【ライブレポート】セカンドAL発表のロイヤル・ブラッド、新たなスケールを物語った爆音と熱気

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2014年にデビューを果たすやいなや、最強のリフ、ウォール・オブ・サウンドを生み出す凄まじい音圧を放つラウドなロックミュージック、そしてデュオという驚異のスタイルで一気にシーンの中心に登りつめたロイヤル・ブラッドが、6月16日にニューアルバム『Why Did We get So Dark?』を世界同時リリースした。今回BARKSでは、アルバムのリリースを直前に控えた彼らがロンドンのVillage Undergroundで行ったライブの模様をお届けする。

◆ロイヤル・ブラッド ライブ画像

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待望のセカンド『Why Did We get So Dark?』発売2日前に開催されたこの「前夜祭ライヴ」は、人気レコード店ラフ・トレードで新作を予約購入したファンを対象にした招待制ギグ。サマーソニックも含む世界中での夏フェス連戦を終えた後には1万人収容のオール・スタンディング会場でのロンドン日程(1日目は完売で追加公演が決定)を含む大規模な英ツアーも発表されている。

でも、彼らみたいなロック・バンドを観るのなら、やっぱり今夜のようなキャパ700のライヴ・ハウスはベストだよね…などと思っていたところ、オープニング「Where Are You Now?」からプロペラ・ビートに乗って爆裂サウンドが耳を聾し、既に人気曲と化している「Lights Out」で巻き起こった大喝采に押し倒される。のっけから充填されまくったタイトなサウンドで飛ばすところは実にロイヤル・ブラッドらしいし、特にベンのドラムは重量が増していると共に粘りやグルーヴ感も多彩、ライヴの要になっていて頼もしい。



「Come On Over」、「Little Monster」といったヒットで場内をポップコーンのようにはぜさせつつ、前半には新作曲が合間に織り込まれていく。アルバム1枚ということもあり、ヘヴィなリフで裂き、アッパーカットな衝撃で連打するガチンコなセットを組んできたこれまでの彼ら。しかし「I Only Lie When I Love You」他でのラップ調なヴォーカルのひねりは粋なフックで観客をスウィングさせたし、スロー・バーンな落日を思わせて美しい「Blood Hands」とマイクがキーボードを披露したサイケな「Hole In Your Heart」が続く“聴かせる”中盤は、全体の中で実にいいクッションになっていた。

続いてマイクがステージ前面に進み出て、ヒロイックなリフからなだれ込んだ「Figure It Out」の灼熱な演奏は最高だった──が、前作以来ライヴの場で磨いてきたフィナーレ3曲=「Lose Change」、「Ten Tonne Skelton」、「Out of The Black」の流れはベース・ソロも含むジャム/インプロ色が濃い展開で、プレイヤーとしての彼らの真骨頂を叩きつけてくる。「まだ余力があるんだ!?」と、正直のけぞらされた。これでもかこれでもかとヒート・アップする演奏はレッド・ゾーンを突破しっぱなしで、「オラオラァ!」と容赦なく盛り上げ続けるスタミナと気合いに観客も決起。ボディ・サーフにわめき声の合唱、ビールの雨を打つエア・ドラムと、動物的とすら言える反応はカオスと歓喜に満ちていて、ロックンロールが生む名状しがたいあのスリルで沸騰していた。



会場から溢れ出さんばかりの爆音と熱気は、勝負作になるセカンドで彼らが目指している新たなスケールを物語っていた。どこか職人ミュージシャン然として固い印象のあったマイク&ベンのカリスマも、自信と共に強化されている。そんな成長と野心を後押しすべく、サマーソニックでのライヴは過剰なまでに応援してほしいと思う。バンドとしてはミニマルな彼らの鳴らすロックンロールをもっともっと大きくするのは、ファンの声援と熱狂なのだから。

Photo:Ben Lowe

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New Album『ハウ・ディド・ウィ・ゲット・ソー・ダーク? | How Did We Get So Dark?』

2017.6.16 全世界同時発売
WPCR-17765 ¥1,980 (ex. tax)

1. How Did We Get So Dark? | ハウ・ディド・ウィ・ゲット・ソー・ダーク?
2. Lights Out | ライツ・アウト
3. I Only Lie When I Love You | アイ・オンリー・ライ・ウェン・アイ・ラヴ・ユー
4. She’s Creeping | シーズ・クリーピング
5. Looks Like You Know | ルック・ライク・ユー・ノウ
6. Where Are You Now? | ウェア・アー・ユー・ナウ?
7. Don’t Tell | ドント・テル
8. Hook, Line & Sinker | フック、ライン&シンカー
9. Hole In Your Heart | ホール・イン・ユア・ハート
10. Sleep | スリープ

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