【詳細レポート】BREAKERZ×VAMPS、「全力でお祝いしてやろうぜ!」

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BREAKERZ初主催ライヴイベント<BREAKERZ 10周年10番勝負-VS->が4月14日、Zepp Tokyoにて開催された。第8番目の対バン相手はVAMPS。VAMPSが毎年主宰しているイベント<HALLOWEEN PARTY>へ、BREAKERZがほぼレギュラー出演していることからも両ファンにとっておなじみ。師弟関係というよりも、DAIGOがHYDEを“神”として崇める雲の上の存在のようなものか。先ごろ公開した速報レポートに続いて、新たな写真盛りだくさんの詳細レポートをお届けしたい。

◆BREAKERZ×VAMPS 画像

そんな2つのバンドが2マンという形で初共演を果たすのだから、当然のごとくフロアは身動きもとれないぐらい超満員。場内が開演前から熱気に満ちあふれる中、スクリーンにMC映像が流れると勝負の始まりに歓声が沸く。「本日の対戦相手を発表しよう! 赤コーナー、VAMPS! 青コーナー、BREAKERZ!」のナレーションにボクシングの試合のごとく“ウォーッ!”という声援が飛び、「今宵、神であるVAMPSにBREAKERZが真っ向勝負を挑む!」というテロップが映し出された。



そして赤い照明の中、VAMPSがステージに姿を表すとZepp Tokyoが文字通り揺れた。近年は全米ツアーや海外フェスへの出演など、ワールドクラスの活躍が話題を呼んでいるが、オープニングナンバー「INSIDE OF ME」が鳴らされると、ただただ迫力に圧倒された。拡声器を持って歌うHYDEはフロアにマイクを向けて歓声に耳を傾け、スクリームで挑発する場面も。重低音ゴリゴリのVAMPSサウンドは見るたびにぶっ太さを増している。

そして、2曲目「DEVIL SIDE」でVAMPSもオーディエンスも早くもエナジー放出状態に突入した。K.A.Zのエッジーなギターカッティングが冴えわたる同曲で、HYDEはステージの縁に座り、前列のファンとハイタッチ。上手下手へとアグレッシヴに動きまわりながら歌う姿に呼応するかのごとくクラウドサーフが巻き起こった。「DEVIL SIDE」に続いてぶちこまれたのはイントロのギターリフに本能を呼び起こされる「EVIL」だ。過去の野外ライヴでは火が燃え盛る演出も印象的だった、ヴァンパイア降臨と言ってもいいナンバー。

「楽しもうぜ! 全員、出していこうぜ!」と叫ぶHYDEは邪悪な空気を撒き散らし、VAMPSの世界にBREAKERZファンも引きずり込んでいく。後輩とは言え、対決に容赦はない。



ライヴのキラーチューン「REVOLUTION II」ではHYDEが海賊フラッグを背負って歌うおなじみの光景が。士気が高まらずにはいられないこのナンバーでの、盛大なシンガロングと拳を上げて盛り上がるフロアは見ているだけで壮観。K.A.Z、Ju-ken(B)、JIN(Key)、ARIMATSU(Dr)の楽器陣の音の厚みも半端ないが、さらに声量を増している感があるHYDEのヴォーカルはその轟音を突き抜けていく。

この勢いのまま突っ走っていくのかと思いきや、中盤には最新シングル「CALLING」収録曲「ENJOY THE SILENCE」(Depeche Modeカバー)を披露。センシティブで陰りのあるナンバーをHYDEが切なく歌い、場内の空気は一変。Depeche Modeは1980年代から1990年代前半にかけて一世を風靡し、今も活躍し続けているUKのバンドだが、K.A.Zのアルペジオが映える憂いのある曲をセレクトするところにもVAMPSのセンスの良さがうかがえる。



「VAMPSです! 楽しんでる?」とHYDEが問いかけ、この日がVAMPSにとって2017年初めてのライヴだということを明かした。「ここZeppは俺たちのホームグラウンドでもあるから、BREAKERZには負けらんねーな! (歓声に耳を傾けて)いいね! 熱いね、みんな! 今日はBREAKERZのファンもいるから、少し良いコになろうか?……なんてね(笑)。気にすんな! 全員で悪いコになろうぜ!」

こう沸かせた後に披露されたのはHYDEが「みんなで歌おうぜ! やれんのか?」と焚きつけたニューアルバムのタイトルチューン「UNDERWORLD」、ライヴ初披露だ。VAMPS最新型のヘヴィでダークなロックンロールが放たれると初めて聴く曲とは思えないほどの盛り上がりで早くもコール&レスポンス。後半戦はおなじみの「AHEAD」でHYDEがギターをかき鳴らし、「Are You Fuckin’ Ready!?」と叫んでK.A.Zと向かい合う。するとライヴは解放のベクトルへ。さらに場内の温度を高めていった小気味いいロックンロール「RISE OR DIE」ではコール&レスポンス。BLOODSUCKERS(VAMPSファン)が“ジャパニーズ・ヴァンパイア”と歌詞を叫ぶところも息がぴったり。続いて攻撃的で扇情的な最新シングル「CALLING」を叩きつけた。この連打には男子からも太い歓声が巻き起こる。


「「CALLING」も初めて演奏したよ。BREAKERZのファンもいい感じになってきたんじゃない? VAMPSは明日も明後日もライヴなんですけど、ビシッとキメるんでね。明日のことは考えてません。みなさんも考えないでください。後先考えずに“100”出そうぜ! あー、大きい声出したら腹減ってきちゃったな! 腹減った!」──HYDE

このクダリがきたらおなじみの「HUNTING Ⅱ」だ。HYDEが「イキがいいヤツ、食いてえな」「どこにいるのかなー?」とフロアを見渡した。そして、野性的なナンバーから一転、ミラーボールの真っ白な光が降り注いだ4つ打ちナンバー「ZERO」でZepp Tokyoは至福の時に包まれた。HYDEがギターを降ろし、再びフラッグを頭上高く掲げた「THE JOLLY ROGER」は荒々しくダイナミック。ギターを弾くK.A.Zの後ろにHYDEがまわりこみ、左右から顔を出すユーモアたっぷりのパフォーマンスに、場内に笑みがこぼれた。ラストは「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」。ロックが持つクレイジーな側面やロマンを表現し、オーディエンスを解放させまくったVAMPSの圧巻のステージ。HYDEは「BREAKERZ、楽しもうぜ!」と投げキッスでステージを去っていった。


転換が終わり、場内が暗転。再びステージにMC映像が映し出された。ここで登場したのは、神と対決するに当たって、やる気のほどを熱く語るBREAKERZメンバー。が、「正直、勝てる確率は“ZERO”」などDAIGOがいちいちVAMPSの曲名を盛り込み、場内は爆笑の渦に。そして、最後には横を向いて全員が正座して拝むように礼をした。その先に何があるのか?と思いきや、そこにはVAMPSの等身大パネルがあったのだった。

青コーナー、BREAKERZがハンドクラップ沸き起こるなか、ステージに登場した。オープニングナンバーは疾走感たっぷりのBREAKERZの決意表明の曲で、数え切れないほどの拳が場内から突き上げられる。BREAKERZものっけから攻めのモードだ。AKIHIDEが下手へ、SHINPEIが上手へとポジションをチェンジし、DAIGOが「跳べ!跳べ!」とフロアを煽っていく。


「第8ラウンド、こんな素敵な日が来るとは夢にも思っていませんでした。もし、9年でBREAKERZが終わっていたら、こんな日は訪れていなかった。10年続けてきてよかったなと思える1日です。そしてVAMPSさんのライヴをずっと見ていて1つ思ったことがありました。それは、できれば僕らが先にやりたかった(笑)。VAMPSファンのみなさんもBREAKERZファンのみなさんも今日しかないこの1日をすごく楽しみに来てくれたと思うんですけど、たぶん、この中で僕がいちばん楽しみにしていたと思います。今日は“V A M P S”で、“バーンと、熱く、盛り上がる、パーティに、しようぜ!”」──DAIGO

ライヴの定番曲が次々に演奏されるBREAKERZのステージには“今、この瞬間を楽しまないと損”と思わせるハッピーな空気が漂っている。「手を横に振って」とDAIGOがBLOODSUCKERSにノリ方をレクチャーした「絶対! I LOVE YOU」ではDAIGOとSHINPEI、DAIGOとAKIHIDEがひとつのマイクで歌う場面も。AKIHIDEとSHINPEIのギターバトルが楽しめるアッパーでメッセージ性の強いナンバーなど、いつのまにかZepp Tokyoを一体化させてしまうアクトはさすが<10番勝負>を戦ってきただけのことはある。




メンバー紹介ではデビュー当時からBREAKERZのサポートを務めてきたMAKOTO(Dr)とMatsu(B)を含む全メンバーが紹介され、SHINPEIは「神が作ってくれた最高のエネルギーを吸収して、俺はもうギンギンです!」と叫び、DAIGOに「9年やってきて、こんなSHINPEIは見たことがない」と言われるテンションの高さ。「楽屋を訪れて、K.A.Zさんに新曲のフレーズの弾き方を教えてもらった」というエピソードまで飛び出した。

そして、いつもクールなAKIHIDEも「僕もちょっといつもと違うテンションになってます。DAI語で言うなら僕の人生M G Mだったな」と発言(DAI語で語るAKIHIDEにDAIGOもビックリ)、「僕の人生、真 面 目だったんですけど、VAMPSさんのライヴ見て、今日は悪いことしなきゃいけないなと思ったんだよ! 最高に悪いことしようぜ!」と叫ぶほど。

2人に若干戸惑いつつ(!?)DAIGOも「サプライズでHYDEさんから誕生日にもらった指切りグローブ」をはめて参戦していることを明かした。また、途中では「GLAMOROUS SKY」を1コーラス披露。これには会場の全員が狂喜するなど、両ファンを喜ばせるMCタイムとなった。


そんなやりとりの後でDAIGOが、「HYDEさんからいい曲だとお褒めの言葉をもらった」という逸話と共に披露されたナンバーは「世界は踊る」だった。大リスペクトしている先輩との対決ライヴに緊張したり萎縮するのではなく、その興奮や高揚感をプラスに持っていき、気合いの入ったアクトとエンターテイメント精神を融合させ、楽しませたのがこの日のBREAKERZだったようだ。中盤ではサプライズでVAMPSと共演するこの日のために作ったという新曲「GOD」が披露され、場内を沸かせたのもスペシャル。ちなみに同曲は、DAIGOの“HYDE愛”が溢れまくった歌詞が見事なラブソングに仕上がっていた。

最新シングル「幾千の迷宮で 幾千の謎を解いて」は構築されたドラマティックなアレンジとDAIGOのヴォーカルが10周年を迎えるBREAKERZの進化を感じさせ、ライヴは後半戦へと突入。彼らのライヴには欠かせないパフォーマンスも見どころたっぷりのエロティックなナンバーや、タオルを回す定番ナンバー「灼熱」など盛り上げまくり、ラストはフロアがヘドバンの海に。完全燃焼したかのような清々しい表情でメンバーがステージを後にした。



そして熱いアンコールの中、揃いのコラボTシャツを着たVAMPSとBREAKERZのメンバーが登場した。「ずいぶん前からオファーをいただいて。ぜひ一緒に出たいと思っていたからね」とHYDEが告げるとDAIGOは「本当に嬉しいです」と感謝の言葉を述べ、「素敵な曲(「GOD」)も歌っていただいて、僕、イヤモニしていたので歌詞もよく聞き取れました」と、なんと新曲の感想もいただく展開に。

ここでお互いの曲をカバーしあうことが発表され、場内は大騒ぎ。が、HYDE曰く、「タオルを回す曲だと思っていた」と勘違いしていたことが発覚、DAIGOが「じゃあ、タオルを回す曲としてみなさん、盛り上がってください」と大歓声の中、「SUMMER PARTY」が演奏された。K.A.ZにDAIGOやSHINPEIが絡み、HYDEがAKIHIDEの肩に手をかけて歌ったり、HYDEがSHINPEIをタオルではたいて笑わせたり、まさにパーティさながらのセッションとなった。



「HYDEさん」「DAIGO」「HYDEさん」「DAIGO」「HYDEさん」「DAIGO」とお互いを何回も呼び合う<HALLOWEEN PARTY>でもおなじみのしゃべりで笑わせた後はHYDEが「A Tやっていいですか?」とDAIGOに振る。DAIGOが「A Tですか?」と返すとHYDEが「ANGEL TRIP」と答えて大歓声。HYDEとDAIGOのデュエットを含め、これもシンガロングにタオル回しと、大いに盛り上がった。そのブレイクで両バンドが記念撮影。そして「残り少ないから全力でお祝いしてやろうぜ!」というHYDEの粋な計らいにより、VAMPSのサポート3人も呼びこまれて再び演奏へ。

すべての演奏を終えて最後は、センターの台の上にBREAKERZとVAMPSの5人が乗り、「最高! うぃっしゅ!」のかけ声でハッピーエンディング。DAIGOも話していたように、こういうスタイルでの共演は10周年<10番勝負>ならでは。観客を楽しませながらも、終始心地よい緊張感が途切れなかった貴重すぎるライヴとなった。

取材・文◎山本弘子
撮影◎田中和子(CAPS)/達川範一(Being)/MASA

■<BREAKERZ 10周年10番勝負 -VS->

全10公演/2017年開催/10アーティストとの2マンイベント。※公演終了分は掲載割愛。
【-VS- GLAY】
2017年4月29日(土・祝)Zepp DiverCity
開場16:00/開演17:00
チケット一般発売日:2017年4月1日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888

[チケット]
1Fスタンディング・2F指定席・2F立見 7,500円(税別)※8,100円(税込)
※各会場限定の「-VS-」ステッカー付き。
※入場時に別途ドリンク代必要。
※未就学児入場不可。
※1Fスタンディングは整理番号順の入場になります。

■<BREAKERZ デビュー10周年記念ライブ【BREAKERZ X】>

▼BREAKERZ デビュー10周年記念ライブ【BREAKERZ X】MEMORY
2017年7月15日(土)豊洲PIT
開場16:00/開演17:00
【チケット】
オールスタンディング 6,900円(税込)
一般発売日:2017年6月17日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
※7/15公演「MEMORY」のみ限定、お客様のフィーチャーフォン、スマートフォンを使用しての写真撮影可能。撮影に関する注意事項は後日BREAKERZ HPにてお知らせ致します。ご来場の際は必ず注意事項をご確認のうえ、お越しいただきますようお願い申し上げます。
※入場時に別途ドリンク代必要。
※未就学児入場不可。
※入場は整理番号順の入場となります。

▼BREAKERZ デビュー10周年記念ライブ【BREAKERZ X】PROMISE
2017年7月16日(日)豊洲PIT
開場15:00/開演16:00
【チケット】
オールスタンディング 6,900円(税込)
チケット一般発売日:2017年6月17日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
※7/16公演「PROMISE」のみ限定、DVD[「BREAKERZ 10周年 10番勝負 -VS- SPECIAL DVD」Live+舞台裏Off Shot]を来場者全員にプレゼント。
※入場時に別途ドリンク代必要。
※未就学児入場不可。
※入場は整理番号順の入場となります。


◆<BREAKERZ 10周年10番勝負>に宛てた10の質問状──DAIGO編へ
◆<BREAKERZ 10周年10番勝負>に宛てた10の質問状──AKIHIDE編へ
◆<BREAKERZ 10周年10番勝負>に宛てた10の質問状──SHINPEI編へ
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