【インタビュー】有村竜太朗、個人作品集完成「純度がものすごく高い」

ポスト

■Plastic Treeありきですね
■このバンドしかしてないので

──People In The Boxの波多野裕文さんは?

有村:もともとPeople In The Boxのことは、個人的にすごくいいバンドだなと思っていたんです。彼らも以前はhiroくんと同じ残響レコードに所属していたので、hiroくんを通して知り合って。「カッコいいバンドですね」って言ったら、「実は僕、中学のときにPlastic Treeを聴いていて」という話で。「マジですか! 相思相愛ですね」っていうことで、hiroくんと3人で飲みに行って、すごく盛り上がったんです。お互いに新しい作品を気にする仲になっていて、ふたりでも飲みに行くくらい仲良くなって。一緒に何かやってみたいとは前から言っていたんです。だから今回は、「何かしたいよね」ってずっと話をしていた人たちばかりなんです。

──そうだったんですね。

有村:波多野くんはソングライターで、メロディメイカーでもあるし、ギタリストだしヴォーカリストでもあるので、ふたりで飲んでいたときに「もし、今作っているなかでまだアレンジに手をつけてない曲で、かつ歌詞が乗ってる曲があれば、一度聴かせてください」と言ってくれていて。たまたま1曲あったので送ったら気に入ってもらえて。「僕はバンドというよりも、トラックメイカーとして参加したいです」ということだったので、お願いしたのが「恋ト幻」だったんです。

──みなさんの参加の経緯を聞くと、まさにこれまで20年、Plastic Treeがやってきたことが実ったという感じですね。

有村:まあ、そうですね。Plastic Treeありきですね。このバンドしかしてないので(笑)。

──先ほどのhiroさんとのセッションのバンドというのはどういうことをしていたんですか。

有村:いわゆるコピーバンドですね、遊びなんですよ。飲んでいて、例えば「スマパンいいよね」って話をしたら、「今度スマパンやろうぜ」とか。そんなノリで(笑)。

▲個人作品集 1996-2013『デも/demo』初回盤B

──今回のソロについては、先ほど曲作りの話でPro Toolsを使ってというのが出ましたが、デモについてはわりと完璧に作り上げていって、それをバンドでやってもらうという流れですか。

有村:いや、そんなこともないんですよね。一応、完璧に作り上げてきたんですけど、それはあくまで卓上でやっていたものなので。それをベースに今度はスタジオに入って、「一応これはベーシックだけど、これは地図だとして、好きにしてください」ってやったものを、自分が選ぶという感じです。

──ギターならギターで任せてしまうところもある?

有村:任せてしまうこともありますね。こういうイメージのものが欲しいと提案をしてますけど。具体的に提案することもあれば、完全にお任せのこともあったりですね。

──特に「蜉融」は小林さんがギターで参加することで、かなり迫力ある轟音アンサンブルになってますね。

有村:ギター、多いですね(笑)、そういう感じにしたかったんですよ。これはスタジオに2〜3回入って、あとは本番という感じだったんです。まず自分が作ったデモと、最初にバンドで入ったリハの音とを小林くんに聴かせて。初めて小林くんと入るスタジオの日に、僕の連絡ミスでリズム隊のふたりがこなかったんです。で、俺とhiroと小林くんしかいない日があって(笑)。それがまたよかったんですよね。小林くんがパソコンをつなげてリズムを流して、みんなで弾きながら、じゃあこれにのせて歌いますって歌って。「ああ、そんな感じ、そんな感じ」っていうのを垂れ流す感じで録音していって。

──アウトロ部分で凄まじい轟音のセッションがありますね。あの覚醒感はセッションのノリのままですか。

有村:そうですね。さっき話した<JAPAN JAM>で小林くんとヤマジさんと僕とでやったとき、僕らの曲だったか、マイブラの曲だったか、そのときのセッションの浮遊感が気持ちよくて。打ち上げのとき、「あれが終わらなければいいよね」っていう話をしたんですよね(笑)。

◆インタビュー(3)へ
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報