LM.C、全国ツアー<LM.C TOUR 2017「VEDA」>がTSUTAYA O-EASTからいよいよスタート

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2016年に結成10周年を迎え、12月21日にはおよそ2年ぶりとなるアルバム「VEDA」をリリースしたLM.Cが、アルバム『VEDA』を引っさげた全国ツアー[LM.C TOUR 2017「VEDA」]をいよいよスタートさせた。


聖典および天啓を意味する『VEDA』の世界はとても奥深い。2月19日に渋谷TSUTAYA 0-EASTにて始まった<LM.C TOUR 2017「VEDA」>は、LM.Cの最新アルバム『VEDA』を軸とした内容となっていた。

その名もズバリのハードエッジな「The BUDDHA」から口火を切ったこのライヴにおいては、演奏される曲目によってバックドロップに『VEDA』のアートワークにも使われていた“曼荼羅”が映し出されたり、ヴォーカリスト・mayaとギタリスト・Aijiの衣装にそれぞれに“DHARM CHKR”(釈迦が説いたとされる法輪・教義を意味する言葉)という文字がデザインされていたほか、「Fight Club」の歌詞にもさらりと〈煩悩〉という言葉が織り込まれていたりするなど、随所に濃厚な仏教フレーバーが香っていたことになるだろう。


だが、何も今LM.Cが我々に向けて伝えようとしているのは、“単なる仏教っぽい雰囲気”などでは決してない。現に、『VEDA』を発表した際にmayaは以下のようなことを口にしていたのだ。「LM.Cを始めてからずっと変わらずに発信してきたことや、これまで歌詞の中で描いてきたことの本質を掘り下げていったときに、もしかしたら世の中には自分と同じようなことを考えている人が他にもいて、それを言葉にしている人がどこかにいるんじゃないだろうか?と思い立って、数年前に少し調べてみたことがあったんですよ。そうしたら、たまたま行き着いたのが古代インド仏教、原始仏教と呼ばれているものだったんです」

つまり。mayaが直接的に仏教からの影響を受けたわけではなく、maya自らの内に在る真理が仏教と偶然にもリンクした、というのがアルバム『VEDA』誕生の背景にある真相にほかならない。もっとも、そうした精神性の部分とはまた別に、今回のライヴでは『VEDA』の中に収録されている、ワイルドにしてデカダンなロックンロールチューン「阿修羅」や、彩り鮮やかなエレクトロポップ「Avocado」、シューゲイザー(英国発祥のノイジーかつサイケデリックな音楽スタイルのひとつ)的なアプローチをLM.C流に昇華してみせた「Phobia」、Aijiの奏でるブルージーな入魂のギターフレーズが哀切と感動をじわじわと醸し出した「Kiss me?」など、LM.Cの音楽的な幅広さを感じさせる楽曲たちがあれこれ披露されていたことも、特筆すべき点であったはず。


また、ライヴ後半戦のここぞという場面では、前半にも演奏された激烈なほどにアッパーな「CHAKRA」が、mayaの一存にて再演奏される一幕も。LM.Cのライヴにおいては、「もっと完全燃焼したい」という強い意思のもと、mayaの瞬時なトップダウン的判断で楽曲が“おかわり”される事象が多々起こりうるのである。

「いやぁー、これは凄いね。チャクラだけじゃなく、毛穴まで完全に開いちゃった気がします(笑)。今回は、ここからかなりヤバいツアーになっていきそうだぜ!」

なお、この夜のライヴからしばらくの間をおいて、<LM.C TOUR 2017「VEDA」>は3月からいよいよ佳境を迎えていくことになる。聖典および天啓を意味するアルバム『VEDA』をたずさえてのこの旅は、LM.CとLM.Cを愛する人々にとって、俗に7つあるといわれているチャクラを続々と全開放していくものになっていくのかもしれない。

文:杉江由紀

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