【インタビュー】anderlustの2人に、個別面談で“女心”も“男心”も訊いてみた。

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■越野アンナ ソロインタビュー編

──「Scrap & Build」の歌詞に描かれている“あなた”は、どんな男性像をイメージしたのでしょう?

越野:完璧な人ではなくて、なにかしら悪いところがある男性です。たとえば、彼女よりも自分が好きなことを優先してしまったりとか、ちょっと浮気癖があるとか、基本的に自分からは連絡してこなかったりとか。私がanderlustで書いている歌詞の主人公は“私”と言っていても毎回自分ということではなくて、友達の恋愛相談を聞いたりして、そこから汲み取っているものも多いんですね。私の周りには彼氏に放っておかれていて淋しいという友達とかが結構いて、「Scrap & Build」は、そういう話からインスピレーションを得た部分があって。それに、実は私は男運が悪くて(笑)。放っておかれたりとか、彼女というもののプライオリティーが低い人だったりという感じで、あまり良い恋愛をしたことがないんです。なので、「Scrap & Build」は実体験に基づいている部分も入っています。

──そ、そうなんですね。でも、わりと放っておかれるというのは彼氏の人間性もありつつ、越野さんが相手を安心させるタイプだからというのもある気がします。

越野:どうだろう? ……でも、尽くすか、尽くされるかでいうと、尽くすタイプなんです。言われたことは守るし、電話とかも自分からしてしまうし。そういう意味では、たしかに相手をヤキモキさせないかもしれない。でも、放っておかれる恋というのは淋しいんですよ。私にも原因があるとしたら、私はこれからどうしたら良いんでしょうぅぅー(泣)。ずっと、このままだったらどうしようぅぅー(泣)。

──いや、人は20代になると少し変わって、恋愛のあり方も変わりますから。なので、きっと大丈夫ですよ。

越野:そういう話はよく聞きますけど、本当ですか?

──本当です。10代の頃は恋に恋している部分がありますし、なによりまだ自己というものが形成されていないですから。一言で言うと大人になることで、自然と自分に合う人に惹かれるようになりますよ。

越野:その言葉を信じます(笑)。

──自分という芯がしっかりあって、自分らしく生きている女性に惹かれる男性は多いと思うんですね。なので、自分を無理して変える必要はなくて、自分らしく生きれば良いと思います。

越野:でも、女の子としては、これは私も経験があるから言えることですけど、自分本位に生きることに対する怖さがあるんです。日本は昔からの文化として、男に尽くす女性が良いという思想が根づいているじゃないですか。旦那さんが仕事をしている間は家を守って、食事を作って、待っているというような女性像ですよね。最近は草食系男子とかも出てきたりして変わってきているけれども、女は男に合わせるものという意識がずば抜けて飛び出している私は、もうめちゃめちゃビビッているんです(笑)。私は自我も主張も強い感じだから、相当我慢しないと、そういう女性にはなれないだろうというのがあって。

──いやいや、自我や主張が強い女性が好きな男性は沢山いますよ。まして、越野さんは音楽に打ち込んでいるじゃないですか。そういう風に情熱を注げるものを持っている人は、男女問わず魅力的です。

越野:本当ですか? ……じゃあ、大丈夫かな。

──心配無用ですよ。では、越野さんが思う理想的な男性は、どういうタイプでしょう?


▲「Scrap & Build」通常盤

越野:私は、大人の男性に掌でコロコロされたいんです(笑)。私に、自分がコントロールしていると思わせておきながら、本当は全部向こうがコントロールしていて、「はいはい」と言いながら良い方向に誘導してくれる。そういう大人な恋がしたいです。大人で、心が広くて、私のバカなところを笑ってくれる人がいいなぁ。

──バカなところって(笑)。

越野:いや、あるんです(キッパリ)。たとえば、今日も取材する場所を間違えたんです。もうダッシュで、ここまで来ました(笑)。そういう失敗をした時に、笑ってくれる人じゃないと……というのがあるんです。待ち合わせの場所や時間を間違えたりするとすごく機嫌が悪くなってしまうような人は、たぶん無理ですね。

──実年齢が年上というよりは、精神的に大人な人ですね。

越野:そう。本当に、精神的に大人な人には、すごく惹かれます。

──実際、そういう人が合うと思います。では、こんなデートをしてみたいという理想のプランをあげるとしたら?

越野:憧れているのは、ドライブデートで、私が運転したい。

──えっ? 自らですか?

越野:はい。運転免許は持っていないんですけど(笑)。

──は、はぁ……。

越野:私が運転して、どこかに連れていきたいというのはあります。

──でも、自分が運転している横で彼氏がグーグー眠ってしまったら、嫌な気持ちになりませんか?

越野:いえ、それも全然良いです。私もちょっとは大人なんだよというところを見せつけたい。運転が上手い人で、助手席でいろいろ教えてくれるというのも良いな。私は、自分よりも優れたところを持っている人に惹かれるんですよ。そういう人からは、いろんなことを吸収できるから。運転も横で私のことをフォローしてくれるのは最高だし、寝ているなら安心されているということがすごく嬉しい。なので、ドライブデートしたいですね。免許、取らなきゃ(笑)。

──大人な男性に、ひたすら甘えたいわけではないことが分かります。ドライブデートで行きたい場所などは、ありますか?

越野:海に行きたいです! 葉山の由比ヶ浜の海沿いを、ドライブで“バァーッ!”と行けたら、私は多分その日のことを一生覚えています。その日はカンカン照りの晴れではなくて、曇りが良いですね。車内に流れている音楽は、レディオヘッド。それか、ブラー。で、最初は曇っているけど、夕方からは晴れて欲しいんですよ。夜になったら葉山の岡のほうに行って、夜景を見渡すという。きゃあー、行きたい! 最高ですよね(笑)。行きたいなぁ……。

──良いコースですね(笑)。話を「Scrap & Build」の歌詞に戻しますが、身近な人がこの曲の歌詞に書かれているような状況になっていたら、どうされますか?

越野:やめなさいと言います。私は、この曲の主人公の女の子の気持ちが、よく分かるんですよ。相手がヒドい人なのは分かっているし、先のない恋だということも分かっているけど、やっぱり好きで、どうしても別れられない。そういう状態になっている友達が実際にいて、その子に別れたほうが良いと言っています。自分が過去にそういう経験をしていて、すごくツラい思いをしたけど、別れてからはすぐに気持ちが冷めたんですよ。きっと友達もケリをつけたら同じように感じるはずだから、別れたほうが良いと言わずにいられないんです。ただ、忠告までですね。それ以上足を突っ込んで、かき回したりはしない。その友達も2時間くらい号泣しながら話をして、そのうえで「でも、もうちょっとがんばりたいの」と言うので、「わかった。じゃあ、がんばれ!」と言いました。

── 一番良いパターンだと思います。続いて、メンバーの西塚さんについてもちょっと話して欲しいのですが、anderlustで活動を共にしてきた中で、彼にまつわる衝撃的だったエピソードを、こっそり教えて頂けますか。

越野:いっぱい、あるんですよね(笑)。結構意外だったのは、(西塚)真吾さんはクールで、職人肌で、あまり女性に興味がなくて、俺はベースで生きていく……みたいな印象を持たれがちだと思うんですよ。私も、そう思っていたし。でも、ああ見えて、彼女にはすごく尽くすタイプなんです。過去の恋話を聞いたりすると、彼女に尽くし過ぎて、それが原因で嫌われて、最後はフラれてばかりだと言っていて。たとえば、デートの時は必ず奢る、必ず送る、必ず自分から連絡もする、デートの約束も自分からするみたいな感じで、尽くすんですよね。そういう人だと思っていなかったから、その話を聞いた時はちょっとビックリしました。そういう意味では、私と恋愛のタイプは似ているかもしれないです。完全に私の中では、真吾さんは恋愛の対象ではないですけど。

──そうなんですか?

越野:はい。これは、もう大文字で書いて欲しいです(笑)。申し訳ないけど、お兄ちゃんという感じですね。そもそも自分が少しでも惹かれてしまいそうな気配があったら、一緒にバンドをやろうと誘わなかったと思います。

──その感覚は、よく分かります。その辺りも踏まえて、西塚さんに一言お願いします。

越野:私は本当に今年20歳になったばかりで、やっとお酒とかも解禁になって、真吾さんと飲みに行くようになったんですね。それで、お互いのいろんなボロが出たりとか、お互いの真の性格が見えたりして、それが面白いんですよ。なので、これからも一緒に飲みに行って本音を話してもらって、いつか真吾さんの男心を歌詞にさせてください。

◆インタビュー(3:二人にインタビュー編)へ
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