【レポート】OBLIVION DUST、20周年開幕ツアー最終日「今が最も手応えがある」

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デビュー20周年となる2017年、その幕開けをツアー<I Hate Rock n’ Roll Tour 2016-17>で迎えたOBLIVION DUSTが2017年1月15日、新木場コーストでファイナルを開催した。

◆OBLIVION DUST 画像

「そこらのバンドと一緒にして欲しくない、って気持ちはすごく強くなってきてる」。再結成以降、最大規模となる全国ツアーの最終日を迎え、“OBLIVION DUSTが今どういう心境なのか?”をヴォーカルのKEN LLOYDに聞いた時に出てきた言葉がこれだ。ある種独特のプライドからくる発言は結成当時からあったものの、はき出されたのは当時とはまた違ったニュアンス。それくらい今回のツアー各公演の充実ぶりは刮目に値するもので、当事者であるメンバーがその感触を一番味わっているのだろう。


「In Motion」から「Never Ending」、さらには「No Regrets」とまるで最後の盛り上がりに近いような選曲で始まったライヴは、簡単なMCを挟んで「S.O.S.」「Designer Fetus」へ。まったく容赦ない怒涛の暴れ系チューンの連打に観客も即座のヒートアップを余儀なくされていく。

2016年夏にリリースされたミニアルバム『DIRT』は、これまでのOBLIVION DUSTを踏襲しつつも見事な進化を遂げてみせた快作であり、とことんシンプルに確信性に満ちた曲を並べてみせた。そのシンプルが故の破壊力がメンバーにとっても「新鮮な驚きに満ちていた」と言う。

とにかくやっていて楽しいと口々に語るメンバーだが、これが彼らにおいてはそれが当たり前ではなく、これまでの歴史を知る人達にはある種の異常事態だと知られている。決して活動状況が順風満帆だったわけではない、一枚岩を誇ったことはこれまでほとんどはかったに等しいのだから。「解散した時も決してOBLIVION DUSTが嫌いになったからではなくて、お互いの理想とこだわりが違いすぎたからだった」。まさに空中分解と言える形で一度バンドの幕を引いた当時のことを、K.A.Z(G)は思い出しながらこう語ってくれた。


そして<I Hate Rock n’ Roll Tour 2016-17>だ。「『DIRT』の曲があるだけで、とにかくライブの選曲が楽しい。これまでの楽曲もすべて相乗効果で良くなってきている」とK.A.Z。バンドのサウンドプロデューサーでもある彼は、最近のバンドの変化を他の二人とはまた違った面で感じ取っていた。「元々"こうだ"っていう考えからズレたことはなかったんだけど、ここに来てより一層楽器への向き合い方から違ってきている。それは自分だけじゃなくて、他のメンバーもそんな感じだと思う」と。

セットリスト中盤ではバラード曲「All I Need」からミドルチューン「Caprice」にてようやく一息つけた観客たちも、続く「Evidence」から初期からの定番曲である「Remains」で、出せる汗は全て出し尽くさんばかりの熱狂ぶりを見せた。特に普段滅多にファンへの感謝を口にしないKENがはにかみながらも「ありがとう」と口にした瞬間、「YOU」のイントロが流れた時がショーの最大のエピックであった。

「今は言葉で交わさなくても、音で通じてる。他の二人から信頼されているって感じがずっと伝わってくる」──KEN


メンバー間で張り合ったりすることで、「以前は余計なエネルギーを浪費してきた」と語るKENが、長らく求めていた安らぎが、これほどまでに熱量と爆発力の中に存在するとは皮肉なもの。底無しに音像の渦に巻き込んでいく力量は、20年越えのベテランだからという見方だけではない。「俺はいつだって、このバンドの入る前から世界基準でやってやろうって思ってた。日本で一番とかいうレベルじゃなくて。そこまで自惚れられるくらいで出来なきゃ納得いかないくらいの気持ちで」と語ったのはRIKIJI。2ndアルバムから参加して、KENとK.A.Zの超個性に並ぶことが出来る唯一のベーシストだ。この日も縦横無尽に観客の心臓を颯爽と軽やかにぶち抜いていく。そして、ステージ上の絶対王者のような3人の風格は、20年間ブレることなくやってきた誇りを十分に感じさせるものだった。

「もう今は(ステージに)上がれば、どうにでもなるって自信がある」と淡々と言ってのけるKENを見ていると、確かに彼らはようやく訪れた2dnインパクトの真っ最中なのだと感じた。今回のツアーは、その意味を十分に噛みしめることのできるものだった。

撮影◎緒車寿一

■<20th Anniversary OBLIVION DUST “I Hate Rock n’ Roll Tour 2016-17”>
2017年1月15日(日)@新木場STUDIO COAST セットリスト

01. In Motion
02. Never Ending
03. No Regrets
04. S.O.S.
05. Designer Fetus
06. Sail Away
07. Microchipped
08. All I Need
09. Caprice
10. Evidence
11. Remains
12. YOU
13. Goodbye
14. Nightcrawler
15. Under My Skin
16. Gateway
17. Haze
18. Death Surf
19. Sink The God

■<FANCLUB限定LIVE Tour>開催決定

2017.3.11 (土) 名古屋 SPADE BOX
2017.3.18 (土) 東京 下北沢GARDEN
2017.3.26 (土) 大阪 MUSE
▼チケット
¥5,940- [tax in / plus 1 drink charge]
http://www.obliviondust.net/club-overdose/about.html


■ミニアルバム『DIRT』

2016.7.20 Release
UICV-1071 ¥2,100(税抜)
1.Death Surf
2.Lolita
3.Evidence
4.Under My Skin
5.Nightcrawler
6.Caprice
7.In Motion

◆OBLIVION DUST オフィシャルサイト
◆OBLIVION DUST オフィシャルFCサイト
◆OBLIVION DUST レーベルサイト
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