【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.85 「こどもフジロック、2年目を終えて」

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毎年のことながら、夏はまるで時間と追いかけっこをしているような感覚に陥るくらいにすべての物事が一気に駆け抜けていく季節だと感じていますが、<FUJI ROCK FESTIVAL>の終演からもあっという間に1ヶ月が経過しましたね。

ヘッドライナーの世界中のフェスティバルに乗り込んでいるGorillaz、嵐の天神山以来20年振りの出演となったAphex Twin、そして生きるアートBjörkら総勢232組が出演した日本を代表する音楽フェスティバルは今年も延べ12万5千人を熱狂させる名場面の数々を魅せてくれました。

公開されたアフタームービーの絵はがきみたいな美しい一瞬一瞬がキラキラとこぼれ落ちてくるように紡がれた映像を観ていると目にするそれらが昨日のことのように鮮明に思い出せ、1ヶ月前のこととはどうも信じられずに魔法にでもかかったような不思議な感覚です。これを世間ではフジロスと言うのでしょうか。


改めて<FUJI ROCK FESTIVAL’17>を振り返ると、例年以上に外国人と子連れ参加者が多かったこと、そしてマナーの悪化が叫ばれるなどの課題も残されました。しかしゴミ問題は今に始まったわけではなく周期的に問題として挙がるトピックなので、マナー問題も含め、オーディエンスの入れ替え時期が来たのかもしれません。初めて来た人には分からないことも多いのでしょう。


また、筆者のフジロックでの役割は<こどもフジロック>プロジェクトのメンバーとして子連れ参加者に役立つ情報を発信して応援することで、自身も子連れで参加していることもあり、子連れ参加者が増えたからマナーが悪くなったとは言われたくないものの、ダメな大人(保護者)がいたのも事実でした。

身勝手な大人の姿は他人にとっては教訓になりますが、彼らの子どもは救われません。親の行動を見習って残念な大人になるのかもしれないし、反面教師となっていい作用となるのかもしれませんが、何よりも彼らは楽しめていない可能性が高く、もしかしたらトラウマ体験をしている子どももいるかもしれません。それは少数でしょうけれど、大人のエゴで子どもが辛い思いをするようなことは無くしたい気持ちでいっぱいです。


先にネガティブな話をしてしまいましたが、子連れでフジロックを楽しもうという参加者のほとんどはフジロックには他では体験できない何かがあり、それを愛する子にも体験して欲しいがために、わざわざ山の中まで大変な苦労をして子どもを連れて行くのだと思います。筆者も独身時代は会場を何往復もして出来るだけ多くのアクトを観ようと欲望のまま限界まで挑戦をしていましたが、子連れの今ではすべてが子ども優先で行動パターンも異なり自分の欲を捨てて諦めることも多いものの、以前とは違ったスタイルで楽しめています。

大自然に囲まれた唯一無二な特別な音楽空間に人間の中で最も自由度の高い2歳児の身を置くとどうなるか。その答えは今年も大変面白いものでしたし、昨年からは贅沢な家族旅行として成立しています。子連れが増えたからマナーが悪くなったではなく、子連れが増えたからこそハッピーが増えたと言われるように今後も陰ながら活動してゆきたいです。






写真・文=早乙女‘dorami’ゆうこ
写真=宇宙大使☆スター、Masanori Naruse、Santiago Felipe

◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】
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