ケツメイシが描く、「出会い」の意味

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ケツメイシが、本日7月19日(水)に通算34枚目となるシングル「はじまりの予感」を発表する。

◆ミュージックビデオ

2001年のデビュー以来、コンスタントにシングルをリリースしてきた彼らだが、この新曲でもマンネリ化することなくみずみずしいイメージを保っている。しかも、今回はいつにも増してメロディアスな仕上がりになった。Jazzin' parkが全面的に協力したトラックは、メロウな質感を押し出しており、元気でノリの良いイメージのケツメイシとは一味違い、大人っぽいソフトなサウンドを武器に違う角度から攻めている。

そして、その少し切ない楽曲の雰囲気を絶妙に作り出しているのが、「出会い」をテーマにした歌詞の世界だ。恋の始まり、その出会ったばかりのときめきをストレートな言葉で表現している。

久しぶりなんだ こんな風な気持ち
出会えた奇跡は はじまりの予感
ただ君が 輝いて見えた

サビに登場するこの3行のフレーズだけで、この楽曲の真髄が表現されている。言葉だけを取り上げると、あまりにもストレート過ぎるようにも感じるが、前述の通り少しアダルトな雰囲気のメロディとサウンドに乗せることで、バランスの良いラブソングに仕上がっている。このあたりのセンスが、ケツメイシの魅力といえる。

こういった「出会い」をテーマにした楽曲は、これまでにもいくつか発表してきた。彼らの楽曲には、失恋や友情、そしてアッパーなパーティー・ソングまで様々なタイプが揃っているが、この「出会い」も重要なファクターのひとつといってもいいだろう。

「出会い」ということで真っ先に思い付く楽曲といえば、「出会いのかけら」だろうか。2008年にシングルとしてリリースされ、劇団ひとりの原作を映画化した『陰日向に咲く』の主題歌として使用された。映画のストーリー自体も人と人との関わりが重要なポイントになっており、その内容と連動したのかはわからないが、「はじまりの予感」のような出会いの瞬間ではなく、出会いというものをもっと俯瞰して捉えた歌詞になっている。

人と人が繋がって やがてそれが形になって
決して良いことが起きなくても 出会いとは不思議なもんで
共に涙を流す日もあれば 共に大声で笑う日もある


平易でありながらも、こういった深い言葉を綴れるということは、ケツメイシが「出会い」を非常に大切にしているからだろう。「出会い」には「別れ」が背中合わせであるということもこの楽曲で歌われており、その経験を重ねながら成長していくことを優しい視点で見つめているのだ。

もう少しストレートな歌詞ということでいえば、「君とつくる未来」がわかりやすいかもしれない。2011年に発表されたシングル「バラード」と両A面扱いだったナンバーで、CMタイアップの他、テレビドラマ『ハガネの女 season2』の挿入歌にも使用された。この曲はミディアム・テンポのトラックに載せたキャッチーな楽曲で、歌詞も韻を踏んだ言葉の選び方が印象的だ。ただ、ここで歌われている内容は、実は奥深い。

今 未来へと繋いでゆける全ては
大切な君と 出会えた意味
共に手を取り合って
たまにはぶつかり合って来たけど
君とつくる未来が楽しみで

「出会いのかけら」とも込められたメッセージは共通するが、ここでの目線は俯瞰というよりは主観的だ。ただ、出会うことによって新しい未来が作り出されていくという、普遍的なテーマを上手く差し込んでいる。

さらに、2016年発表の「君と出逢って」では、「君とつくる未来」よりもさらにパーソナルな世界観へと移行している。この曲はシングル「さらば涙」のカップリング曲で、結婚式などでも歌われるというラブソングだ。

君と出逢って
僕が見続けた景色が 変わったよ
もう一人にはしないからと
優しかった 誓い合った
君だから


君と出会うことによって自分が変わったという表現は、それまでの「出会い」をテーマにした歌の中でも、もっともストレートといってもいいかもしれない。そういう意味でも、「はじまりの予感」に繋がる詞世界だ。この2曲を対にして聴くと、なぜケツメイシの「出会い」を題材にするのかがおぼろげに浮かび上がってくる。

様々な「出会い」ソングを生み出してきたケツメイシ。その中でも、もっともシンプルでストレートに綴った新曲「はじまりの予感」を聴きながら、なぜ彼らが「出会い」にこだわるのか、そしてどのように歌詞として表現しているのかを、じっくりと確かめてみてはいかがだろうか。

文◎栗本斉


New Single「はじまりの予感」

2017年7月19(水)ON SALE
【SG+DVD】 ¥1,620(税込)AVCD-83900/B
CD
01. はじまりの予感
DVD
はじまりの予感(Music Video)
僕らの暮らしっく(Music Video)

【iTunes】
https://itunes.apple.com/jp/album/id1247735787?app=itunes&ls=1
他、各サイトにて先行配信中

<KTM TOUR 2017 幻の六本木大サーカス団 「ハッキリ言ってパーティーです!!」>

※既に終了した公演は割愛
7月22日(土)・23日(日)大阪府 インテックス大阪5号館
キョードーインフォメーション 0570-200-888 ※追加公演

7月29日(土)・30日(日)沖縄県 宜野湾海浜公園屋外劇場
ピーエムエージェンシー 098-898-1331 ※追加公演

◆ケツメイシ オフィシャルサイト
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