備不足だ、俺たちを見ろ、と。俺たちがかつて1秒でも遅れたことがあるか?って言ってたのに、この日は2時間押しましたからね(笑)。

──VAMPSにとっては前代未聞の出来事でした(笑)。

HYDE:お待たせしてしまったのは本当に申し訳なかったけど、なんとか形になってよかったです。きっと演出にそれほど興味がなかったら、そのままやってたでしょうね。でも自分の世界観がこれだとは思われたくなかったので。そこは意地もありましたし。

──その甲斐は映像でも充分に確認してもらえると思います。では楽曲についてはいかがですか。きっとアンプラグド用にリアレンジするのは大変だったと思いますが。

HYDE:そうですね。アレンジャーさんは3人かな、ストリングスのアレンジが得意な方たちにそれぞれ割り振ってお願いしました。それを僕がジャッジする形で。

──最も重視していたことは?

HYDE:バラード的な曲は比較的アレンジしやすいと思うんですよ。なので、そうじゃない部分、いかにロックをアコースティックで表現できるかが課題でしたね。そこをうまく指示するのが難しかった。ちゃんと伝えないと、できあがったものを聴いてもしっくりこなくて。例えばリズムの表現をどうするか、とか。ストリングス・アレンジってさらっと綺麗に作りがちだけど、もっと打楽器的な使い方をしたり、そういうお願いをすることが多かったかな。

──選曲もかなりアグレッシヴですよね。「DAMNED」をアンプラグドでやっちゃうんだ!ってビックリしました(笑)。

HYDE:そこはやっぱり黒ミサ的なイメージで(笑)。悪魔を召喚するときに静かな曲だけってことはないだろうと思ったんですよ。アコースティックであっても肉感的な要素は必要だろうと。そういう観点でも曲を選びました。

──Charaさん、APOCALYPTICAとゲストもスペシャルな顔ぶれで。Charaさんとは以前から親交があったんです?

HYDE:ないです。ただ、女性とデュエットしたいなと思って、自分の好きな人がいいなと思って、声を掛けさせてもらいました。

──Charaさんのどんなところが好きなんでしょう。

HYDE:言葉を楽器にしてるところ、ですかね。そこは僕もすごく真似したいところなんですよ。しかも、そうでありながらも歌詞がちゃんと響いてくるっていうのがすごくいいなって。文章としての意味はわからなくても、なんか突き刺さるなっていうところが大好きですね。もちろんメロディも。ただ、Charaさんの曲ってかわいくてポップなものが多いじゃないですか。今回、コンセプトが“ヴァンパイアのライヴ”だったり“悪魔の召喚”だったりしたので、そういう意味ではちょっと浮き過ぎるかなとも思ったんです。でも「ミルク」はその中でも不思議なアレンジが似合うなと思って選びました。

──不思議なアレンジ?

HYDE:ホラーなアレンジにすると真逆過ぎて、むしろちょっと笑っちゃうと思うんですよ。さっき“ティム・バートン的”って言ったけど、ホラーで怖い部分とか、かわいらしくてコミカルな部分っていうのと同じようにちょっと不思議な部分が必要だと思ったので、その部分を担当してもらった感じですね。

──ハーモニーに徹するHYDEさんというのもなかなか貴重ですよね。

HYDE:歌っててもいつもの感覚とは全然違いましたね。主旋律を歌う場合は“みんな、俺についてこい”って自分がリーダーになる感じですけど、ハーモニーに徹すると今度は逆についていく感覚になるので、それは面白い体験でした。

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